クラウド会計ソフトを使って口座間の資金移動(振替)を入力する際の会計処理や注意点についてご説明しています。
この記事は、私が実際に銀行口座間の資金移動(振替)を入力する際に生じた例をもとに書いています。
因みに利用したクラウド会計ソフトは、マネーフォワードクラウド確定申告です。
それ以外のクラウド会計ソフトを利用している場合でも、会計処理の考え方は参考になるかと思います。
銀行口座間の会計処理
まず一例として、普通預金の銀行口座間の会計処理をする場合、下記のように処理をします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金(ソニー銀行) | 30,000 | 普通預金(ゆうちょ銀行) | 30,000 |
私の場合、ゆうちょ銀行からソニー銀行への口座振替の際に、おまかせ入金サービスを利用しています。
このサービスは、一度引き落とし日や入金金額を設定するだけで、毎月自分名義の口座からソニー銀行の普通預金口座へ手数料無料で入金できる便利なサービスです。
しかし、指定した引き落とし日から、ソニー銀行に入金されるまで4営業日掛かります。
このようなケースでクラウド会計ソフトを利用する場合、注意しないといけない点があります。
データ自動取込みは情報が二重に取得される
マネーフォワードクラウド確定申告などのクラウド会計ソフトには、銀行口座やクレジットカードのデータを自動で取り込むことのできる機能があります。
この機能のおかげで会計処理の時間を削減できるので重宝しているのですが、口座間の資金移動については注意が必要です。
例えば、ゆうちょ銀行から27日に引き落とされた30,000円のデータと、ソニー銀行に4営業日後に入金されたデータが二重に取得されることになります。
そのままデータを仕訳として登録すると、同じ仕訳が2回登録されることになり正しい会計処理ができません。
ですからデータの自動取込み機能を使っている場合は、調整が必要になります。
二重仕訳の調整方法
仕訳の対象外機能(マネーフォワードクラウド確定申告)
マネーフォワードクラウド確定申告の場合、データの二重取得の対処方法としては、まず仕訳登録の対象外機能を使うことが考えられます。
マネーフォワードクラウド確定申告は、取り込んだデータの仕訳登録のところに「登録」と「対象外」を選択できるようになっています。
取り込んだデータの仕訳が重複している場合は、どちらかの仕訳に関して「対象外」を選択することで対応できます。
勘定科目を設定する
これは、マネーフォワードクラウド確定申告に限った方法ではありませんが、新たに勘定科目を設定することで、二重仕訳を回避することができます。
例えば、取引の間に「預り金」や「振替勘定」などの勘定科目を設定することができます。
私の場合ですと、引き落とし日と入金日に下記のように仕訳を切ります。
日時 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
引き落とし日 | 振替勘定(預り金) | 30,000 | 普通預金(ゆうちょ銀行) | 30,000 |
入金日 | 普通預金(ソニー銀行) | 30,000 | 振替勘定(預り金) | 30,000 |
このように「預り金」や「振替勘定」などの勘定科目を設定することで二重仕訳を回避できます。
勘定科目は自由に設定できますが、基本的には一度設定した科目は継続して使用することになります。
最後に
データの自動取込み機能を利用している場合は、新たに勘定科目を設定することで対応できると思います。
尚、この記事を書くにあたっては、下記の税理士の方のブログを参考にさせていただきました。
マネーフォワードクラウド確定申告のクラウド会計ソフトを利用している場合は、勘定科目の設定方法なども詳しく説明されていましたので、参考にしていただければと思います。
参考:クリハラコンサルティング MFクラウド入門【2つの口座間の資金移動の入力方法】