扶養控除とは?分かりやすく解説!令和7年改正や年収の壁の変更点

年末調整や確定申告の時期になると、書類に並ぶ税金の専門用語に頭を悩ませる方は少なくありません。

特に家族がいる場合、扶養控除とはどのような仕組みなのか、また自分たちは対象になるのかといった疑問は、家計を守るうえで避けては通れないテーマです。

これまでは「年収103万円」という数字を基準に働き方を考えていた方も多いでしょう。

令和7年度税制改正により、この税金のルールが大きく変わります。

制度の基本をわかりやすく理解し、新しい年収の壁が家計にどう影響するのかを整理しておくことは、将来の手取りを増やすために非常に大切です。

この記事では、初めての方でも制度の全体像と改正点がスムーズに理解できるよう解説していきます。

 

本記事のポイント

  • 扶養控除の基本的な仕組みと家族を扶養に入れるための条件
  • 令和7年度税制改正で変わる「103万円の壁」と新しい年収基準
  • 学生の子供や配偶者がいる場合の具体的な控除額の違い
  • 年末調整や確定申告で正しく手続きを行うための手順

 

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扶養控除とは?仕組みと改正点をわかりやすく解説

 

まずは、扶養控除という制度がなぜ存在するのか、そして具体的にどのような人が対象になるのかを解説します。

また、ニュースなどで話題になっている令和7年からの新しい税制ルールについても、私たちの生活にどう関わってくるのかを整理しました。

基本となる知識をしっかりと固めていきましょう。

扶養控除とは?基本的な仕組み

扶養控除とは、納税者に養っている家族(扶養親族)がいる場合に、税金の計算の元となる「所得」から一定額を差し引いてくれる制度です。

家族を養うには食費や教育費など多くのお金がかかります。

そのため、独身の方と比べて、家族を養っている方の税負担が重くなりすぎないように配慮されています。

この制度を利用する主なメリットは以下の通りです。

  • 課税所得が減る
    税金計算のベースとなる金額が少なくなります。
  • 税金が安くなる
    結果として、納めるべき所得税や住民税が軽減されます。
  • 手取りが増える
    税金が減る分、手元に残るお金(手取り)が増える効果があります。

ただし、自動的に適用されるわけではなく、年末調整や確定申告で「この家族を養っています」と申告する必要があります。

制度を正しく理解して申請漏れを防ぐことは、無駄な税金の支払いを回避するための第一歩と言えます。

扶養控除の対象になるのはどんな人ですか?

扶養控除を受けるためには、対象となる家族が国税庁の定めた要件をすべて満たしている必要があります。

単に一緒に暮らしている家族全員が対象になるわけではないため、以下のチェックリストで要件を確認してみましょう。

 

扶養親族の要件チェックリスト
  • 配偶者以外の親族である
    (6親等内の血族および3親等内の姻族。妻や夫は「配偶者控除」の対象)
  • 16歳以上である
    (その年の12月31日時点。16歳未満は対象外)
  • 納税者と生計を一にしている
    (同居だけでなく、仕送りをしている別居の子供や親も含む)
  • 年間の合計所得金額が一定以下である
    (給与収入のみの場合、改正後は年収123万円以下)

 

特に注意したいのは、中学生以下の子供(16歳未満)についてです。

かつて存在した年少扶養控除が廃止されたため、現在は扶養控除の対象にはなりません。

正確な要件は国税庁のページもあわせてご覧ください。

参考:No.1180 扶養控除|国税庁

最新の改正点(令和7年税制改正)の影響

令和7年度税制改正により、これまでの常識だった「年収の壁」が大きく見直されます。

主な変更点は、基礎控除等の引き上げに伴い、扶養控除を受けられる年収の上限などが緩和されることです。

「扶養に入れるライン」と「本人に税金がかからないライン」が異なる数字になる点が、今回の改正の大きな特徴です。

改正前後の違いを以下の表に整理しました。

 

項目 改正前(目安) 改正後(令和7年分〜)
扶養に入れる年収
(親などが控除を受けられる)
103万円以下 123万円以下
本人の非課税年収
(給与のみの場合)
103万円以下 約160万円以下

 

今後は「103万円」という数字にとらわれず、新しい基準に合わせて働き方を検討することが大切になります。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

年収要件と103万円超えの対処

パートやアルバイトをしている家族がいる場合、うっかり年収の基準を超えてしまったらどうなるのかはとても気になる問題です。

もし家族の年収が扶養の基準(123万円)を超えてしまうと、原則として納税者(親や夫など)は扶養控除を受けられなくなり、世帯全体の手取りが減ってしまう可能性があります。

