個人事業主は、会社員と比べると貰える年金額は少なくなります。
過去に、免除や猶予を受けている場合、追納制度を活用できるかも知れません。
追納制度とは
追納制度とは、過去に免除や猶予を受けている場合に、過去10年以内であれば保険料を支払うことのできる制度です。
以前に、免除や猶予を受けているのに追納する理由は、将来の年金額を増やすためです。
免除や猶予を受けていた当時は、経済的に厳しい状況だったかも知れません。
もし、現在状況が変わっていて支払いが可能であれば、将来の年金額を増やすために追納制度を検討してみましょう。
追納制度の注意点
加算額が上乗せされる
追納制度を利用する際、過去3年以内の保険料については、不足分を払うだけでOKです。
例えば、以前に申請免除を受けていた場合、所得に応じて下記のように保険料が免除されています。
- 全額免除
- 4分の3免除
- 半額免除
- 4分の1免除
仮に、過去3年以内に4分の1免除を受けていたとすれば、保険料の4分の3は支払っています。
ですから、追納の際は残りの4分の1に相当する保険料を支払うことになります。
ただし、4分の1免除を受けていた期間が3年以上前になる場合は、4分の1に相当する保険料に加えて、一定の加算額が上乗せされることになります。
ちなみに、令和元年に追納する場合は、下記の金額を収める必要があります。
4分の1免除の場合
- 平成30年度の保険料・・4,080円(追加加算額なし)
- 平成29年度の保険料・・4,120円(〃)
- 平成28年度の保険料・・4,060円(追加加算額あり)
- 平成27年度の保険料・・3,910円(〃)
- 平成26年度の保険料・・3,820円(〃)
- 平成25年度の保険料・・3,790円(〃)
- 平成24年度の保険料・・3,790円(〃)
- 平成23年度の保険料・・3,830円(〃)
- 平成22年度の保険料・・3,880円(〃)
- 平成21年度の保険料・・3,810円(〃)
なお、加算額は上記の金額に反映されています。
国民年金機構のサイトには、全額免除・4分の3免除・半額免除の追納金額も載せられていますのでご確認下さい。
追納の順番について
追納は、自分が納めたい年分を任意で選んで支払うわけではありません。
追納には、基本的に下記のような順番があります。
- 学生納付特例制度
- 法定免除・申請免除
学生納付特例と免除の両方の制度を利用している場合、最初に学生納付特例制度によって猶予されている部分を支払います。
次に、法定免除・申請免除の免除部分を支払うことになります。
この免除部分については、古い期間の保険料から納付することになります。
先程の4分の1免除の例で言いますと、平成21年度の保険料(3,810円)から支払うことになります。
追納の手続について
追納をするためには、下記の書類を年金事務所に提出する必要があります。
- 国民年金保険料追納申込書
- 年金手帳
その後、納付書が発行されますので、保険料を支払うことになります。
なお、追納については、口座振替やクレジットカードでの支払いは出来ませんのでご注意下さい。
国民年金保険料追納申込書については、下記のリンクからダウンロードすることが出来ます。
国民年金機構⇒ケース5:免除された国民年金保険料を追加で支払いたいとき
最後に
追納制度を利用すれば、過去10年以内の免除や猶予された保険料を支払うことができ、将来の年金額を増やすことができます。
さらに、追納した保険料はその年の社会保険料控除として、所得から控除することが可能です。
将来の年金額を増やせるだけでなく、その年の税金を安くすることもできます。
支払うことができる状況であれば、追納制度を活用するようお勧めしたいと思います。