「確定申告の時期が過ぎてしまった」
「副業の収入があるけれど申告していない」
そんな状況で、確定申告やらないとどうなるのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
インターネット上には「バレない」という噂もあれば、「人生が終わる」といった極端な情報もあり、何を信じれば良いのか分からなくなりがちです。
最も危険なのは、正しい知識を持たずに放置することです。
この記事では、無申告のリスクや具体的なペナルティ、そして今からできる対処法について分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 無申告が税務署に把握される仕組みとリスク
- 期限後申告によって課される税金の種類や税率
- 申告が必要になる所得の種類や基準
- 過去の無申告分を手続きする際の注意点
本記事は、一般的な税制度や執筆時点(2026年1月)の法令情報に基づいて解説しています。個別の税務判断や具体的な申告手続きについては、管轄の税務署または税理士等の専門家にご相談ください。
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確定申告やらないとどうなる?バレる確率とリスク

「現金手渡しならバレない」「少額なら見逃される」といった考えは、通用しにくくなっています。
ここでは、税務署の情報収集能力と、申告義務を怠った場合に降りかかる具体的なリスクについて、事実に基づいて解説します。
税務署の調査能力
確定申告をしていない事実は、税務署に把握される可能性が十分にあります。
国税庁は「KSK(国税総合管理)システム」と呼ばれる大規模なネットワークを運用しており、全国の納税者の申告状況や納税実績を一元管理しています。
無申告が発覚する代表的なルートが「支払調書」です。
取引先である企業がフリーランス等に報酬を支払った場合、その内容を記載した支払調書を税務署に提出します。
このデータと個人の申告状況を照合すれば、申告漏れは容易に把握されます。
また、税務署には強力な質問検査権があり、必要に応じて銀行などの金融機関に対して入出金履歴の照会を行うことができます。
近年では、暗号資産交換業者やデジタルプラットフォーム事業者へも必要に応じて照会が行われることがあり、インターネット上の取引であっても「見つからない」という保証はありません。
無申告は何年でバレる?
税務調査がいつ行われるかについて、「数年分溜まってから来る」という噂を聞くことがありますが、明確なルールはありません。
しかし、法律上の時効(除斥期間)の範囲内であれば、いつでも調査が行われる可能性があります。
原則として、税務署が過去に遡って申告漏れを指摘できる期間は、法定申告期限から5年間です。
しかし、二重帳簿の作成や売上の隠蔽など「偽りその他不正の行為」があると認定された場合、この期間は7年間に延長されます。
「3年前の分まで遡って請求が来た」というケースは珍しくありません。
時間が経過しているということは、延滞税などのリスクが積み上がっている状態であると認識する必要があります。
無申告のペナルティとデメリット
確定申告を期限内に行わなかった場合、本来納めるべき税金に加えて、行政制裁としてのペナルティが課されます。
これにより、金銭的な負担は確実に増加します。
主なペナルティの内容は以下の通りです。
| ペナルティの種類 | 概要と税率の目安 |
|---|---|
| 無申告加算税 | 期限内に申告しなかったことに対する加算税。 原則として、納付すべき税額に対して15%〜30%が課されます。 ※ただし、税務調査の事前通知を受ける前に自主的に申告した場合は5%に軽減されます。 |
| 延滞税 | 納付が遅れた期間に対する利息。 原則は年7.3%〜14.6%ですが、特例基準割合により実際は低くなる年が多いです。 (例:令和8年は年2.8%〜9.1%) |
| 重加算税 | 事実の仮装や隠蔽など、悪質な場合に課される重い加算税。 無申告加算税に代えて40%等の高い税率が適用されます。 |
このように、無申告でいることにメリットはありません。
一方で、デメリットは多岐にわたります。
例えば、最大65万円の青色申告特別控除が適用されなくなったり、納めすぎた源泉所得税の還付を受け損ねたりします。
また、住宅ローンや事業融資の審査に必要な所得証明書が発行できないため、社会的信用にも影響が及びます。
確定申告してない人が多い?