ただし、今回の改正では、特に大学生などの特定扶養親族(19歳〜22歳相当)については緩和措置が設けられました。

学生のお子さんがいる場合は、以下のルールが適用されます。

 

子供の年収(特定扶養親族) 親が受けられる控除
123万円以下 扶養控除(満額 63万円)
123万円超 ~ 150万円以下 特定親族特別控除(実質満額維持)
※名称は変わりますが、控除額は減りません
150万円超 ~ 188万円以下 段階的に減額

 

少し超えたからといって即座に全ての控除がなくなるわけではありません。

まずは慌てずに、交通費を含まない正確な給与収入額を把握し、適用できる控除がないかを見極めることが重要です。

扶養控除とは?家族構成ごとのケースで分かりやすく解説

 

扶養控除と一口に言っても、対象となる家族の年齢や属性によって控除される金額やルールが異なります。

ここでは、学生の子供がいる家庭や配偶者がいる場合など、具体的な家族構成ごとのケースに分けて詳しく見ていきましょう。

学生や子供の場合

子供を扶養する場合、年齢によって控除額が変わるのが特徴です。

教育費負担が大きくなる時期に合わせて、控除額が手厚く設定されています。

16歳以上19歳未満の子供は「一般の控除対象扶養親族」となり、38万円の控除が受けられます。主に高校生などがこの区分に該当します。

そして19歳以上23歳未満の子供は「特定扶養親族」と呼ばれます。

大学生や専門学生の多いこの世代は、学費や仕送りなどの負担が増えることを考慮し、控除額が63万円に上乗せされています。

扶養控除の金額は、その年の12月31日時点での「扶養親族の年齢」や「同居の有無」によって以下のように決められています。

最も教育費がかかる大学生(特定扶養親族)の控除額が、他の区分より大きく設定されていることがわかります。

 

扶養親族の区分 年齢・条件 控除額(所得税)
一般の控除対象
扶養親族
16歳以上 19歳未満
23歳以上 70歳未満
38万円
特定扶養親族
(大学生など)
19歳以上 23歳未満 63万円
老人扶養親族 70歳以上
(別居の親など)
48万円
同居老親等 70歳以上
(同居している親など)
58万円

 

これまでは、大学生の子供がアルバイトで年収103万円を超えると、親はこの大きな控除(63万円)を失い、税金が跳ね上がることがありました。

しかし令和7年の改正により、前述の通り子供の年収が150万円までなら、親はこの63万円の控除を満額受けられるようになります。

学生のお子さんがいる家庭では、この変更点を踏まえてアルバイトの時間などを話し合ってみると良いでしょう。

配偶者の扶養控除とは?妻は対象外の理由

年末調整の書類を書く際、「妻を扶養控除の欄に書けばいいのかな?」と迷うことがあるかもしれません。

しかし、税金のルール上、妻や夫といった配偶者は「扶養控除」の対象にはなりません。

なぜなら、配偶者には専用の「配偶者控除」および「配偶者特別控除」という制度が用意されているからです。

これらは扶養控除とは別の枠組みですが、「養っている家族がいる場合に税負担を軽くする」という目的は同じです。

書類上では、配偶者の情報は「配偶者控除」の欄に、子供や親の情報は「扶養控除」の欄に書き分ける必要があります。

名称は似ていますが、適用される条件や計算式が異なるため、混同しないように整理しておきましょう。

妻が控除を受けられる年収

妻(配偶者)の場合は扶養控除ではなく「配偶者控除」等が適用されますが、気になるのは「いくらまで働けるのか」という点でしょう。

改正後の基準を整理します。

妻の年収が123万円以下(合計所得金額58万円以下)であれば、夫は「配偶者控除」として最大38万円の控除を受けられます。

これが、いわゆる扶養内で満額の控除を受けられるラインです。

もし妻の収入がこれを超えてしまっても、いきなり控除がゼロになるわけではありません。

「配偶者特別控除」という仕組みがあり、妻の年収が約201万円(合計所得金額133万円)になるまでは、段階的に控除を受けることができます。

 

制度名 妻の給与年収目安(改正後) 最大控除額
配偶者控除 123万円以下 38万円
配偶者特別控除 123万円超 ~ 約201万円以下 38万円 ~ 1万円(段階的)

 

なお、これらの控除を受けるためには、夫(納税者本人)の合計所得金額が1,000万円以下(給与年収のみで約1,195万円以下)であるという条件があります。

夫が高所得者の場合は控除額が減ったり対象外になったりしますのでご注意ください。

扶養控除と配偶者控除はどっちが得?

