現金主義と発生主義の違いについて

  • 2019年8月12日
  • 2021年2月11日
  • 簿記

 

現金主義とか発生主義というと、小難しく感じるかも知れません。

 

この記事では、現金主義と発生主義の違いや仕訳について、分かりやすくご説明しています。

 

現金主義とは

 

現金主義とは、現金が動いた時に記帳する方法です。

 

例えば、売上のお金が入金されたり、商品を現金で購入した場合に記帳します。

 

現金主義は、家計簿をイメージすると分かりやすいです。

 

家計簿では、お金を口座から引き出してお財布に入れた時に現金は増えます。

 

そのお財布にあるお金で食料品や生活用品を購入したら、その分現金は減ります。

 

このようなお金の動きを、家計簿に記入していきます。

 

このようなお金の増減を記帳する方法が現金主義です。

 

発生主義とは

 

一方で、発生主義は商品を購入したり売り上げた時に現金の動きがなくても記帳をします。

 

例えば、クレジットカードで消耗品を購入したとします。

 

クレジットカードは後払いですから、お店で消耗品を購入したとしてもその時点で現金の動きはありません。

 

それでも、商品を手にすることはできます。

 

その時点で、まず消耗品を購入したという会計処理が必要です。

 

その後、口座からクレジット代金が引き落とされた時に、もう一度そのお金の動きを記帳することになります。

 

現金主義の場合は、口座からお金が引き落とされた時のみ仕訳をすればいいですが、発生主義の場合はお金が動いていなくても消耗品を購入した時に仕訳が必要です。

 

どうしてこういった処理が必要かといいますと、発生した期間に収益と費用を対応させる必要があるからです。

 

発生主義は、現金主義よりも会計処理が面倒ですけど、その分メリットがあります。

 

発生主義による記帳をして、最終的に貸借対照表を損益計算書を作成すれば、65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

 

節税効果が大きくなるお得な制度ですから、多少面倒でも発生主義による記帳をする価値はあります。

 

一方で、現金主義による記帳だと10万円の青色申告特別控除しか受けることができません。

 

ですから、個人事業主やフリーランスの方には、多少手間がかかっても発生主義による記帳をお勧めしたいと思います。

 

ちなみに、青色申告をするには事前に申請が必要です。

 

詳しくは、下記の記事をご覧下さい。

 

参考:65万円の青色申告特別控除の要件や改正後の条件について

参考:【申請期限】青色申告を始めるにはいつまでに申請する必要がある?

 

仕訳例

 

先程ご説明した消耗品の購入についての仕訳例を、現金主義と発生主義でご紹介したいと思います。

 

●3,000円の消耗品をクレジットカードで購入した。

 

現金主義の場合

 

日付借方金額貸方金額
購入日仕訳なし                
引き落とし日消耗品費3,000普通預金3,000

 

現金主義は、お金が動いたときだけ仕訳しますので、クレジットカードで購入した時点の会計処理は不要です。

 

発生主義の場合

 

日付借方金額貸方金額
購入日消耗品3,000未払金3,000
引き落とし日未払金3,000普通預金3,000

 

発生主義は、商品を購入した時点で現金の動きがなくても仕訳が必要です。

 

引き落とし日と合わせて、2回仕訳を切る必要があります。

 

まとめ

 

現金主義・・入金・支払の際に記帳する

発生主義・・入金・支払に加えて、購入・売上の際にも記帳する

 

発生主義による記帳で、65万円の青色申告特別控除を受けるには、クラウド会計ソフトを活用するのがお勧めです。

 

クラウド会計ソフトを利用すれば、銀行口座やクレジットカードの取引内容を自動で取り込んでくれるので、会計処理の手間を大幅に削減することができます。

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