インターネット上の掲示板やSNSでは、「確定申告をしていないけれど何も言われていない」といった個人の体験談を見かけることがあります。
こうした情報を見ると、「自分も大丈夫だろう」と安心したくなるかもしれません。
しかし、これはあくまで現時点では調査が入っていないというだけの話であり、将来の安全を保証するものではありません。
前述の通り、税務調査は数年分をまとめて行われることもあります。
また、匿名情報の発信者が後にペナルティを受けたかどうかまでは追跡できません。
法的な義務においては、ネットの噂よりも確実な制度の仕組みを理解して行動することが、自身を守ることにつながります。
確定申告やらないとどうなる?所得の種類に応じて解説

「自分は会社員だから関係ない」「アルバイトだから申告は不要」と思い込んでいる場合でも、条件によっては確定申告が必要なケースがあります。
特に、近年の税制改正により基準が変わる可能性があるため注意が必要です。
ここでは、所得の種類に応じて確定申告が必要かどうかを確認していきます。
会社員・パート・アルバイト
確定申告が必要かどうかは、一律の金額だけで決まるものではなく、雇用形態や年間の所得金額の組み合わせによって判断されます。
また、令和7年度以降の税制改正により、「年収の壁」や「基礎控除額」の基準が大きく変わるため、最新の動向に注意が必要です。
以下に、働き方別の具体的な基準を解説します。
給与所得者は原則不要(※例外あり)
会社などに勤めている給与所得者は、原則として会社が「年末調整」を行うため、自分で確定申告をする必要はありません。
しかし、以下の条件に当てはまる場合は、例外として確定申告が必要です。
-
給与年収が2,000万円を超える人
-
2か所以上から給与をもらっている人
-
副業などの「給与以外の所得」がある人
【重要】副業における「20万円の壁」と「住民税の落とし穴」
副業をしている会社員から最も多い質問が「いくらまでなら申告しなくていいのか?」というものです。
これには「所得税(国)」と「住民税(地方)」で異なるルールが存在するため、混同しないよう注意が必要です。
- 所得税(税務署):給与以外の所得が年間20万円以下であれば、基本的に確定申告は不要です。
- 住民税(市区町村):住民税には、20万円以下なら不要という免除ルールはありません。所得税の確定申告をしない場合でも、原則としてお住まいの市区町村へ「住民税の申告」を別途行う必要があります。※自治体によって運用が異なる場合があるため、必ず各自治体のホームページ等で確認してください。
個人事業主・フリーランス
個人事業主やフリーランスには年末調整がないため、自分で1年間の事業の所得(売上-経費)を計算しなければなりません。
原則として、1年間の所得が「基礎控除額」を超える場合は、必ず確定申告が必要です。
逆に言えば、売上があっても経費が多く、所得が基礎控除額を下回る場合は、申告義務はありません。
公的年金受給者
年金受給者には、手続きの負担を減らすための「確定申告不要制度」があります。
以下の2つの条件を両方満たす場合、確定申告は不要です。
-
公的年金等の収入金額が400万円以下
-
公的年金以外の所得(個人年金や不動産所得など)が20万円以下
ただし、この制度を利用する場合でも、医療費控除などで税金の還付を受けたい場合は、あえて確定申告をすることも可能です。
また、住民税の申告については別途必要なケースがあるため注意しましょう。
本記事では、年金収入の特性を踏まえた確定申告の基本条件や、医療費控除や生命保険料控除など各種節税対策の具体例、そしてよくある質問への解説を行っています。 年金生活者ならではの納税のポイントや、申告が不要なケースと必[…]
問題ないケースと問題になるケース
法的に申告しなくても問題ないケースとしては、例えば事業が赤字で所得が発生していない場合や、前述の会社員の特例に該当する場合などが挙げられます。
一方で、問題になるケースとして近年増えているのが、暗号資産取引やネットオークションでの利益です。
生活用動産(古着や家庭用不用品など)の売却は非課税ですが、営利目的で継続的に商品を仕入れて販売し利益が出ている場合は、事業所得や雑所得として課税対象になります。
また、暗号資産で利益が出た場合も、原則として雑所得として申告が必要です。
デジタル上の利益だからバレないと考えるのは危険であり、これらも税務署の調査対象となっていることを意識しておく必要があります。
出典:国税庁 No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合
無職でも確定申告が必要な場合