「扶養控除と配偶者控除、どちらを使ったほうが税金が安くなるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

しかし、これらは選択制ではなく、対象となる家族との関係性によって自動的に決まるものです。

配偶者であれば配偶者控除(または特別控除)が適用され、それ以外の親族(子供や親など)であれば扶養控除が適用されます。

金額の面で見ると、一般の扶養控除は38万円、配偶者控除も最大38万円と同じ水準です。

ただし、前述した大学生などの特定扶養親族は63万円、同居している70歳以上の親(同居老親等)は58万円と、扶養控除の方が金額が高くなるケースもあります。

大切なのは、対象となる家族を漏れなく申告することです。

特に別居している学生の子供や、仕送りをしている田舎の親などは申告を忘れがちですので、要件を満たしているか一度確認してみることをおすすめします。

確定申告書の書き方と電子申告やり方

 

制度の内容を理解したら、次は具体的な申請手続きについて確認しましょう。

会社員の方と個人事業主の方では手続きの方法が異なります。

確定申告の書き方

扶養控除を受けるための手続きは、働き方によって2つのパターンに分かれます。

会社員や公務員の方は、基本的には年末調整で手続きが完了します。

勤務先から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、扶養している親族の氏名、マイナンバー、所得の見積額などを正確に記入して提出してください。

令和7年分からは年収要件などの記載が変わりますので、配布される手引きをよく確認しましょう。

一方、個人事業主やフリーランスの方、あるいは年末調整で申告し忘れた会社員の方は、確定申告を行う必要があります。

2025年分(令和7年分)の申告書では、第一表の「扶養控除」欄に控除額の合計を、第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄に家族の詳細を記入します。

電子申告が便利

現在はスマホやパソコンから利用できるe-Tax(電子申告)が非常に便利になっています。

画面の案内に従って子供の年齢や収入を入力すれば、適用される控除額(特定扶養親族の63万円など)を自動で計算してくれるため、計算ミスの心配もありません。

税務署に行く手間も省けるため、ぜひ活用してみてください。

参考:確定申告特集|国税庁

扶養控除に関連したよくある質問

 

ここでは、扶養控除に関して多くの人が疑問に思うポイントを回答します。

Q. 田舎で一人暮らしをしている親を扶養に入れられますか?

A. はい、条件を満たせば可能です。「生計を一にしている」ことが要件ですので、同居していなくても、定期的に生活費や療養費を仕送りしていれば対象になります。

ただし、銀行の振込明細書など、仕送りの事実を証明できる書類が必要になる場合があるため、必ず保管しておきましょう。

Q. 年の途中で子供が就職して収入が増えました。扶養はどうなりますか?

A. 扶養控除の判定は、その年の12月31日の現況で行われます。

もし子供が就職し、1月から12月までの年収が基準(改正後は123万円など)を超えてしまった場合は、その年は扶養控除の対象外となります。

逆に、就職しても年収が基準以下であれば、扶養控除を受けられます。

Q. シングルマザーです。扶養控除とひとり親控除は両方使えますか?

A. はい、要件を満たしていれば両方の控除を併用できます。

子供を扶養していることによる「扶養控除」と、ひとり親であることによる「ひとり親控除」をダブルで受けることで、税負担を大きく軽減できる可能性があります。

まとめ

 

今回は、扶養控除の基本的な仕組みから令和7年度税制改正による変更点までを解説しました。

扶養控除は、家族を養う方の税負担を調整するための大切な制度です。

今回の改正により、扶養に入れる年収の基準が103万円から123万円に引き上げられ、働く本人の非課税枠も約160万円へと拡大されます。

特に学生のアルバイト収入に関しては、150万円まで親の控除額が減らない仕組みができるなど、これまで働き控えをしていた家庭にとっては選択肢が広がる改正と言えます。

制度は少し複雑に見えるかもしれませんが、「誰が対象になるのか」「いくらまで稼いでも大丈夫なのか」というポイントさえ押さえておけば、決して難しいものではありません。

適切な控除を受けることは、家族の手取り収入を守ることに直結します。

年末調整や確定申告の時期には、ぜひこの記事を参考にして、漏れのない申告を行ってください。

※本記事は2025年10月時点の情報を基に作成しています。税制改正の詳細は変更される可能性があるため、正確な情報は国税庁の公式サイト等で必ずご確認ください。

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