年金生活者支援給付金とは?対象者・金額・申請方法を2026年度版で解説

年金だけでは暮らしが厳しいと感じている方を支えるために、国は年金に上乗せしてお金を支給する仕組みを用意しています。

それが年金生活者支援給付金です。

日本年金機構からハガキが届いて自分は対象なのだろうかと気になっている方や、そもそも年金生活者支援給付金とは何かを知りたい方も多いはずです。

この制度は、条件を満たせば年金へ上乗せして月額5,620円(令和8年度)を基準とした金額を非課税で受け取れる、家計にとって心強い支えになります。

ただし、申請しなければ1円も支給されません。

この記事では、対象になる人の条件や金額の計算方法、申請のやり方までを、初めての方にもわかりやすく整理してお伝えします。

 

本記事のポイント

  • 年金生活者支援給付金の対象になる人ともらえない人の条件
  • 老齢・障害・遺族で異なる給付額と令和8年度の最新金額
  • すでに受給しているかどうかを自分で確認する方法
  • 申請方法とハガキが届かないときの対処法

 

\この記事の内容は動画でも解説しています/

 

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年金生活者支援給付金とは?わかりやすく解説

 

年金手帳と年金生活者支援給付金請求書

 

はじめに、制度の全体像をつかんでおきましょう。

ここでは、年金生活者支援給付金がどのような目的で作られ、どんなお金なのかをわかりやすく解説します。

あわせて、老齢・障害・遺族という3つの種類の違いや、混同されやすい加給年金との区別についても整理します。

基本を押さえておくと、自分がどの給付金の対象になるのかを判断しやすくなります。

年金に上乗せされる非課税の給付金

年金生活者支援給付金は、公的年金などの収入とその他の所得が一定の基準額以下の方に向けて、年金へ上乗せして支給される給付金です。

消費税率が10%へ引き上げられた2019年10月に始まった、比較的新しい制度です。

財源には消費税の増収分が充てられており、受け取った給付金は非課税です。

所得税も住民税もかからないため、確定申告に含める必要は原則としてありません。

非課税のため、国民健康保険料や介護保険料の算定にも影響しません。

支給方法もシンプルで、年金が振り込まれる口座へ、年金と同じタイミングで別途振り込まれます。

種類は老齢・障害・遺族の3つに分かれ、受給している基礎年金の種類によって対象となる給付金が決まります。

一時的な支援金ではなく、法律にもとづく恒久的な制度である点も大きな特徴です。

一度支給が決まれば、要件を満たし続ける限り受け取り続けられます。

制度の詳しい内容は、厚生労働省の年金生活者支援給付金制度特設サイトでも確認できます。

老齢・障害・遺族の3種類を一覧表で比較

年金生活者支援給付金は、受給している基礎年金の種類に応じて3つのタイプに分かれます。

自分がどれに当てはまるかを、まず確認しておきましょう。

次の表に、令和8年度(2026年度)の金額と主な条件をまとめました。

種類 対象 主な条件 月額(令和8年度)
老齢 老齢基礎年金の受給者 65歳以上+世帯全員が住民税非課税+所得が基準以下 基準額5,620円(納付済期間・免除期間で変動)
障害(2級) 障害基礎年金の受給者 前年の所得が479.4万円以下 5,620円(定額)
障害(1級) 障害基礎年金の受給者 前年の所得が479.4万円以下 7,025円(定額)
遺族 遺族基礎年金の受給者 前年の所得が479.4万円以下 5,620円(子の数で分割)

老齢向けは対象者が多いタイプです。

老齢は世帯全員の非課税という条件が加わる一方、障害・遺族向けは本人の所得だけで判定され、所得の上限も高めに設定されています。

加給年金との違い

年金生活者支援給付金と混同されやすいのが加給年金です。

加給年金は、厚生年金(老齢厚生年金)に原則20年以上加入した方が、65歳に達した時点で生計を維持している65歳未満の配偶者や一定の子がいる場合に、年金へ上乗せされる仕組みです。

