【国民年金】前納制度とは?最大15,000円以上の節約が可能です

  • 2019年7月15日
  • 2024年9月7日
  • 年金

 

国民年金の支払い方法に前納制度があります。

 

この前納制度を利用して、国民年金を支払えば最大で15,000円以上の節約が可能です。

 

お得な制度ですので、制度の基本的な仕組みや利用方法を確認していただきたいと思います。

 

前納制度とは

 

基本的に、毎月の保険料は翌月末までに収める必要があります。

 

通常の支払い方法であれば、保険料の割引はありません。

 

国民年金の前納制度は、年金をまとめて前払いすることで割引が受けられる制度です。

 

もし、まとめて支払う余裕があれば、前納制度を利用することで節約が可能です。

 

下記の期間に応じて、年金をまとめて支払うことが出来ます。

 

  • 6ヶ月分
  • 1年分
  • 2年分

 

基本的には、上記の3種類ですが、任意で選択した期間分の保険料を収めることもできます。

 

また、これ以外にも当月末振替(早割)という制度があって、本来の納付期限よりも1カ月早く口座振替することにより、保険料の割引を受けることもできます。

 

ご自分の経済状況に応じて、前納制度を活用できます。

 

もし、前納制度を利用する余裕がなく、毎月の保険料を支払うだけでも大変だと感じる方は、保険料の免除制度を活用できるかも知れません。

 

免除制度については、下記の記事でご説明していますのでご覧下さい。

 

個人事業主プラス

  国民年金保険料の未納には、大きなリスクがあります。   未納の期間が長くなれば、その分将来の年金受給額が下がります。…

 

前納制度でどのくらいお得になる?

 

前納制度を利用して、保険料を支払えばどのくらいお得になるのか気になりますよね。

 

節約できる金額は、前納する期間や支払い方法によって変わります。

 

令和元年の保険料で、口座振替と現金及びクレジットカードで支払った場合の割引金額は次の通りです。

 

口座振替の場合

 

口座振替の場合の、支払い金額と割引額は下記の通りです。

 

  • 6ヶ月分・・支払い金額は97,340円、割引額は1,120円
  • 1年分・・支払い金額は192,790円、割引額は4,130円
  • 2年分・・支払い金額は379,640円、割引額は15,760円

 

現金及びクレジットカードの場合

 

  • 6ヶ月分・・支払い金額は97,660円、割引額は800円
  • 1年分・・支払い金額は193,420円、割引額は3,500円
  • 2年分・・支払い金額は380,880円、割引額は14,520円

 

比較表

 

比較しにくいかも知れませんので、表にしてまとめてみました。

 

口座振替の支払い額現金及びクレジットカードの支払額口座振替の割引額現金及びクレジットカードの割引額
前納期間6ヶ月97,340円97,660円1,120円800円
前納期間1年192,790円193,420円4,130円3,500円
前納期間2年379,640円380,880円15,760円14,520円

参照:国民年金機構 国民年金保険料の「2年前納」制度

 

ご覧の通り、前納期間が長いほど割引率は高くなります。

 

また、口座振替か現金及びクレジットカードの支払い方法の違いだけで、割引率が変わることも分かります。

 

ちなみに、2年前納した場合は、口座振替のほうが1,240円お得になります。

 

半年や1年前納払いも、口座振替のほうが現金及びクレジットカードでの支払いよりも割引率が高いです。

 

ただし、現金とクレジットカードで比較すると、クレジットカードを活用した方がお得です。

 

クレジットカードを利用すれば、カードのポイントが付与される分お得になります。

 

例えば、国民年金の保険料は、電子マネーのnanacoで支払うことが出来ます。

 

ポイント還元率の高いクレジットカードから、nanacoにチャージして支払えば、その分クレジットーカードのポイントが付与されます。

 

例えば、1.2%の高還元率のリクルートカードはnanacoにチャージすることが可能です。

 

nanacoへのチャージは、上限額が月3万円となっています。

 

仮に、1ヶ月に3万円チャージすると、リクルートポイントが360ポイント付与されます。

 

リクルートポイントはPontaポイントにも交換できるので、ローソンなどの買い物に利用できます。

 

コンビニで保険料を現金払いするくらいなら、nanacoを使って支払ったほうが断然お得になりますよ。

 

ちなみに先程、当月末振替(早割)という制度にも触れましたが、この方法で保険料を支払えば割引額は1ヶ月に50円となります。

 

わずかな金額ですが、振替時期を早めるだけで割引されるので、毎月の保険料を口座振替で納めている方は検討してみてはいかがでしょうか?

 

保険料の支払い方法は、いろいろありますので、ご自身にとってメリットの大きな方法を利用されるようお勧めします。

 

リクルートカード

公式サイト:リクルートカード

 

割引だけでなく税金も安くなる

 

2年分の保険料を前納した場合は、下記のいずれかの方法で社会保険料控除が可能です。

 

  • 収めた年に全額控除する
  • 各年分を2年に分けて控除する

 

ですから、今年の売上が多くて来年の税金が心配だというような状況ですと、収めた年に全額控除すれば社会保険料控除を増やすことができ、その分支払う税金が少なくて済みます。

 

ただし、収めた年に全額控除した場合、下記のようなケースには注意が必要です。

 

仮に、2年分を前納した翌年の売上が減少して、保険料の免除制度を利用しないといけない厳しい状況になったり、自営業から転職して厚生年金に加入するようになった場合です。

 

このような状況に該当する場合、還付手続をすればそれ以降の前納した保険料は戻ってきます。

 

その点は安心です。

 

しかし、前の年に2年分の保険料を全額控除していれば、その分税金を少なく払っていることになります。

 

保険料は還付されるのに、税金についてはそのままという訳には行きません。

 

つまり、このようなケースでは修正申告が必要になるという事です。

 

どちらでも選択は可能ですが、上記のようなケースもありえますので、「各年分を2年に分けて控除する」方が無難かなあとは思います。

 

こうした点も踏まえて、選択していただければと思います。

 

2年前納の手続について

 

保険料を2年前納する場合、手続が必要となります。

 

口座振替の場合

 

口座振替の場合は、下記の書類に必要事項を記入して金融機関、もしくは年金事務所に提出します。

 

  • 国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書

 

長い!しかも漢字だけで読みにくい・・

 

現金払いの場合

 

現金による2年前納払いは、その旨を年金事務所に申し出る必要があります。

 

クレジットカード決済の場合

 

クレジットカードでの支払いを希望する場合は、下記の書類に必要事項を記載のうえ年金事務所に提出します。

 

  • 国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書

 

必要な書類は、国民年金機構のサイトからダウンロードして郵送することも可能です。

 

公式サイト:国民年金機構 「2年前納」の手続き

 

最後に

 

前納制度は国民年金の保険料を割引できる、お得な制度です。

 

利用できるお得な制度は十分に活用して、大切なお金を管理しましょう。

 

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