白色申告は「青色より簡単」と言われますが、だからといって何も書かなくていいわけではありません。
平成26年(2014年)以降、白色申告でも記帳と帳簿書類の保存が義務になっています。
ただ、ポイントさえ押さえれば難しくありません。
白色申告の帳簿で大事なのは、突き詰めると次の3つです。
- どの欄に何を書くか(列の意味)
- どこまでまとめて記帳していいか(簡易な方法)
- 帳簿→収支内訳書→申告書につながる流れ
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白色申告で最低限やることはこれだけ
白色申告の帳簿づけは、次の順に進めれば基本的にOKです。
- 日々の取引を帳簿に記録する(法定帳簿)
- 年末に合計して、収支内訳書を作る
- 収支内訳書の数字をもとに、確定申告書を作って提出する
- 帳簿と書類を、決められた年数保存する
申告書から書くのではなく、帳簿→収支内訳書→申告書の順に進めると一気にラクになります。
白色申告の帳簿は2種類:法定帳簿と任意帳簿
白色申告で使う帳簿は、大きく2つに分かれます。
法定帳簿(必須)
売上・仕入・必要経費など、日々の取引を記録する帳簿です。
白色申告でも、この法定帳簿はつける必要があります。
任意帳簿(必要に応じて)
法定帳簿だけでは管理がしにくいときに使う帳簿です。
たとえば、以下のような帳簿などが代表的です。
- 売掛帳(ツケで売った代金の管理)
- 買掛帳(ツケで買った支払いの管理)
- 固定資産台帳(パソコンや機材などの管理)
迷ったら、まずは法定帳簿だけでOKです。
取引が増えて困ってきたら任意帳簿を足す、くらいで十分です。
【ここが大事】法定帳簿の“列”を一枚で理解しよう
帳簿づけで迷う原因の多くは、「どこに書けばいいかわからない」です。
ここを最初に確認しましょう。

スライドを見たうえで、最低限覚えるのは次の5つです。
- 年月日:取引があった日
- 摘要:取引の内容(あとで見返して分かるように)
- 売上/雑収入等:本業の対価は売上、それ以外は雑収入等
- 仕入:物販などで「売るための商品」を買った支出
- 経費(各科目):仕事のために使った支出を科目別に
そして大事なのが、「その他の経費」欄などの空きは、自分用の科目にしてOKという点です。
自分がよく使う支出(広告費、サブスク、書籍代など)があるなら、最初から欄を作ると年末の集計が楽になります。
摘要の書き方:迷ったら「どこで+何に使ったか」
摘要は、あとで見返す自分のためのメモでもあり、説明が必要になったときの“手がかり”でもあります。
- NG例:摘要「消耗品」
- OK例:摘要「〇〇文具店 事務用ファイル代」
- OK例:摘要「〇〇社 サーバー代(◯月分)」
「店名(相手先)+用途」まで書いておけば、たいていは困りません。
売上・雑収入・仕入の書き分け
帳簿の収入欄は「売上」と「雑収入等」に分かれています。
ここは最初にルールを決めておくと迷いません。
売上(本業の対価)
- ライティング報酬
- デザイン報酬
- 動画編集の報酬
- 物販の販売代金など
雑収入等(本業以外の収入)
- 事業に関係する還付金
- 助成金(事業に関連するもの)
- 事業に関連するポイント還元など
仕入
物販のように在庫を扱う場合は「仕入」が出てきます。
一方、ライターやデザイナーなど在庫を持たない仕事なら、仕入欄はほぼ使いません。(※必要な支出は経費側で扱うのが一般的です)
経費の付け方:収支内訳書に合わせると“転記”が速い
白色申告は最終的に収支内訳書を作ります。
だから、帳簿の経費も最初から収支内訳書の並びに寄せておくと、申告準備がかなり楽になります。
まずは「よく使う科目」だけでOK
最初から全部覚える必要はありません。
白色申告でよく使う経費科目としては、だいたい以下のような科目が多いです。
主な経費科目
- 通信費(スマホ・ネット・サブスクの事業分など)
- 消耗品費(文房具、インク、ケーブル、1点が少額の備品)
- 旅費交通費(電車・バス・打合せの移動)
- 水道光熱費(自宅兼事務所なら按分)
- 地代家賃(自宅兼事務所なら按分)
- 広告宣伝費(広告、チラシ、Web広告など)
- 外注工賃(外注ライター・デザイナー等への支払い)
- 修繕費(事業用設備の修理)
- 損害保険料(事業に関係する保険)
- 荷造運賃(物販の発送費など)
- 接待交際費(事業上の打合せ等 ※線引き注意)
- 福利厚生費(雇用がある場合など)
- 給料賃金(従業員がいる場合)
- 減価償却費(高額な備品・機材等を資産計上する場合)
- 租税公課(事業に関係する税金・手数料等)
- 利子割引料(借入金利息など)
- 貸倒金(売掛金等が回収不能になった場合など)
- 雑費(他の科目に当てはまりにくいもの)
科目は自由と言われますが、基本的には一度決めた勘定科目は継続して使うようにしてください。
迷ったら「去年と同じ」「同じ種類は同じ科目」で統一するのが一番ラクです。
経費の具体例で迷う場合は、こちらを先に見ておくと早いです。
関連記事:経費で落ちるもの一覧(まとめ)
1週間の記帳例