家族手当のような性格を持ち、所得の多い少ないで判定されるものではありません。

これに対して年金生活者支援給付金は、所得が低い年金受給者の生活を支えることが目的で、世帯の課税状況や所得が判定の中心になります。

両者は制度上、どちらか一方しか選べない関係ではありません。

ただし、加給年金を受け取れる方は厚生年金に原則20年以上加入しているため、年金収入が年金生活者支援給付金の所得基準を超えやすい傾向があります。

実際に対象になるかどうかは、世帯の課税状況や前年の所得をもとに確認しましょう。

年金生活者支援給付金の対象者と条件

 

対象者と対象外の文字

 

ここからは、いちばん気になる自分は対象になるのかを見ていきます。

最も受給者が多い老齢向けを中心に、3つの条件を一つずつ確認しましょう。

特につまずきやすい世帯の要件や、もらえる人ともらえない人の線引きも具体的に整理します。

障害・遺族向けの条件にも触れ、自分の状況に当てはめて判断できるようにしていきます。

老齢給付金を受けられる3つの条件

老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

何歳から対象になるのかという点も、ここで明確になります。

  • 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
  • 同一世帯の全員が住民税非課税である
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が基準額以下である

3つ目の所得基準は、生年月日によって少し異なります。

昭和31年4月2日以後に生まれた方は809,000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は806,700円以下が目安です。

なお、障害年金や遺族年金などの非課税収入は、この所得判定には含まれません。

老齢向けは65歳以上が前提のため、60歳から繰り上げ受給をしている方でも、給付金の支給は原則として65歳に達してからとなります。

なお、事業所得など年金以外の所得がある方は、確定申告でその所得を正確に把握しておくことが、判定のうえでも大切です。

見落としやすい非課税世帯の要件

3つの条件のなかで、もっとも見落としやすいのが世帯全員の非課税という要件です。

本人の年金収入がどれだけ少なくても、同じ世帯に住民税が課税されている家族が一人でもいると、老齢向けの給付金は対象外になります。

たとえば、会社員として働く子どもと同居している、配偶者に一定の収入があるといったケースでは、本人の所得が低くても要件を満たさないことがあります。

収入が少ないのに対象にならないケースでは、この世帯要件が原因になりがちです。

逆に、同居していた子どもが結婚や就職で独立し、住民票上の世帯が分かれた結果、世帯全員が非課税になれば、その時点から対象になります。

同居のまま住民票だけ世帯を分ける世帯分離という方法もありますが、国民健康保険料や介護保険料、扶養控除などに影響することがあります。

実行する前に、市区町村の窓口で、国民健康保険料や介護保険料、扶養控除などへの影響を確認しておくと安心です。

もらえる人ともらえない人の違い

対象になる人を整理すると、老齢基礎年金の受給者だけでなく、障害基礎年金や遺族基礎年金を受給している方も含まれます。

障害・遺族向けは世帯全員の非課税という条件はなく、本人の前年所得が4,794,000円(扶養親族の数に応じて加算)以下であれば対象です。

基準が高めのため、対象になりやすい制度です。

一方で、次のいずれかに当てはまる方は、収入が少なくても給付金を受け取れません。

  • 遺族厚生年金のみで、遺族基礎年金を受けていない
  • 障害厚生年金のみで、障害基礎年金を受けていない
  • 世帯に住民税の課税者がいる
  • 前年の所得が基準を超えている
  • 日本国内に住所がない、または刑事施設などに収容されている
  • 年金本体が全額支給停止になっている

特に問い合わせが多いのが、遺族厚生年金だけを受け取っている方です。

この制度はあくまで基礎年金(老齢・障害・遺族)の受給者が対象のため、厚生年金部分だけでは対象になりません。

自分が対象かどうか判断に迷うときは、年金事務所や給付金専用ダイヤルへ確認すると確実です。

要件の詳細は、日本年金機構の年金生活者支援給付金の案内でも確認できます。

給付金はいくらもらえる?金額と確認方法

 

給付金の文字と電卓とノート

 

