貸倒(貸し倒れ)引当金とは?勘定科目や仕訳例、計算方法について解説

  • 2018年10月19日
  • 2025年1月19日
  • 経費

この記事では、貸倒引当金の勘定科目や仕訳についてご説明しています。

 

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貸倒引当金とは

 

通常、商品を売り上げた際に計上する売掛金は、後日現金等で支払われることで取り崩すことになりますが、取引先が倒産したりすると、売掛金を回収することができなくなります。

 

「貸倒引当金」は、売掛金や貸付金などの債権を回収できなくなる状況に備える際に使用する勘定科目です。

 

もし、売掛金や貸付金などの債権が実際に回収不能になった場合は、「貸倒損失」として処理することになります。

 

貸倒引当金や貸倒損失は必要経費とすることができます。

 

尚、貸倒引当金は当期分を経費として「繰入れ」ることができますが、来期には「繰戻し」をする必要がありその分は収益として計上する必要があります。

 

消費税区分

 

消費税はかかりません。不課税取引です。

 

計上基準について

 

個別評価金銭債権

 

個別評価金銭債権とは、各債権ごとに要件と照らし合わせて貸倒引当金の計算をする方法です。

 

要件の内容によって、計上できる貸倒引当金の金額は異なります。

 

尚、個別評価については判断が難しいものもあり、税理士などの専門家に相談した方が無難です。

 

一括評価金銭債権

 

一括評価金銭債権とは、青色申告をしている場合に利用できる貸倒引当金の計上基準です。

 

一括評価については、対象債権をまとめて一定の割合で経費計上できるので、個別評価と比べると処理が簡単です。

 

年末時点で売掛金や貸付金の帳簿価額に対して、5.5%までであれば経費計上することができます。

 

因みに、金融業であれば3.3%と割合が変わります。これは、他の業種と比較して貸倒れのリスクが高いためです。

 

尚、個別評価金銭債権の対象となったものは、一括評価の対象債権に含めることができませんのでご注意下さい。

 

計算式は次の通りです。

 

貸倒引当金繰入額=一括評価の対象債権✕5.5%(金融業3.3%)+個別評価金銭債権

 

仕訳例

 

期末に合計400万円の売掛金に対して一括評価による貸倒引当金を設定した。

借方金額貸方金額
貸倒引当金繰入220,000貸倒引当金220,000

 

400万円✕5.5%=22万円となります。

 

翌期に50万円が貸倒れとなった場合。

借方金額貸方金額
貸倒引当金220,000売掛金500,000
貸倒損失280,000

 

翌期に貸倒れが発生しなかった場合。

借方金額貸方金額
貸倒引当金220,000貸倒引当金戻入220,000

 

最後に

 

特定の年に、いつも以上に大きな利益があった場合、貸倒引当金を計上して必要経費とすれば、税金の繰り延べができるので利用を検討することができます。

 

しかし、税金の支払いを後回しにするだけで、結局意味がないのではないかと感じるかも知れません。

 

それでも、事業主の資金繰りの状況はそれぞれ異なります。

 

税金の繰り延べができれば、その間に資金繰りが改善される場合もあります。

 

基本的に、収入を受け取る場合は早く、支出については遅く支払った方が資金効率は良くなります。

 

一方で、毎年の債権金額に大きな差が生じないのであれば、面倒な経理処理をする割にはメリットが少ないかも知れません。

 

ですから、状況に応じて貸倒引当金を計上するようにしましょう。

 

尚、資金繰りにお困りの場合は、売掛金を活用した「ファクタリング」という方法もあります。

 

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