この記事では、個人事業主向けに簿記の基本的なルールや仕訳例について取り上げています。
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売上を計上するタイミング
原則は、法人や個人事業主を問わず発生主義に基づいて売上を計上します。
発生主義として処理する場合は、取引が発生したタイミングで認識することになります。
売上を計上するタイミングとして、現金を受け取ったり口座に入金されたときに計上する場合は現金主義となります。
原則は発生主義による処理が必要で、現金主義は例外です。
個人事業主には現金主義も認められていますが、現金主義を適用したい場合は税務署に「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を提出する必要があります。
参考:国税庁:[手続名]現金主義による所得計算の特例を受けるための手続
個人事業主の方で注意が必要なのは、12月に生じた売上取引についてです。
売上代金が翌年1月以降に口座に入金される、もしくは現金を受け取るような場合は、発生主義によれば当期の12月に売上を計上することになりますのでご注意下さい。
売上にかかる消費税の処理
商品を売り上げた際の消費税については、販売する商品に応じて標準税率の10%か軽減税率の8%を適用する必要があります。
また、会計処理の際には、消費税を含めた金額で仕訳する税込方式と、消費税を含めずに仕訳する税抜方式とがあります。
免税事業者の個人事業主であれば、消費税を計算する必要はなく税込方式で仕訳をします。
税込方式・税抜方式の仕訳の具体例や注意点については、下記の記事で詳しく取り上げていますので参考にしていただければと思います。
関連記事:消費税の勘定科目と仕訳例
売上の仕訳例
商品を55,000円(税込)で販売した場合の仕訳例を取引内容に応じてご紹介します。
現金取引
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 55,000 | 売上 | 55,000 |
掛取引
日時 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
販売時 | 売掛金 | 55,000 | 売上 | 55,000 |
入金時 | 普通預金 | 55,000 | 売掛金 | 55,000 |
クレジット決済(手数料2%)・販売時計上
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
クレジット売掛金 | 53,900 | 売上 | 55,000 |
支払手数料 | 1,100 |
クレジット決済(手数料2%)・回収時計上
日時 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
販売時 | クレジット売掛金 | 55,000 | 売上 | 55,000 |
回収時 | 普通預金 | 53,900 | クレジット売掛金 | 55,000 |
支払手数料 | 1,100 |
消費税(10%)・税込方式
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 55,000 | 売上 | 55,000 |
消費税(10%)・税抜方式
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 55,000 | 売上 | 50,000 |
仮受消費税 | 5,000 |
売上に付随する費用
売上に付随する費用のことを売上諸掛(うりあげしょがかり)と言います。
具体的には、発送や梱包にかかる費用などです。
こうした費用を処理する際は、発送費の勘定科目を使います。
例えば、5,000円の商品を売り上げた際、発送にかかる300円の費用を当方が現金で負担した場合、次のような仕訳を切ります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 5,000 | 売上 | 5,000 |
発送費 | 300 | 現金 | 300 |
売上の減額処理
入金額が実際の売上額から減額されていた場合、その理由によって処理の方法や勘定科目が異なります。
例えば、売上代金が減額されて入金される一例として、下記のようなケースがあります。
- 返品
- 値引き
- 割戻し(リベート)
- 割引
- 当社負担の手数料
①~③の会計処理は同じです。
例えば、10,000円の商品を掛取引で売り上げていて、実際に入金された金額が9,500円だった場合は次のように売上を減額する処理をします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 9,500 | 売掛金 | 10,000 |
売上 | 500 |
これが④番の割引については、売上割引という勘定科目を使って仕訳を切ります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 9,500 | 売掛金 | 10,000 |
売上割引 | 500 |
どうして①~③の会計処理と異なるかと言いますと、①~③については営業取引に区分されるのに対し、④の割引については営業外取引に区分されるからです。
取引の性質が異なるので、こうした違いが生じるということを抑えておきましょう。
⑤については、当社負担の手数料分が差し引かれて入金されることになりますので、下記のように支払手数料の勘定科目で処理をします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 9,500 | 売掛金 | 10,000 |
支払手数料 | 500 |
まとめ
この記事では、個人事業主向けに売上の仕訳例や、売上に関する簿記の基本的なルールについて下記の内容を取り上げました。
- 売上計上のタイミング
- 消費税の処理
- 付随費用の処理
- 売上の減額処理
会計処理をする際の参考になれば幸いです。