約束手形の勘定科目と仕訳例

この記事では、約束手形の勘定科目と仕訳例についてご説明しています。

約束手形とは

約束手形とは、いつまでに幾ら支払うといったお金の受け取りや支払いに関する約束を記載した証券のことです。

約束手形を振り出す側は、後日手形に記載された金額を支払う必要があります。

このように代金の支払い義務が生じる約束手形のことを支払手形といい負債の勘定科目となります。また、約束手形を振り出した人のことを振出人と言います。

支払手形は支払期日を2～3ヶ月後に設定することができ、支払いを先に伸ばすことができるメリットがあります。

一方で、約束手形を受け取る側は、後に代金を受け取ることが出来る権利を得ることになります。

このような約束手形は受取手形といって資産の勘定科目となります。約束手形を受け取った人のことを受取人もしくは名宛人と言います。

受取手形は、支払期日が到来する前に裏書譲渡が可能です。

裏書譲渡とは、受取手形の裏側に名前や日付を記入した上で取引先に渡すことで、仕入れ代金や買掛金などの支払いに当てることを言います。

支払期日を待たずに、銀行で受取手形を買い取ってもらうことも可能です。

このことを手形の割引きと言います。

これにより決済日をまたずに受取手形を現金化できるため、資金が必要なときには便利な反面、手形の割引きには一定の利息がかかることから受け取る金額は手形の額面金額よりも少なくなります。

約束手形の仕訳例

約束手形を振り出した場合

●A商店はB商店から商品3000円分を仕入れた際、代金については支払手形を振り出した。

支払手形は、後からお金を払う約束をすることですから負債の増加となり貸方に記入します。

●B商店に振り出した手形が満期を迎え、当座預金から3000円が引き落とされた。

決済されることで支払い義務がなくなるので、負債の減少となり借方に支払手形と金額を記入します。

約束手形を受け取った場合

先ほどの仕訳ではA商店の立場で考えましたが、次は先ほどの取引をB商店の立場から考えて仕訳してみたいと思います。

B商店からすればA商店に商品を売り上げて、代金を約束手形で受け取った事になりますので、資産の増加となり借方に受取手形と金額を記入します。

後日、受取手形が決済された際の仕訳は次の通りです。

受取手形が決済されて当座預金の金額が増加するので資産の増加として借方に記載し、その分資産の受取手形が減少するので貸方にその金額と共に記載します。