パソコンを購入した時の勘定科目と仕訳例【ポイントは10万円】

  • 2018年9月8日
  • 2025年1月19日
  • 経費

 

個人事業主やフリーランスの方が、仕事で使うためにパソコンを購入した場合、経費計上することができます。

 

ただし、パソコンは購入した年に、全額を経費にできる場合とできない場合とがあります。

 

また、パソコンを購入して経費計上する際は、購入した金額や処理の仕方によって、使用する勘定科目は異なります。

 

個人事業主やフリーランスの方が、パソコンを購入する際に参考になればと思い、パソコンを経費計上する際のポイントや勘定科目についてまとめています。

 

【PR】おすすめの会計ソフト 詳細
やよいの白色申告オンライン 個人事業主向けクラウド白色申告ソフト。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応。全ての機能がずっと無料で使えます。
やよいの青色申告オンライン 個人事業主向けクラウド青色申告ソフト。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応。全ての機能が1年間無料で使えます。
弥生会計オンライン 法人向けクラウド会計ソフト。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応。全ての機能が1年間無料で使えます。
タックスナップ 記帳作業がスワイプで簡単、確定申告もスマホで完結、アプリストア4.6高評価の会計アプリ。2025年3月17日まで、「安心プラン」が1万円割引キャンペーン中です。2週間無料お試しができます。

 

パソコンの経費計上の基本

 

最初に、基本的な処理についてご説明したいと思います。

 

パソコンは固定資産というイメージがありますが、購入金額が10万円未満の場合は消耗品として処理することになります。

 

消耗品については、次の条件に該当するかどうかで判断します。

 

  • 10万円未満のもの
  • 使用可能な期間が1年未満のもの

 

パソコンは、一度購入したら数年間は使用するケースが大半だと思いますが、10万円未満のパソコンについては、消耗品の条件に該当することになります。

 

パソコンの金額が、10万円以上になると、固定資産として登録して減価償却を行う必要があります。

 

これが、基本的な会計処理の流れです。

 

ただし、購入する金額によっては、幾つかの処理の仕方を選択することが可能で、その点を理解しておくと節税する上でも役立ちます。

 

パソコンの購入金額が10万円未満

 

パソコンの金額が、10万円未満の場合は、先程ご説明したとおり消耗品として処理します。

 

使用する勘定科目は消耗品費です。

 

例えば、8万円のパソコンを現金で購入した場合の仕訳は下記のようになります。

 

日付借方金額貸方金額
購入日消耗品費80,000現金80,000

 

パソコンの購入金額が10万円以上~20万円未満

 

パソコンが10万円以上になると、通常は減価償却を行う必要があります。

 

資産計上する際に、使用する勘定科目は工具器具備品です。

 

パソコンの法定耐用年数は4年間です。

 

ただし、購入金額が10万円以上~20万円未満の場合は、一括償却資産として処理することが可能です。

 

もしくは、少額減価償却資産の特例を利用することもできます。

 

少額減価償却資産の特例については、後ほど取り上げたいと思いますので、この中では、通常の減価償却と一括償却資産の違いについて見ていきます。

 

パソコンの場合、通常の減価償却であれば4年間で費用計上していきます。

 

一方で、一括償却資産の場合は、3年で均等に償却することになります。

 

使用する勘定科目は、一括償却資産です。

 

一括償却資産として処理すると、通常の償却方法と比べ費用計上できる金額が多くなります。

 

一例として、18万円のパソコンを現金で購入したケースを考えてみます。

 

通常の減価償却であれば、4年間で償却しますので1年に45,000円を費用とすることができます。

 

仕訳は下記のようになります。

 

日付借方金額貸方金額
購入日工具器具備品180,000現金180,000
決算日減価償却費45,000減価償却累計額45,000

 

一括償却資産の場合は、3年間で償却しますので1年に60,000円を費用にできます。

 

仕訳の際は、一括償却資産の科目を使います。

 

日付借方金額貸方金額
購入日一括償却資産180,000現金180,000
決算日減価償却費60,000一括償却資産60,000

 

10万円以上~20万円未満であった場合、一括償却資産として処理することで、その年の経費を増やすことができ、その分通常の減価償却よりも節税効果が大きくなります。

 

さらに、一括償却資産として処理するなら、固定資産税がかからなかったり、途中でパソコンを売却しても経理処理が不要となるので手間が省けるというようなメリットもあります。

 

