専従者給与(専従者控除)の限度額について

 

青色申告や白色申告で利用できる、専従者給与(専従者控除)の計算方法や限度額についてご説明しています。

 

白色申告の場合

 

限度額について

 

事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円

この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額

 

引用:国税庁 No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

 

白色申告の専従者控除は、要件を満たしていれば税務署への事前の届け出は不要で利用することができます。

 

基本的な計算式は下記のとおりです。

 

専従者控除=事業所得等 ÷ (事業専従者の対象人数+ 1)

 

専従者控除には、最初から一定の上限金額が決められています。

 

専従者が配偶者の場合は86万円が上限となり、配偶者以外であれば50万円までとなっています。

 

計算した専従者控除の金額と専従者控除の上限額とを比較して、どちらか低い方の金額が控除金額となります。

 

具体例について

 

事業者の所得金額や事業専従者の人数によって控除額は変わりますので、具体例をいくつか考えてみたいと思います。

 

配偶者

 

事業所得が150万円で、事業専従者が1人(配偶者)の場合、専従者控除の求め方は次のようになります。

 

150万円÷(1人+1)=75万円

 

配偶者の場合は上限額86万円です。

 

配偶者控除の上限額よりも、計算した金額のほうが低いので、低い方の金額が専従者控除の金額となります。

 

このケースでは75万円となります。

 

配偶者以外

 

一方、条件は同じで専従者が子供だった場合は次の通りです。

 

150万円÷(1人+1)=75万円

 

配偶者以外の上限額は50万円です。

 

この例ですと、計算した金額よりも配偶者以外の上限額のほうが低いので、50万円の上限額が専従者控除の金額となります。

 

配偶者+配偶者以外

 

事業所得が300万円で、事業専従者が2人(配偶者+子供)の場合、専従者控除の求め方は次のようになります。

 

300万円÷(2人+1)=100万円

 

次に、配偶者と配偶者以外の上限額と比較します。

 

配偶者の場合は86万円、配偶者以外は50万円です。

 

いずれも、100万円よりも上限額が下回っていますので、この場合の専従者控除の金額は上限額の86万円、50万円を合わせた136万円となります。

 

他の条件は同じで、事業所得が210万円だった場合は次のようになります。

 

210万円÷(2人+1)=70万円

 

この例では、先程と違って配偶者の上限額よりも計算した金額の方が少なくなります。

 

ですから、配偶者の控除金額は70万円となります。

 

配偶者以外の場合は、計算した金額よりも上限額が下回っていますので50万円が控除額です。

 

この例では、専従者控除の金額は70万円と50万円を合わせた120万円になります。

 

青色申告の場合

 

限度額について

 

届出書に記載されている方法により支払われ、しかもその記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。

青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること。なお、過大とされる部分は必要経費とはなりません。

 

 

引用:国税庁 No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

 

青色申告については、要件を満たすことで配偶者やその他の親族への給与を専従者給与として、経費計上することができます。

 

その限度額については、青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する際に記載した金額の範囲内となります。

 

この設定金額については、月額8万円ほどの給与設定のケースが多いようです。

 

理由は、上記の金額であれば、専従者給与を受ける配偶者などに対する所得税や住民税がかからないケースが大半だからです。

 

しかし、事業主の事業所得金額などにもよりますが、家族全体の節税で考えると設定金額を上げたほうがお得になる場合もあります。

 

ご自身で判断がつかない場合は、税理士などの専門家に一度相談するようお勧めします。

 

注意点について

 

配偶者(特別)控除、扶養控除は受けられない

 

専従者控除や専従者給与に加えて、配偶者(特別)控除や扶養控除を受けることができれば、その分節税効果が大きくなりますが、両方の控除を利用することはできません。

 

ですから、専従者控除や専従者給与を利用する場合は、配偶者(特別)控除や扶養控除の金額よりも、控除額が大きくなる場合に利用しないと逆に税金を多く支払わないといけない可能性があります。

 

配偶者(特別)控除や扶養控除の金額は、下記の記事が参考になると思いますので確認していただきたいと思います。

 

参考記事:2018年(平成30年)分からどう変わる?配偶者(特別)控除の要件や年収の壁について

参考記事:扶養控除の対象者や控除金額、親と同居の注意点や確定申告の際の書き方について

 

労務の対価として相当かどうか

 

青色申告で利用できる専従者給与については、労務の対価として相当かどうかが考慮されることになります。

 

労働に従事している時間や仕事の内容などが総合的に考慮され、過大であると判断される部分については経費としては認められません。

 

青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する際に記載した金額の範囲内であれば、必ず経費計上できるわけではありませんのでご注意下さい。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

個人事業主のアラフォー男(ささぶね)です。 これまで、お金に関する無知が原因で経済的に苦労した経験から、お金の知識の大切さを痛感。 その後、お金に関する勉強を始め日商簿記2級やFP2級・AFPを取得。 個人事業主のお金管理に役立つ内容を中心に情報発信しています。