災害や盗難の被害を受けた場合の雑損控除について

 

 

日本は災害の多い国として知られています。2016年の出来事を少し振り返ってみてもそのことを実感できると思います。
 
 
4月14日と4月16日、熊本地方を震源とする大地震が連続して起きました。マグニチュード6.5と7.3の大きな地震があり大変な被害が生じました。
 
 
台風10号が東北の太平洋側に上陸して大きな被害が生じました。北海道も観測史上初めて年間に3つの台風が上陸して農業やインフラ設備などが大きな被害を受けました。
 
 
こうした災害に加えて火災とか盗難などの経済的な損害を経験してしまうこともありえます。
 
 
こうした被害を経験してしまった場合、経済的なダメージを軽減するための措置として雑損控除という取り決めが設けられており、確定申告の手続きをすることによって税金の額を抑えることができます。
 
 
 

雑損控除の対象となる資産とは

 
 
 
 
 
 
雑損控除の対象として確定申告できるものの対象は日常生活で使用する資産です。
 
 
例えば家財道具や衣服などの生活する上で必要なものが災害によって損害をうけたなら災害時の時の時価で被害額を計算することになります。加えて住宅が災害で被害をうけた場合も取り壊し費用や修繕費用などの住宅関連の支出も雑損控除の対象となります。
 
 
一方で事業用の資産や贅沢品などに関しては雑損控除を利用することはできません。棚卸資産や事業用固定資産などは、事業用の資産となり雑損控除の対象外となっています。
 
 
また贅沢品に関しては30万円を超える貴金属、書画、骨董など日常生活で必要がないと考えられるいわゆる贅沢品については対象外となっています。また間違いやすい点として注意しなければいけませんが盗難などによる被害は雑損控除の対象となります詐欺や恐喝などによる損害は対象とはなりませんのでご注意下さい。
 
 
 

雑損控除額の計算方法

 
 
 
 
 
 
 
雑損控除額の計算方法についてですが2つの計算を行いどちらか多い方の金額を雑損控除額として申請します。雑損控除額は災害時などの損失額ではありません。
 
 
まず、損害金額+災害関連支出を合わせた額が損失額となりますがそこから保険金などによる補てん金額を差し引く必要があります。さらに、そこからその年の所得の10%を差し引くことになります。
 
 
 
損失額(損害金額+災害関連支出)―保険金等の補てん金額―(総所得金額×10%)=雑損控除額
 
 
 
そしてもう一つの計算は災害関連支出から5万円を差し引くというものです。
 
 
 
災害関連支出―5万円=雑損控除額
 
 
 
この2つの計算結果のいずれか多い方の金額が雑損控除額となりますので覚えておきましょう。
 
 
 

その他の注意点

 
 
 
 
 
雑損控除は年末調整の対象ではありませんから、サラリーマンも確定申告の手続きを行う必要があります。
 
 
またもしも災害などで経済的な被害を受けたなら、損害金額や災害関連支出を証明できるように領収書などはしっかりと保管しておくようになさってください。 
 
 
同一生計の配偶者や子供などで年間の所得が38万円以下の人が被害を受けた場合も雑損控除の対象となりますから忘れずに手続きをしていただきたいと思います。
 
 
損失の金額が大きくてその年だけでは控除がしきれないといった場合には3年に渡って控除を受けることもできます。
 
 
この点に関連して災害減免法という制度もありますが、これは所得が1000万円以下の人であれば活用することができます。
 
 
仮に災害で住宅や家財が1/2以上の損失を受けた場合に所得が500万円以下の方であれば所得税が全額免除されます。
 
 
また、500万円超~750万円以下の方であれば1/2が免除されることになり750万円超~1000万円以下の方であれば1/4が免除されることになります。
 
 
この災害減免法と3年間の繰越控除のどちらを活用することが合理的かどうかは、その年の所得額や翌年以降の所得の見込み額などそれぞれの経済事情によって選択が変わってくると思いますので比較検討して選択していただきたいと思います。
 
 
 

まとめ

 
 
 
雑損控除は災害や盗難などの経済的な損害が生じた時に確定申告を通じて税金を安くする制度です。
 
 
雑損控除の対象は日常生活で使用する資産であり30万円を超える贅沢品は対象外です。
 
 
2つの計算結果のいずれか多い方の金額が雑損控除額となります。
 
 
サラリーマンも確定申告が必要です。対象となる家族の被害額も忘れずに申告して下さい。 
 
 

確定申告の準備の際に役立つように、所得控除をお得に活用する方法や注意点について、一覧表でまとめた記事もありますので、よければそちらもご覧ください。

一覧表で所得控除の種類を確認して確定申告に備えよう

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ABOUTこの記事をかいた人

個人事業主のアラフォー男(ささぶね)です。 これまで、借金生活で苦労したりお金の知識がなかったばかりに余分な税金を払い続けてきた経験から、お金の知識の大切さを痛感。 その後、お金に関する勉強を始め日商簿記2級やFP2級・AFPを取得。 個人事業主のお金管理に役立つ内容を中心に情報発信しています。