白色申告の記帳は、基本的に“1行=1取引”でOKです。
- 売上が入ったら「売上」欄へ
- 本業以外の入金なら「雑収入等」へ
- 仕事の支出は「該当する経費科目」へ
- 摘要は「相手先+用途」
この4点だけ守れば、白色申告の帳簿は形になります。
まとめ記帳(簡易な方法):できるケースと避けたいケース
まとめ記帳は、レシートが多い人ほど助かります。
ただし、やり方を間違えると後から自分が困るので、次の線引きだけ意識してください。
- 少額で頻繁に発生する支出は、日々の合計でまとめても運用しやすい
- 高額・イレギュラー・説明が必要になりそうな支出は、1件ずつ記帳したほうが安全
- 領収書や請求書などの証憑は必ず残す(※これがないと説明できません)
インボイス・軽減税率:関係ある人だけ“摘要に一言”
消費税の課税事業者など条件によっては、帳簿に注記が必要になるケースがあります。(※軽減税率対象の識別など)
ただ、この話をここで深掘りすると、白色申告の初心者の方は混乱しやすいと思いますので、ここは該当する人だけ確認してください。
該当する場合は、摘要に「軽減税率対象」など、必要な区別ができる書き方を意識してください。
帳簿→収支内訳書→確定申告書:つながりを理解すると速いです

帳簿をつけたら、次は「年末の合計」です。
- 帳簿の各科目を年間合計する
- その合計を、収支内訳書に転記する
- 収支内訳書の「所得金額」を、確定申告書に反映する
申告書を先に書こうとすると途中で止まります。
帳簿→収支内訳書→申告書の順が、いちばん手戻りが少ないです。
保存期間:白色申告も“保存”が重要
白色申告でも帳簿保存は義務です。
保存期間は、ざっくり次の考え方を押さえておくと迷いません。
- 法定帳簿:7年
- 領収書・請求書などの書類:5年
細かな例外や個別事情はあり得るため、確認したい場合は国税庁のサイトなどをご覧ください。
よくあるミスについて確認
- 摘要が弱い:あとで見ても何の支出かわからない
- 私用が混ざる:家の支出が経費に入る
- 科目がブレる:消耗品→雑費→通信費…と変えてしまう
- 日付がズレる:カード決済日と引落日を混同する
- 証憑が足りない:帳簿はあるのに領収書がない
特に多いのは①と②です。
摘要を丁寧にし、私用と分けるだけでも、後悔が減ります。
今日からやることチェックリスト
帳簿を何でつけるか決める(ノート/Excel/会計ソフト)
よく使う経費科目を決める(通信費・消耗品費など)
領収書を日付順に並べる
まずは1ヶ月分だけ記帳してみる
書き方で苦労したくない人へ:会計ソフトや会計アプリの活用
帳簿づけが苦手な人ほど、ツールを使うと一気にラクになります。
白色申告なら「毎日の記帳→年末集計→収支内訳書」までを自動化でき、ツールによっては確定申告書の提出まで完結することも可能です。
おすすめのツールや会計ソフトの比較記事などを参考に、自分にあうツールを試してみるのもおすすめです。
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関連記事:【完全無料】白色申告にお勧めのクラウド確定申告ソフトは「やよいの白色申告オンライン」 - スマホ完結型のアプリ:タックスナップ(スワイプ仕分けや丸投げ仕分けで簡単に記帳ができる)
関連記事:タックスナップは結局どう?実体験ベースで総まとめ【2026年版】
会計ソフト全体で比較したい場合は、こちらも参考になります。
関連記事:個人事業主向けおすすめ会計ソフト11選
まとめ
白色申告の帳簿づけは、青色ほど難しくありません。
定期的に記帳を行っていれば、年末の作業はかなり軽くなります。
最後にもう一度、白色申告の帳簿のつけ方を整理します。
- 売上・雑収入・経費を分けて積み上げる
- 摘要は「どこで+何に」を意識する
- 年末に合計して収支内訳書→申告書へ
確定申告時期に「まだ帳簿をつけていない…」と焦っている方は、こちらの記事も合わせて確認してください。
関連記事:帳簿をつけてない…でも確定申告を間に合わせるためのおすすめ手順(白色/青色別)
※本記事は一般的な制度の概要です。制度は改正される可能性があります。最新情報は国税庁等の公的情報でご確認ください。
不安がある場合は税務署・税理士など専門家への相談をおすすめします。