確定申告で必要経費が65万まで認められる「家内労働者の特例」の計算例や書き方について

 

この記事では、経費が無条件に65万円まで認められる「家内労働者の特例」についてご説明したいと思います。

 

ご自身の業種が該当するかどうかや、手続きの仕方について確認していただきたいと思います。

 

家内労働者とは

 

最初に、国税庁のホームページで家内労働者について説明されている内容をご覧ください。

 

家内労働者等とは、家内労働法に規定する家内労働者や、外交員、集金人、電力量計の検針人のほか、特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人をいいます。

 国税庁 No.1810 家内労働者等の必要経費の特例

 

この中で、家内労働者等に該当する業種について説明されています。

 

家内労働法に規定する家内労働者

 

この説明に該当するのは、いわゆる内職(家の中で働く人)をしている人です。

 

業務委託を受けて、商品の製造や加工などを行っていて、同居の親族以外に人を雇ったりせずに仕事をしている人のことです。

 

家内労働者の詳しい定義については、下記のサイトを参照してください。

 

 

外交員、集金人、電力量計の検針人

 

この表現はわかりやすいですね。

 

保険の外交員の方や、新聞やNHKの集金人、電気や水道の検針人などが対象となっています。

 

特定の人に、継続的に、人的役務の提供を行う人

 

ここで説明されている業種に該当する仕事の一例としては、下記のようなものが当てはまります。

 

●ライターやwebデザイナー

●ヤクルトの配達員

●特定の会社に所属する英会話やピアノの講師

 

注意が必要な点としては、上記の業種の方でも家内労働者の対象とならない場合があることです。

 

例えば、英会話やピアノを教えている講師の方でも、特定の会社に所属しておらず、自宅で教えているといった場合は、家内労働者の特例を適用することはできません

 

理由としては、自宅で教えている場合は、不特定の人を対象としているとみなされるからです。

 

あくまでも、考え方としては「特定の人に」、「継続的に」、「人的役務の提供を行う人」が対象となることを押さえておきましょう。

 

一般的に、家内労働者に該当する業種の方で、年間の経費の金額が毎年65万円を超えるようなケースは少ないと思います。

 

この特例を適用するだけで、毎年65万円まで無条件で経費として認められますので、節税効果が大きくなります。

 

税金の計算例について

 

具体的に税金面でどのくらいの違いが生じるのかを、一例から考えてみたいと思います。

 

仮に、収入が200万円、必要経費が30万円、所得控除は基礎控除の38万円だけの方が、特例を適用できるかどうかで、どのくらい税金の金額が変わってくるのかを、白色申告と青色申告の例でご説明したいと思います。

 

白色申告の場合

 

適用できない場合

 

収入-必要経費=所得

 

200-30=170

 

所得-所得控除=課税所得

 

170-38=132

 

132万円が課税所得となり、この金額に5%をかけた分が所得税となります。(復興特別所得税は考慮していません)

 

132万円×5%=66,000円

 

適用しない場合は66,000円の所得税がかかります。

 

適用できる場合

 

収入-必要経費=所得

 

200-65=135

 

所得-所得控除=課税所得

 

135-38=97

 

97万円が課税所得となり、この金額に5%をかけた分が所得税となります。(復興特別所得税は考慮していません)

 

97万円×5%=48,500円

 

適用した場合は48,500円の所得税がかかります。

 

青色申告の場合

 

青色申告の場合は、青色申告特別控除と合算できるので、白色申告よりも節税効果が大きくなります。

 

青色申告特別控除は65万円と仮定して、特例を適用できない場合とできる場合とを比べてみたいと思います。

 

適用できない場合

 

収入-必要経費=所得

 

200-30-65=105

 

所得-所得控除=課税所得

 

105-38=67

 

67万円が課税所得となり、この金額に5%をかけた分が所得税となります。(復興特別所得税は考慮していません)

 

67万円×5%=33,500円

 

適用しない場合は33,500円の所得税がかかります。

 

適用できる場合

 

収入-必要経費=所得

 

200-65-65=70

 

所得-所得控除=課税所得

 

70-38=32

 

32万円が課税所得となり、この金額に5%をかけた分が所得税となります。(復興特別所得税は考慮していません)

 

32万円×5%=16,000円

 

適用した場合は16,000円の所得税しかかかりません。

 

収入が200万、必要経費が30万で変わらなくても、特例を適用できるかどうかや白色申告か青色申告かの違いで、所得税の金額が最大で50,000円も違ってきます。

 

「家内労働者の特例」の書き方について

 

「家内労働者の特例」の書き方についてご説明したいと思います。

 

先ほどの例で考えた収入が200万円で、必要経費が30万円だった方が、特例と青色申告特別控除の65万円を適用した場合の書き方です。

 

特例の対象となる方で、書き方がわからない場合は参考にしていただければと思います。

 

家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の適用を受ける場合の必要経費の額の計算書

 

こちらからダウンロードできます。

 

 

損益計算書

 

 

確定申告書B第一表

確定申告書B第二表

節税効果を高めよう

 

先程の計算例からも明らかな通り、節税効果を高めるには「家内労働者の特例」「65万円の青色申告特別控除」を利用することです。

 

家内労働者に該当する場合は、是非適用していただきたいと思います。

 

関係する書類に、必要事項を記入する時間は10分もかからないと思います。

 

また、白色申告や青色申告の10万円控除を適用している方で、税金が高いと感じている場合は65万円の青色申告特別控除を検討してみてはいかがでしょうか?

 

所得税だけでなく、住民税や国民健康保険税なども安くなりますのでおすすめです。

 

ただし、65万円の青色申告特別控除は、複式簿記での記帳が必要ですので会計処理が複雑になります。

 

その手間を軽減するのに会計ソフトが役立ちます。

 

会計ソフトを利用すると、楽に65万円の青色申告特別控除に必要な青色申告決算書を作成できます。

 

 

 

まとめ

 

●「家内労働者の特例」を利用すれば必要経費が65万円まで認められます。

●家内労働者に該当するかどうか判断がつかない場合は、一度税務署や税理士に確認されるようお勧め致します。

●家内労働者に該当すると認められたら、担当者の名前や日時などをメモしておいて控えをとっておけば安心です。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

個人事業主のアラフォー男(ささぶね)です。 これまで、借金生活で苦労したりお金の知識がなかったばかりに余分な税金を払い続けてきた経験から、お金の知識の大切さを痛感。 その後、お金に関する勉強を始め日商簿記2級やFP2級・AFPを取得。 個人事業主のお金管理に役立つ内容を中心に情報発信しています。