個人事業主や法人が仕事上、定期的に高速道路を利用する場合、ETCカードを使えば時間帯や利用区間によって30%~60%も現金払いよりお得になります。
ETCカードの維持費や手数料についてはカードの種類によって変わりますので、これから詳しくご説明したいと思います。
個人事業主も利用可能なETCカードで支払いをするだけで経費削減できるわけですから、定期的に仕事で高速道路を利用する場合は、ETCカードの利用を検討してみて下さい。
法人カードに付帯されるETCカード
通常、個人事業主や法人の場合ですと、簡単にはETCカードを作れないケースが多いです。
理由としては、一般的に法人契約のETCカードはクレジット会社の審査が厳しいからです。
しかし、この記事でご紹介しているETCカードは、クレジット機能がついていないETC専用カードのため、カードを作りやすいという特徴があります。
ただし、作りやすい代わりに、一定の手数料や保証金などの費用がかかります。
一方で、クレジット機能付きの法人カードに付帯されるETCカードについては、コストが掛からないものがあります。
ですから、最初に考慮していただきたいのは、クレジット機能付きの法人カードに付帯されるETCカードです。
ビジネスカードによる事務作業の効率化や経費削減のメリットに加えて、ETCカードも無料で発行&維持が可能なカードもありますので、まずはクレジット機能付きの法人ビジネスカードに付帯される、ETCカードを利用できないかどうか検討してみても良いと思います。
個人事業主でも作りやすいETCカード
クレジット機能付きの法人カードに付帯されるETCカードの利用が難しい場合は、クレジット機能がついていないETC専用カードを検討できます。
ETCパーソナルカード
個人事業主でも作りやすいETCカードに、ETCパーソナルカードがあります。
ETCパーソナルカードとは、下記の通りです。
「ETCパーソナルカード」は、クレジットカード契約をしないお客さまにもETCをお使いいただけるよう、NEXCO東日本/中日本/西日本、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社の6社が共同して発行するETCカードで、有料道路の通行料金のお支払いに限定されたカードです。
個人事業主に限らず、最も作りやすいETCカードは「ETCパーソナルカード」でしょう。
さまざまな理由で、クレジットカードが作れない場合は、最も作りやすい「ETCパーソナルカード」を検討できます。
サービスエリアなどのインフォメーションで用意されている「ETCパーソナルカード利用申込書」に、必要事項を記入してからETCパーソナルカード事務局あてに郵送します。
なお、「ETCパーソナルカード利用申込書」は電話による郵送にも対応しています。
ETCパーソナルカードは、1枚あたり1,257円(税込)の年会費が必要です。
また、保証金(デポジット)も必要となります。
個人的にはETCパーソナルカードは、保証金(デポジット)が高すぎる印象があります。
ちなみに、保証金(デポジット)は利用料金に比例して次のように金額がかわります。
- 平均利用月額5,000円・・デポジット20,000円
- 平均利用月額10,000円・・デポジット40,000円
- 平均利用月額15,000円・・デポジット60,000円
- 平均利用月額20,000円・・デポジット80,000円
ETCカードが使えるといっても、この保証金の額は高すぎのような気がします。
ETCパーソナルカードは、どうしてもETCカードを作りたい場合の最終手段の位置づけで良いのではないかと思います。
協同組合が発行するETCカード
法人や個人事業主の方であれば、ETCパーソナルカードよりも協同組合が発行するETCカードがお勧めです。
個人事業主でも作りやすいETC専用カードを発行しているのは、高速情報協同組合とETC協同組合です。
上記の協同組合は、中小企業に対する多角的なアシストやコスト削減、経営に役立つ情報提供や経営活動の促進などの活動を行っています。
これらの組合が発行しているETC専用カードは、クレジット審査がないので作りやすいです。
ただし、組合独自の審査はありますので必ず作れる保証はありません。
それでも、実際に個人事業主の私も作ることができましたので、法人や個人事業主にとって作りやすいETCカードであることは間違いありません。
私が使っているのは、ETC協同組合が発行しているETCカードです。
メリットは、ETC割引を利用することができるので、現金払いと比べると料金が安くコスト削減になることです。
後払いができますし、会計処理が楽になるのもカードを作るメリットだと感じています。
デメリットとしては、走行料金に対して8%の手数料がかかることや、カード発行手数料と年間手数料が880円(税込)かかるので、後からご説明する高速情報協同組合のETCカードより維持費が若干高めです。
わたしが、ETC協同組合が発行するETCカードにした理由は、同じくETC協同組合が発行するガソリンカードを申し込んでいたからです。
ETC協同組合が発行する、ガソリンカードを利用するために必要な出資金1万円をすでに支払っていました。
この出資金を支払っていれば追加でカードを作る場合、新たな出資金を支払う必要がありません。
もし、私が高速情報協同組合でETCカードを作るとなると、新たに1万円の出資金の支払いが必要となります。
最終的に返金されるお金ですが、できれば支払は少なくしたいと思いETC協同組合のETCカードを作りました。
もし、ガソリンカードも作りたいとお考えの場合は、上記の理由から組合は統一した方が1万円の出資金で済むのでお勧めです。
