個人事業主が、勉強代や資格取得のための費用を、必要経費として計上することができれば、節税になりますし事業を拡大していく上でも役立ちます。
今回の記事では、勉強代や資格取得の費用を必要経費とするための条件や具体例を考えてみたいと思います。
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経費計上のポイント
まず、所得税基本通達37-24の内容を押さえておきましょう。
業務を営む者又はその使用人(業務を営む者の親族でその業務に従事しているものを含む。)が当該業務の遂行に直接必要な技能又は知識の習得又は研修等を受けるために要する費用の額は、当該習得又は研修等のために通常必要とされるものに限り、必要経費に算入する。
国税庁より引用:その他の共通費用 技能の習得又は研修等のために支出した費用
この中で説明されている通り、業務上直接必要な技能や知識の習得や研修等の費用は必要経費として計上することが可能であることがわかります。
この条件に合えば、勉強代や資格取得に要した費用を必要経費として計上できることになります。
ただし、当然ながらそれぞれ行っている事業内容については異なっていますので、ご自身の事業に当てはまるかどうかを考慮しながら、この記事を読んでいただければと思います。
必要経費にできるケース
多くの個人事業主が、必要経費にできると思われる内容について、幾つかご紹介したいと思います。
パソコン講座を受講した
パソコンは、大半の事業にとって必要不可欠な道具です。
パソコンを使って、文章を作成したり、メールで業務上必要な情報のやり取りを行います。
ホームページを作成したり、経理処理などもパソコンを使って行います。
パソコンは、多くの個人事業主にとって欠かすことのできないものとなっています。
個人事業主の方であれば、上記のような使い方をしているのではないでしょうか?
そうであれば、パソコンを学ぶための講座の費用は、必要経費として計上することができます。
確定申告などのセミナーに出席した
確定申告は個人事業主にとって欠かすことのできない大切な手続きです。
セミナーに出席することで、帳簿の付け方や節税に関するアドバイスなど、事業を続けていくうえで大切な情報を教えてもらえます。
当然、事業に関連している内容ですから、必要経費にできます。
確定申告だけでなく、他にもあなたの事業に関連した内容のセミナーに出席すれば必要経費として計上できます。
セミナーによっては数万円~数十万円するものもありますので、有料セミナーに参加したなら忘れずに経費計上しましょう。
英会話教室に通った
英会話教室に通う費用についても、事業に必要であることをきちんと説明することができれば、経費計上することができます。
商品やサービスの提供の際に、外国人とのやり取りがすでに必要であるならば、問題なく必要経費とすることができます。
円滑なコミュニケーションは、顧客満足やリピーター獲得にも繋がり結果として売り上げにも大きく貢献することになるからです。
仮に、現時点では外国人とのやり取りがなくても、ホームページ等で、商品やサービスの情報発信をしていれば、事業拡大の下地はすでに整っています。
今後、事業を拡大する計画で英語が必要だという状況であれば、経費計上することができます。
勘定科目と仕訳例
上記のようなケースであれば、研修費などの勘定科目を使用して会計処理を行います。
例えば、英会話教室の年間費用12万円を現金で支払った場合、下記のような仕訳を切ります。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
9月1日 | 研修費 | 120,000 | 現金 | 120,000 |
仕訳の際の注意点としては、パソコン講座や英会話教室などの受講期間が、事業年度をまたぐような場合です。
原則は、当期の分だけを必要経費として計上することになります。
ですから最初に、全額を研修費として処理していた分から、決算整理仕訳で来期分については前払費用などで仕訳して、来期の期首に逆仕訳を切るという処理が必要となります。
先程の、英会話スクールの年間費用のうち、8万円が来期分だった場合は、下記のように仕訳します。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
12月31日 | 前払費用 | 80,000 | 研修費 | 80,000 |
1月1日 | 研修費 | 80,000 | 前払費用 | 80,000 |
資格取得のために特定の講座を受講する場合
個人事業主が、税金や節税の知識を増やしていけば、その分事業を続けていくうえで大きな助けとなります。
私は、以前フォーサイトのFP講座を受講してFP2級・AFPの資格を取得しました。
FPの資格取得のメリットや資格勉強の体験談も記事にしています。
関連記事:FP2級のメリットと資格取得の体験談
その際、かかった費用を必要経費にできれば、税金や節税の基本的な知識が増えて資格取得も狙えて一石二鳥だと思ったのですが、このようなケースでは受講料を必要経費とすることは難しいようです。
理由としては、このような講座はあくまでも資格を取得することが目的となっているからです。
学ぶ内容が、税金の基本的な知識や節税の点で多少なりとも役に立ちましたが、私の場合は業務上直接必要とまでは言えず経費にすることはできませんでした。
ただし、資格取得が事業に直接関係するようであれば必要経費にできる場合があります。
何かの資格取得のために勉強する予定であれば、業務上直接必要かどうかを考慮して費用計上できるか判断することができるでしょう。
資格取得の費用は高額になることもあります。ご自身で判断するのが難しい場合は一度、税務署や税理士に確認してみるようお勧めします。
税金や節税に関して勉強するために、本や雑誌などを購入した場合は必要経費として計上することができます。
その場合は、新聞図書費などの勘定科目を使って経理処理することができます。
まとめ
経費計上は、業務に直接関連する技能や知識の習得費用が対象です。
パソコン講座や確定申告セミナー、事業に必要な英会話教室費用など、業務に不可欠な支出は必要経費として計上可能です。
ただし、資格取得など直接業務に関係しない場合は難しい場合もあります。
また、受講期間が事業年度をまたぐ際は、来期分を「前払費用」として処理する必要があります。
計上の可否に迷う場合は、税務署や税理士に確認することをお勧めします。