簿記上の現金の種類や現金過不足の仕訳例について

 

この記事では、簿記上の現金の種類や現金過不足の仕訳例についてご説明したいと思います。

 

※2017年5月8日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2018年12月24日に再度公開しました。

 

現金に含まれるもの

 

現金と言うと、まず紙幣や硬貨のことが思い浮かぶのではないでしょうか?

 

当然ですが、紙幣や硬貨は現金として処理します。

 

ただし、簿記では現金として扱うものが紙幣や硬貨以外にも多くあります。

 

代表的なものをいくつかご紹介します。

 

簿記上の現金 
他人振出小切手小切手は現金に変わる支払い方法の1つで他人振出小切手とは他の人が振り出した小切手のことです。
送金小切手送金小切手は銀行が振り出す小切手のことです。尚、振り出すとは小切手に金額等を記入して相手に渡すことです。
郵便為替証書郵便為替証書とは、取引先にお金を送る際に郵便局から発行される証書です。
配当金領収証配当金領収証は株式の配当金引換証です。
期限到来後の公社債利札期限到来後の公社債利札とは、資金調達のために発行される債権の利札で支払期限が到来したものです。

 

このように、紙幣や硬貨以外でもすぐに換金することができるようなものを通貨代用証券といい、簿記上の取引では現金として扱われることになります。

 

仕訳例

 

●A商店はB商店に商品2500円を売り上げ、代金はB商店振出の小切手を受け取った。

 

借方金額貸方金額
現金2,500 売上2,500

 

A商店は商品を売り上げた際、B商店振り出しの小切手(他人振出小切手)を受け取りました。

 

小切手(他人振出小切手)は簿記上、現金で処理する必要がありますので、借方に現金の勘定科目で資産の増加として処理します。

 

小口現金について

 

通常、お金の管理は経理部で行われ必要に応じて現金を受け取りに行きます。

 

しかし、日々生じる交通費や消耗品費などの細かい支払いに毎回対応するのは効率がよくありません。

 

そこで、日々の少額の支払いに備えて最初から少額の現金を渡しておいて、業務の簡素化や効率化を図ることがあります。

 

このような少額の現金のことを小口現金と言います。

 

この小口現金を管理する人は小口現金係といい、経理部の会計担当者は一定期間が過ぎてから小口現金係からお金の使用状況の報告を受け、使用状況に応じて現金を補充します。

 

これは定額資金前渡法(インプレスト・システム)といって決められた金額を予め渡しておいて後から使用状況を確認する方法です。

 

仕訳例

 

●A商店は定額資金前渡法を採用しており、当座預金から引き出した3万円を小口現金係に手渡した。

 

借方金額貸方金額
小口現金30,000当座預金30,000

 

小口現金は、現金ですから資産の勘定科目です。

 

小口現金という資産が増加したので借方に、当座預金という資産が減少したので貸方に同じ金額を記入します。

 

ちなみに、小口現金係が消耗品費などを小口現金で支払っても仕訳は行いません。

 

メモ等で支払内容を残しておいて後日、経理部の会計担当者に報告します。

 

帳簿への仕訳は、経理部の会計担当者が行います。

 

仕訳例

 

●経理部の会計担当者は小口現金係から、消耗品費2500円、交通費4000円、雑費1000円を小口現金から支払った旨の報告を受けた。

 

借方金額貸方金額
消耗品費2,500小口現金7,500
旅費交通費4,000
雑費1,000

 

経理部の会計担当者は、報告を受けてから借方に費用の増加分、貸方に小口現金(資産)の減少分を記入します。

 

●小口現金係からの報告に基づいて、小口現金の減少分7500円を当座預金から引き出して小口現金係に手渡した。

 

借方金額貸方金額
小口現金7,500当座預金7,500

 

ここまでの一連の流れが定額資金前渡法の特長です。

 

現金過不足について

 

帳簿と現金残高が違う場合

 

家計簿をつけていて、帳簿の数字と財布の中の残高が合わないといった経験はありませんか?

 

事業を営んでいる場合にも同様のことが起きることがあり、その原因が分からない場合は一旦、現金過不足という勘定科目を使って仕訳を行います。

 

大切な点ですが、帳簿の数字と現金の残高が一致しない場合は、帳簿の数字(帳簿残高)が現金の残高(実際有高)に一致するように現金過不足を使って仕訳をして修正することになります。

 

仕訳例

 

●月末に帳簿の記録と現金の残高を確認したところ、帳簿残高は10,000円だったが実際有高は6,500円だった。

 

借方 金額貸方金額
現金過不足3,500現金3,500

 

実際有高が帳簿残高よりも少ないので、差額の3,500円分を実際有高に合わせる仕訳を行います。

 

よって、貸方に現金の勘定科目と差額分の金額を記入して資産の減少として処理します。

 

原因が判明した場合

 

現金過不足で処理した後に、現金の使いみちが明らかになったなら正しい処理をする必要があります。

 

例えば、消耗品費3,000円分の計上漏れが見つかった場合、当初行っていた現金過不足の仕訳を次のように修正します。

 

仕訳例

 

借方金額貸方金額
消耗品費 3,000現金過不足3,000

 

このように消耗品費(費用)が増加したので借方に消耗品費を記入して、原因不明分を現金過不足で処理していたので消耗品費の金額分、現金過不足を減らします。

 

これで、原因不明の現金過不足は500円となりました。

 

原因が判明しなかった場合

 

決算日までに、原因が判明しないこともあります。

 

現金過不足は、帳簿残高と実際有高の金額の違いの原因が明らかになるまで、一時的に使用する勘定科目です。

 

決算日までにその原因がわからない場合は、雑損失(雑損)もしくは雑収入(雑益)として処理する必要があります。

 

先ほどの例の続きで考えますと、現金過不足3500円のうち、3,000円については消耗品費の計上漏れであることが判明しましたが、現金過不足500円分は結局原因が分かりませんでした。

 

それで、このような時は最終的に下記のように仕訳をして現金過不足を処理します。

 

仕訳例

 

借方 金額貸方金額
雑損失500現金過不足500

 

逆に決算日までに帳簿残高よりも、実際有高の方が500円多かった場合は下記のように仕訳を切ります。

 

借方 金額貸方金額
現金過不足500雑収入500

 

まとめ

 

●簿記では紙幣や硬貨以外にも、すぐに換金できる通貨代用証券は現金として扱います。

●少額の支払いに備えて、経理部から渡される現金を小口現金と言います。

●帳簿の数字と現金の残高が合わない場合は、現金過不足で処理をして決算時に雑損失か雑収入で仕訳します。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

個人事業主のアラフォー男(ささぶね)です。 これまで、借金生活で苦労したりお金の知識がなかったばかりに余分な税金を払い続けてきた経験から、お金の知識の大切さを痛感。 その後、お金に関する勉強を始め日商簿記2級やFP2級・AFPを取得。 個人事業主のお金管理に役立つ内容を中心に情報発信しています。