対象になりそうだとわかったら、次に知りたいのはいくら受け取れるのかではないでしょうか。

ここでは、令和8年度の最新の給付額と、老齢向けの金額がどう計算されるのかをわかりやすく説明します。

さらに、自分がすでに給付金を受け取っているかどうかを、手元の書類などで確認する方法も紹介します。

2026年度の給付額と計算方法

令和8年度(2026年度)の給付額は、月額5,620円が基準です。

前年度の5,450円から3.2%引き上げられました。

この上げ幅は年金本体の改定率(老齢基礎年金は1.9%)を上回ります。

障害等級1級の方は月額7,025円、2級と遺族向けは5,620円です。

ただし、老齢向けは全員が一律5,620円になるわけではありません。

金額は、国民年金保険料を納めた期間と免除を受けた期間に応じて計算されます。次の2つの合計が支給額です。

  • 納付済期間に基づく額=5,620円×納付済月数÷480月
  • 免除期間に基づく額=11,768円×免除月数÷480月(昭和31年4月2日以後生まれの場合。4分の1免除は5,884円で計算)

たとえば40年間(480月)すべて保険料を納めた方は、納付済期間に基づく額として月額5,620円を受け取れます。

納付済240月・全額免除60月の方なら、5,620円×240÷480=2,810円と、11,768円×60÷480=1,471円の合計で、月額4,281円となります。

免除を受けた期間が長い方では、この合計が基準額の5,620円を上回ることもあります。

なお、昭和31年4月1日以前に生まれた方は、免除期間に乗じる金額が一部異なります。

このように、保険料を納めた期間や免除を受けた期間によって受け取れる金額は変わります。

自分の納付・免除の状況は年金証書などで確認できます。

将来の年金や給付金に響くため、国民年金を払わないとどうなるのか、免除との違いの記事について確認しておくと役立ちます。

国民年金だけで老後を迎える方は、年金そのものを増やす工夫もあわせて検討したいところです。

個人事業主が年金を増やす方法については、個人事業主の年金はいくらもらえるのかの記事が参考になります。

なお、所得が基準額を少しだけ超えた方には、減額された補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。

所得が909,000円以下(昭和31年4月1日以前生まれは906,700円以下)であれば対象です。

金額の詳しい算出方法は、日本年金機構の公式ページで確認できます。

すでに受給しているかの確認方法

自分がすでにこの給付金を受け取っているのか、はっきりしないという方も少なくありません。

次の方法で確認できます。

もっとも確実なのは、毎年6月ごろに届く年金振込通知書を見ることです。

年金本体とは別に年金生活者支援給付金の欄があり、受給していれば金額が記載されています。

通帳でも確認できます。

給付金は年金と同じ口座に、年金とは別の名目で振り込まれるため、記帳すると2行に分かれて表示されます。

直近の偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の記帳を見てみましょう。

このほか、ねんきんネットに登録すれば、パソコンやスマートフォンから受給状況や各種通知書を確認できます。

書類が見当たらないときは、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)へ問い合わせるのが早道です。

基礎年金番号がわかるものを手元に用意しておくと、やり取りがスムーズに進みます。

申請方法とハガキが届かないときの対処方法

 

年金生活者支援給付金申請書とボールペン

 

