【簿記】三分法とは?|勘定科目・仕訳例・決算整理・分記法との違い

  • 2017年5月7日
  • 2021年2月11日
  • 簿記

 

この記事では、簿記の会計処理の1つである三分法についてご説明しています。

 

三分法で使用する勘定科目や仕訳例、分記法との違いなどを確認できます。

 

三分法とは?

 

三分法とは、仕訳を行なう際に仕入、売上、繰越商品の3つの勘定科目で処理する方法です。

 

三分法の勘定科目
仕入(費用)・売上(収益)・繰越商品(資産)

 

仕入は、商品を購入した際に使用する費用の勘定科目です。

 

売上は、商品を売り上げた際に使用する収益の勘定科目です。

 

繰越商品は、決算整理の手続きの際に必要となる資産の勘定科目です。

 

決算整理とは、当期の利益や資産の状態を正確に表すために必要な処理のことです。

 

1つの取引例から商品を仕入れた場合と、仕入れた商品を売り上げた場合の仕訳を考えてみたいと思います。

 

商品を仕入れた場合の仕訳例

 

A商店がB商店から5,000円の商品を仕入れ現金で支払った。

 

この取引についてA商店の仕訳は下記の通りです。

 

借方金額貸方金額
仕入5,000現金5,000

 

三分法の場合は、商品を仕入れた時に仕入の勘定科目で仕訳をします。

 

仕入は費用となりますので、借方に記入することになります。

 

商品を売り上げた場合の仕訳例

 

A商店がB商店から仕入れた商品をCさんに6000円で売って現金を受け取った。

 

借方金額貸方金額
現金6,000売上6,000

 

三分法では、商品を売り上げた時には売上で仕訳をします。

 

売上は収益の勘定科目で収益の増加となるので貸方に記入します。

 

A商店はB商店から仕入れた商品に、利益を加えて6,000円で販売しています。

 

仕入れたときは、仕入原価の5,000円で処理していますが、売り上げたときは利益分の1,000円が加えられた6,000円で処理します。

 

このように三分法では、仕入で処理する時には仕入原価の金額を記入しますが、売上の時には利益分を上乗せした金額を記入します。

 

決算整理仕訳

 

当期の正確な利益を計算する必要があり、そのために決算整理仕訳を切る必要があります。

 

三分法の場合、仕入と繰越商品という勘定科目を使って会計処理を行います。

 

この決算整理仕訳に関連した内容は、下記の記事でご説明していますのでご確認下さい。

 

関連記事:売上原価の計算方法と決算整理仕訳について

 

三分法と分記法との違い

 

簿記には、三分法以外にもいくつか会計処理の方法があり、そのうちの1つに分記法があります。

 

この記事では、分記法について詳しくは取り上げませんが、三分法との違いについて簡単にご説明します。

 

まず、使用する勘定科目が違います。三分法では、仕入と売上を使用しますが、分記法では仕入時も売上時も商品の勘定科目を使用します。

 

また、三分法では仕入原価に利益を加えた金額を売上として処理しましたが、分記法では売上と売上に伴う利益を区別して仕訳します。

 

先程の三分法の例では、仕入金額5000円で販売利益が1000円の、合計6000円を売上として処理しました。

 

分記法では、売上の際に下記のような仕訳を切ります。

 

借方金額貸方金額
現金6,000商品5,000
商品売買益1,000

 

このように、分記法では売上の際に商品売買益の勘定科目を使って、利益を分けて仕訳しますので三分法と違って決算整理仕訳は不要です。

 

分記法に関しては、下記の記事で取り上げていますので確認したい場合は参考にしてください。

 

関連記事:【簿記】分記法とは?|仕訳・決算整理・三分法との違い

 

まとめ

 

三分法では、仕入・売上・繰越商品の勘定科目を使って仕訳を切ります。

 

また、決算整理の際は、仕入や繰越商品の勘定科目を使って会計処理します。

 

分記法では、仕入や売上の際に商品の勘定科目を使います。

 

また、売上と利益を分けて仕訳することや決算整理仕訳が不要な点が、三分法とは異なります。

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