注意点としては、カード発行時に組合によってカードの利用可能枠が設定されます。
その設定金額を超過してしまうと、カード停止事由に該当してしまいます。
ただ、送られてきた資料には、それが原因でカードが利用できなくなるとは書かれておらず、超過利用がわかった場合は、ただちに組合まで連絡するように記載されていました。
ですから、仮に利用可能枠を超えてしまっても、対応してもらえるのではないかと思います。
ただ、カード利用枠が少ないと感じる場合は、利用枠を増やせるかどうか再審査してもらうことをお勧めします。
また、口座残高が不足していて引き落としができなかった場合は、ETCカードは利用停止となってしまい、再度カードを利用することができなくなりますので注意が必要です。
特に問題なく利用していれば、ETCカードの更新時期に郵送で更新の案内とETCカードが届きます。
高速道路を利用する機会があれば、現金払いよりも高速料金が安くなりますし経理も楽になりますので、ETCカードの申込みを検討して見て下さい。
高速情報協同組合のETCカード
高速情報協同組合のETCカードを3種類ご紹介します。
それぞれのETCカードの特徴をまとめていますので、ご確認下さい。
新会社でも作れるETCカード
1枚目のETCカードの特徴は、次の通りです。
メリット
- 深夜割引・・30%OFF
- 休日割引・・30%OFF
- 利用明細で管理ができるので会計処理が楽
- レンタカーや従業員の車でも利用可能
デメリット
- マイレージ登録ができない
- 毎月の走行金額に対して8%の手数料がかかる
費用
- 出資金・・10,000円(1社)
- 発行手数料・・550円(税込)
- 取扱手数料・・550円(税込)
ETCカードを作るには組合員になる必要があり、出資金として1万円が必要です。
ただし、組合員を脱退する際に返金してもらえますので、純粋な費用としては初年度1,100円(税込)、2年目以降550円(税込)となります。
そして、毎月の走行金額に対して8%の手数料が別途必要です。
ETCカード発行時と維持費に多少の費用はかかりますが、それ以上に割引率の経費削減メリットのほうが大きいです。
定期的にETC割引の時間帯に高速道路を利用するなら、持っておいて損をすることはないでしょう。
法人向けのETC専用カードとなっていますが、個人事業主も申し込めます。
マイレージ登録可能なETCカード
2枚目のETCカードが1枚目と違う点は、下記の通りです。
メリット
- マイレージ登録ができる
- 平日朝夕割引・・最大50%OFF
デメリット
- 毎月の走行金額に対して8%の手数料がかかる
マイレージ登録ができて、マイレージポイントが全額還元されるのは大きなメリットです。
また、休日・深夜割引に加えて平日の朝夕割引を利用することができます。
この平日朝夕割引は最大50%OFFと大変お得です。
他の条件は、1枚目のETCカードと同様です。
手数料が安いことを重視するなら1枚目、マイレージポイントが還元されることや平日朝夕割引を重視するなら、2枚目のETCカードを選択することになるでしょう。
割引率が高いETCカード
3枚目のETCカードは、首都高速や阪神高速の割引制度を受けられる、ETCコーポレートカードです。
ご紹介している他のカードも十分割引率が高いのですが、ETCコーポレートカードはさらにその上をいく割引率をほこります。
メリット
利用時間帯による30%~50%割引後、さらに最大25%も割引される大変お得なカードです。
首都高速や阪神高速を定期的に利用される場合は、是非持っておきたいカードです。
デメリット
首都高速や阪神高速の割引率が高いカードですが、割引を適用させるにはETCコーポレートカードに表示された車両で利用しなければ、割引が適用されませんので注意が必要です。
費用
- 出資金・・10,000円(1社)
- 発行手数料・・629円(税込)
- 取扱手数料・・629円(税込)
最大20%の割引は適用されませんが、首都高速や阪神高速以外でも利用することはできます。
また、ETCコーポレートカードでも通常の割引(休日・深夜・平日朝夕)などは受けられます。
ETC協同組合の法人ETCカード
私が申し込んだETC協同組合の法人ETCカードです。
ETCカードのメリットとデメリット、費用についてご説明します。
メリット
- マイレージポイント還元あり
- 平日朝夕割引あり
- 利用明細で管理ができるので会計処理が楽
- レンタカーや従業員の車でも利用可能
デメリット
- 毎月の走行金額に対して8%の手数料がかかる
費用
- 出資金・・10,000円(1社)
- 発行手数料・・880円(税込)
- 年間手数料・・880円(税込)
ETC協同組合のETCカードも組合員になる必要があり、出資金として1万円が必要です。
ただし、この出資金も組合員を脱退する際には返金してもらえますので、純粋な費用としては初年度1,760円(税込)、2年目以降は880円(税込)となります。
そして、毎月の走行金額に対して8%の手数料が別途必要です。
最後に
定期的に高速道路を利用する個人事業主や法人であれば、1枚は持っておきたいETCカード。
現金払いと比べると割引率が高いので経費削減効果が高く、支払いのための時間の無駄も避けられます。
ただし、手数料や保証金には大きな違いがありますので、その点を踏まえてご検討下さい。
ETCカード | 手数料 | 年会費 | 保証金 |
---|---|---|---|
法人カードに付帯されるETCカード | 0円~ | 0円~ | 0円~ |
ETCパーソナルカード | 0円 | 1,234円 | 2万円~8万円 |
協同組合のカード | 走行距離に対して5%~8% | 550円~880円 | 1万円 |