現在お仕事をされていない無職の方でも、申告をした方が良い、あるいはしなければならない場合があります。
代表的なのが「医療費控除」です。
1年間に支払った医療費が一定額(一般的には10万円)を超えた場合、申告を行うことで所得税の還付や住民税の軽減を受けられる可能性があります。
また、年の途中で退職し、その後再就職をしていない場合も申告をお勧めします。
在職中に源泉徴収されていた所得税が、年末調整が行われないために納めすぎの状態になっていることが多く、確定申告によって還付金が戻ってくるケースがよくあります。
さらに、住宅ローンを組んでマイホームを購入した初年度は、住宅ローン控除を受けるために必ず確定申告が必要です。
この手続きを忘れると、大きな節税メリットを逃してしまうことになります。
学生や複業の注意点
学生やパート・アルバイトの方で、複数の勤務先を掛け持ちしている場合も注意が必要です。
メインの勤務先では年末調整がされていても、サブの勤務先からの給与は未調整のままになっていることが一般的です。
この場合、本来はすべての給与を合算して正しい税額を計算し直す必要があります。
特に、年間の給与収入の合計が基礎控除等の基準を超えている場合は、所得税が発生する可能性があります。
これまで確定申告をしてこなかった方も、源泉徴収票を確認し、ご自身の年収総額を把握することをお勧めします。
申告をすることで、払いすぎていた税金が戻ってくる可能性もありますで、ぜひ一度確認してみましょう。
何年も確定申告していない場合の対処法

もし過去数年間にわたって確定申告をしていないことに気づいたら、最善の策は「一刻も早く、自主的に期限後申告を行うこと」です。
無申告加算税の税率は、原則として15%〜30%ですが、税務署から調査の事前通知を受ける前に、自主的に申告書を提出した場合は5%に軽減されます。
つまり、税務署から指摘されるのを待つのではなく、自分から動き出すことが経済的ダメージを減らすための鍵となります。
まずは手元にある通帳や請求書、領収書などの資料を整理しましょう。
もし資料の一部が紛失している場合でも、取引先に再発行を依頼したり、銀行で取引推移証明書を取得したりすることで確認できる可能性があります。
一人での手続きが不安な場合は、税務署の相談窓口を利用するか、税理士に相談することをお勧めします。
確定申告に関連したよくある質問

最後に、確定申告に関してよくある疑問についてお答えします。
Q. 申告書を作るのが難しそうですが簡単にできる方法はありますか?
A. 最近では、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に従って入力するだけで自動計算され、書類が作成できます。
スマートフォンから利用できるe-Taxも普及しており、計算ミスを防ぎながら手続きが可能です。
Q. 住民税だけの申告はどうすればいいですか?
A. 所得税の確定申告は不要で、住民税の申告のみ必要な場合は、お住まいの市区町村の役所で手続きを行います。
自治体によって必要な書類や郵送対応の可否が異なるため、事前に公式ホームページ等で確認しましょう。
Q. 期限後申告をすると会社にバレますか?
A. 確定申告を行うと、そのデータに基づいて住民税が決定され、会社に通知される可能性があります。
これを避けるため、申告書の住民税・事業税に関する事項で納付方法を自分で納付(普通徴収)に選択する方法がありますが、すべての自治体で確実に適用されるとは限りません。
気になる場合は、お住まいの自治体窓口で相談することをお勧めします。
まとめ
本記事では、確定申告やらないとどうなるかという不安に対し、具体的なリスクや制度の基本的な仕組みについて解説してきました。
申告を放置すると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが発生し、本来払う必要のないお金まで支払うことになります。
また、「バレないだろう」という不確実な期待に頼ることは、精神的な負担を長引かせるだけです。
会社員であっても副業収入の状況によっては住民税の申告が必要ですし、医療費控除などで税金が戻ってくるケースもあります。
もし過去に申告漏れがある場合は、税務署からの指摘を受ける前に、自主的に期限後申告を行うことが最も賢明な判断です。
ご自身の状況に合わせて適切な対応を行い、安心して生活や事業に取り組める環境を整えましょう。
不安な点があれば、早めに所轄の税務署や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
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