年金生活者支援給付金は、申請しなければ1円も受け取れない申請主義の制度です。

とはいえ手続きはとても簡単で、多くの場合はハガキを返送するだけで完了します。

ここでは、具体的な申請の流れに加えて、よくあるハガキが届かないという悩みへの対処法、そして給付金をいつまで受け取れるのかまでをまとめて解説します。

ハガキを返送するだけ

すでに年金を受給している方が新たに対象になると、日本年金機構から緑色の封筒でハガキ型の請求書が届きます。

送付は毎年9月の第1営業日から順次始まります。

手続きは、氏名などの必要事項を記入し、ポストに投函するだけです。

所得情報はマイナンバーを通じて市区町村から年金機構へ連携されるため、課税証明書などの添付は原則として不要です。

これから65歳で老齢基礎年金を請求する方や、障害・遺族基礎年金を新たに請求する方は、年金の請求手続きと同時に給付金も申請できます。

ここで一つ、必ず押さえておきたい注意点があります。

新たに年金の受給権を得た方は、受給権が発生してから3か月以内に請求すれば、受給権発生の月までさかのぼって支給されます。

この3か月を過ぎると遡及は受けられず、手続きした翌月分からの支給になります。

届いたらすぐに返送するようにしましょう。

なお、ハガキの請求書が届いた方は、マイナポータルから電子申請することもできます。

電子申請を利用すれば、郵送での提出は不要です。

マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータルからの電子申請が便利です。

ハガキの郵送が不要で、24時間いつでも数分で手続きが完了します。

一度受給が認められれば、2年目以降は原則として手続き不要です。

ただし、毎年、前年の所得や世帯状況をもとに継続認定が行われ、要件を満たしていれば支給が続きます。

ハガキが届かない理由

対象になりそうなのにハガキが届かないというケースもあります。

主な原因は次のとおりです。

  • 住所変更の届出が済んでいない
  • 前年の所得超過や世帯員の課税で対象外と判定された
  • 市区町村からの所得情報が連携できていない
  • すでに受給中で手続きが不要(2年目以降)
  • 年金本体が全額支給停止になっている
  • 郵便の事故や配達の遅れ

10月を過ぎても届かない場合は、まず給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)へ問い合わせましょう。

050から始まる電話からは03-5539-2216です。

受付時間は、月曜が8時30分から19時、火曜から金曜が8時30分から17時15分、第2土曜が9時30分から16時です。

なお、受付時間は変更されることがあるため、最新の情報は日本年金機構の給付金専用ダイヤルの案内でも確認してください。

最寄りの年金事務所の窓口やねんきんネットでも確認できます。

ハガキを受け取ったあとに紛失した場合も、年金事務所の窓口や専用ダイヤルで再発行を申請できます。

マイナンバーカードがあれば、再発行を待たずにマイナポータルから申請するほうが早く済みます。

すでに受給している方への支給金額の改定通知書などが届かないときも、同じ窓口で受給状況を確認できます。

給付金はいつまで受け取れるのか

年金生活者支援給付金には、あらかじめ決められた終了期限はありません。

支給要件を満たし続ける限り、年金と同じ口座へ継続して振り込まれます。

老齢向けであれば、要件を満たす限り終身で受け取れます。

障害向けは障害基礎年金を受けている間、遺族向けは遺族基礎年金の受給期間(子の年齢要件まで)が受け取りの目安です。

ただし、次のいずれかに当てはまると支給は停止されます。

  • 前年の所得が基準額を超えた
  • 世帯に住民税の課税者が加わった(老齢向け)
  • 日本国内に住所がなくなった
  • 年金本体が全額支給停止になった

所得超過などで対象外になったときは、年金生活者支援給付金不該当通知書が届きます。

海外への転居などで国内に住所がなくなる場合は、本人からの届出が必要です。

いったん支給が止まっても、その後ふたたび要件を満たせば、改めて請求することで受給を再開できます。

まとめ

 

年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される非課税の給付金です。

令和8年度(2026年度)は月額5,620円(障害1級は7,025円)へと、前年から3.2%増額されました。

老齢向けは65歳以上・世帯全員が住民税非課税・前年の所得が基準以下という3つの条件を満たす方が対象です。

障害・遺族向けは世帯要件がなく、本人の所得で判定されます。

申請は届いたハガキを返送するだけで、添付書類も原則不要です。

2年目以降は原則として手続き不要ですが、毎年、前年の所得をもとに継続認定が行われます。

新たに年金を受け始めた方は、受給権発生から3か月以内の手続きが重要です。

届いていない場合も、専用ダイヤル(0570-05-4092)や年金事務所で確認できます。

老齢向けは基準額が月額5,620円で、納付や免除の状況に応じて金額が決まります。

小さく見えても、満額なら年間で約6.7万円、10年で約67万円の上乗せです。

しかも非課税です。

物価高が続くいまだからこそ、使える制度はもれなく活用していきましょう。

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