また、年の途中で購入した場合でも、通常の減価償却であれば月割計算が必要ですが、一括償却資産については月割計算は不要で、購入した年から3年間で均等処理ができるので計算が楽なのもメリットです。

 

一括償却資産は、青色申告でも白色申告でも利用することができますが、特に適しているのは白色申告を行っている方でしょう。

 

青色申告をしている場合は、一定の要件を満たすことにより少額減価償却資産の特例を利用することができるので、その方がメリットが大きいからです。

 

パソコンの購入金額が10万円以上~30万円未満

 

パソコンの購入金額が10万円以上~30万円未満の場合は、少額減価償却資産の特例を利用することで、全額をその年度の経費とすることができます。

 

少額減価償却資産の特例は、青色申告をしている個人事業主やフリーランスであれば利用することができます。

 

ただし、無制限に利用できるわけではなく、上限が300万円までとなっています。

 

勿論、通常の減価償却を選択することも可能ですが、少額減価償却資産の特例を摘要すれば節税効果が大きくなりますので、条件を満たす場合は検討していただきたいと思います。

 

ちなみに、25万円のパソコンを現金で購入した際に、少額減価償却資産の特例を利用した場合の一連の処理については次の通りです。

 

日付借方金額貸方金額
購入日工具器具備品250,000現金250,000
決算日減価償却費250,000工具器具備品250,000

 

パソコンの購入金額が30万円以上

 

パソコンの購入金額が、30万円以上となる場合は、固定資産として登録して通常の減価償却で処理することになります。

 

40万円のパソコンを現金で購入した場合の処理は次の通りです。

 

日付借方金額貸方金額
購入日工具器具備品400,000現金400,000
決算日減価償却費100,000減価償却累計額100,000

 

パソコン購入時の注意点

 

消費税

 

パソコンを購入した場合、消費税がかかりますが、消費税の会計処理を税込み価格で処理するか、税抜き価格で処理するかで、会計処理が異なってきますので注意が必要です。

 

例えば、本体価格が93,000円(消費税8%)のノートパソコンを現金で購入したケースを考えてみます。

 

税抜き価格の仕訳

 

日付借方金額貸方金額
購入日消耗品費93,000現金100,440
仮払消費税7,440

 

税抜き価格で会計処理した場合は、上記のように消耗品として、その年に全額を経費とすることが出来ます。

 

税込み価格の仕訳

 

日付借方金額貸方金額
購入日工具器具備品100,440現金100,440

 

上記の仕訳は、税込み価格の場合です。

 

ご覧の通り、税込み価格になりますと、わずかですが10万円を超えてしまいます。

 

このケースでは、消耗品として処理することはできませんので、固定資産として計上し減価償却をする必要があります。

 

このように、消費税の会計処理が税抜き価格か税込み価格かの違いによって、使用する勘定科目や会計処理が変わることになりますので注意が必要です。

 

セットで購入した場合

 

パソコンを購入した際に、パソコンと一緒に使用するものを同時に購入する事があります。

 

例えば、パソコン本体とモニター、ノートパソコンとofficeなどのソフトを同時に購入するようなケースです。

 

このように、単体で使用する物ではなく、パソコンと一体で使用するものを同時に購入する場合は、その合計金額をパソコンの購入金額として計算します。

 

仮に8万円のノートパソコンと、3万円のofficeソフトを一緒に購入した場合は、合計金額が11万円となり固定資産として処理することになります。

 

日付借方金額貸方金額
購入日工具器具備品110,000現金110,000

 

ただし、購入した日が異なっている場合、合計する必要はありません。

 

8万円のノートパソコンと3万円のofficeソフトは、それぞれ消耗品として処理することが出来ます。

 

記事のまとめ

 

この記事では、パソコンや付属品を購入した場合に使用する勘定科目や仕訳例について取り上げました。

 

パソコンについては10万円未満かどうかで処理が大きく変わりますのでご注意下さい。

 

10万円未満であれば、消耗品費として全額を経費とすることができます。

 

一方で、10万円を超える場合は、資産計上するのが原則です。

 

ただし、青色申告をしている方であれば特例を利用することができるので、30万円未満であれば全額経費とすることができます。

 

状況に応じて、正しく経費計上する上で、記事の内容が参考になれば幸いです。

>個人事業主のお金に関する情報メディア「個人事業主プラス」

個人事業主のお金に関する情報メディア「個人事業主プラス」


主に個人事業主のお金に関する情報発信を通じて、ご覧頂く方のお役に立つメディアを目指しています。