事業主貸と事業主借の勘定科目の使い方と仕訳例

事業主貸と事業主借は、個人事業主特有の勘定科目です。

 

正しく会計処理をする上で、この2つの勘定科目の使い方を押さえておく必要があります。

 

この記事では、事業主貸と事業主借の勘定科目の仕訳例や決算時の相殺についてご説明しています。

 

本記事の主なポイント!

 

  • 事業主借と事業主貸の勘定科目の違い
  • 事業主貸・事業主借の仕訳方法
  • 決算時の事業主貸・事業主借の相殺処理

 

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個人事業主特有の勘定科目

 

「事業主貸」と「事業主借」の勘定科目は、個人事業主特有のものです。

 

通常、会社の場合は法人という法律によって作られたものが主体となり事業を行っています。

 

一方で、個人事業主の場合は法人ではなく人が事業を行っています。

 

ですから個人事業主の会計処理をする場合は、事業に関係するものとプライベート分のお金について区別する必要があります。

 

事業主貸とは、生活費などのプライベートな支出や事業主個人の税金などを支払う際に使用する勘定科目です。

 

事業とプライベートで使用する分が、一緒になっているものについては按分計算」によって個人で使った分と事業で使った分を計算した上で、必要な会計上の処理を行う必要があります。

 

事業主借とは、個人のお金を事業用口座に入金したり、事業用の資金から支払うべきものを個人のお金で立て替え払いをした場合に使用する勘定科目です。

 

事業主貸の仕訳例

 

●自宅兼事務所の電気代5000円が、事業用口座から引き落とされた(事業割合は40% )

 

借方金額貸方金額摘要
水道光熱費 2,000普通預金5,000電気代(◯月分)
事業主貸  3,000

●事業主の所得税8万円を、現金で納付した。

 

借方金額貸方金額
事業主貸 80,000現金80,000

 

税金には、経費になるものとならないものがあります。所得税は経費にできません。

 

それで、租税公課ではなく事業主貸の勘定科目で処理します。

 

事業主借の仕訳例

 

●事務所用の複合機を2万円で購入し、プライベート用のクレジットカードで支払った。

 

借方金額貸方金額摘要
消耗品費 20,000事業主借20,000複合機

 

●事業用の口座に個人のお金10万円を預け入れた。

 

借方金額貸方金額
普通預金 100,000事業主借100,000

 

期末時の相殺処理

 

貸借対照表に表示されている「事業主貸」と「事業主借」の期末時の相殺処理についてです。

 

この数字については、「事業主貸」と「事業主借」の合計金額の逆仕訳を切って差額を元入金に振り替えます。

 

期末時点で「事業主貸」20万・「事業主借」30万だった場合

 

日付借方金額貸方金額
12月31日事業主借300,000事業主貸200,000
元入金100,000

 

期末時点で「事業主貸」50万・「事業主借」35万だった場合

 

日付借方金額貸方金額
12月31日事業主借350,000事業主貸500,000
元入金150,000

 

会計処理の手間を少なくする

 

「事業主貸」と「事業主借」の仕訳が多くなると、その分会計処理に余分な手間がかかることになります。

 

会計処理に余分な手間をかけない一つの方法は、銀行口座やクレジットカードなどを事業用と個人用に分けることです。

 

例えば、事業用のクレジットカードで個人の買い物をすると「事業主貸」で仕訳する必要がありますし、個人のクレジットカードで事業に関係するものを購入した場合は「事業主借」で仕訳する必要があります。

 

個人の買い物が多くなるとそれだけ会計処理の負担が増えますから、できればクレジットカードは事業用と個人用に分けて使用することをお勧めしたいと思います。

 

まとめ

 

この記事では、事業主借と事業主貸という個人事業主特有の勘定科目について解説しました。

 

事業主借は、事業用資金の不足を個人の資金で補うような場合に使用し、事業主貸はプライベートな支出が事業用口座から発生した場合に使います。

 

それぞれの仕訳方法も紹介し、さらに期末での相殺処理についても触れました。

 

正確な会計処理を行うためには、事業用と個人用の支出を明確に分け、仕訳を適切に行うことが重要です。

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