建設仮勘定の勘定科目と仕訳例

  • 2020年8月13日
  • 2021年2月11日
  • 簿記

 

簿記の勘定科目に、建設仮勘定という科目があります。

 

この記事では、建設仮勘定の勘定科目の基本的な使い方や仕訳例について取り上げています。

 

建設仮勘定とは

 

建設仮勘定とは、建造物が完成するまでに発生する支出を処理する勘定科目で、貸借対照表の資産に表示されます。

 

例えば、業者に依頼して建物を建設することになり、建物が完成し引き渡しが行われるまでに、建設代金の一部を前もって支払う際に使用します。

 

そして、建物が完成して引渡が行われる時に、建物を資産として計上し建設仮勘定は資産の減少として処理をします。

 

仮に、建設仮勘定で処理をしたまま決算を跨ぐ場合、建設仮勘定で計上されている部分の減価償却は必要ありません。

 

建設仮勘定として貸借対照表の資産には計上されますが、建物はまだ建設中であり実際には使用を開始していないからです。

 

建設仮勘定の仕訳例

 

建物を建設することになり、代金の一部を手付金として現金で支払った場合と、完成後の振替処理について仕訳例を確認して下さい。

 

建設代金の一部を前もって支払った場合

 

①500万円の建物を建設するにあたり、手付金として80万円を現金で支払った。

 

借方金額貸方金額
建設仮勘定800,000現金800,000

 

この時点では、手付金のみを仕訳します。工事代金の残額420万円については未処理でOKです。

 

工事が完成して建物が引渡された場合

 

②建物が完成し引渡を受けた。120万円は現金で支払い残額は翌月末に支払う。

 

借方金額貸方金額
建物5,000,000建設仮勘定800,000
現金1,200,000
未払金3,000,000

 

建物が完成して引渡を受けた時に、建物を資産計上すると同時に、手付金80万円を処理していた建物仮勘定を貸方に記入することで①の仕訳と相殺されます。

 

また、翌月末に支払うことになる300万円については、未払金の勘定科目で処理をします。

 

まとめ

 

建設仮勘定の勘定科目は、建設が完了するまでに発生する代金を処理する際に使用します。

 

建設完了時には、建造物を資産計上して建設仮勘定については相殺処理をします。

 

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