Amazonビジネスとは?個人向けとの違いや料金を分かりやすく解説

「個人向けAmazonと何が違うの?」

「個人事業主でも使うメリットはある?」

事業で使う備品や消耗品をAmazonで購入する方は多いですが、Amazonビジネスについては、具体的なメリットや使い方が分からず、導入をためらっているかもしれません。

この記事では、「Amazonビジネスとは」という基本的な疑問から、個人向けサービスとの明確な違い、具体的なメリット・デメリット、料金体系、そして登録方法に至るまで、網羅的に解説していきます。

 

本記事でわかること

  • 個人向けAmazonとの機能や価格の違い
  • コスト削減や経理が楽になる具体的なメリット
  • 知っておくべきデメリットと注意点
  • 事業規模に合わせた料金プランの選び方
  • 法人・個人事業主別のスムーズな登録手順

 

Amazonビジネスとは?個人向けサービスとの違い

 

このセクションでは、Amazonビジネスの基本的な情報について取り上げます。

個人向けAmazonと何が違うのか、どのような事業者が利用できるのか、そして具体的にどのようなメリットがあるのかを一つひとつ丁寧に解説します。

サービスの全体像を掴むことで、あなたのビジネスに導入すべきかどうかを判断する最初のステップにしてください。

 

個人向けサービスの違い

 

Amazonビジネスと個人向けAmazonの最も大きな違いは、そのサービスが事業者向けに特化している点にあります。

単に品揃えが違うというだけでなく、企業の購買活動を効率化し、管理するための機能が数多く備わっているのです。

主な違いを以下にまとめました。

 

項目 Amazonビジネス 個人向けAmazon
対象者 法人・個人事業主 すべての個人
主な支払い方法 請求書払い、法人カード、代引き、コンビニ払いなど クレジットカード、代引き、コンビニ払い、電子マネーなど
価格設定 法人価格・数量割引あり 通常価格
アカウント管理 複数ユーザーでの共有、承認機能などが可能(有料プラン) 個人での利用が基本
インボイス制度 適格請求書の発行・一括ダウンロードに対応 対応(ただし管理は個人)
限定商品 ビジネス関連の専門商品などが購入可能 一般消費者向け商品が中心

 

このように、Amazonビジネスは経費での購入を前提とした機能が充実しています。

特に「請求書払い」は、都度の経費精算の手間を大幅に削減できるため、多くの企業で重宝されています。

また、一部商品に設定されている「法人価格」や、まとめて買うことで割引が適用される「数量割引」は、直接的なコスト削減に繋がります。

これらの点から、事業用途の購入においては、個人向けAmazonを使い続けるよりも多くの利点があると考えられます。

 

Amazonビジネスは誰でも登録できる?

 

Amazonビジネスは、法人または個人事業主であれば、事業規模を問わず登録が可能です。

大企業から中小企業、そしてフリーランスとして活動する個人事業主まで、幅広い事業者が対象となります。

登録は無料で、年会費もかかりません。

ただし、登録の際には事業者であることの確認が行われます。

 

法人の場合

 

法人の場合は、基本的に会社のメールアドレスがあれば登録手続きを進めることができます。

Amazon側での審査はありますが、会社の基本情報が確認できれば、通常は問題なく完了します。

 

個人事業主の場合

 

個人事業主の方が登録する際には、事業を営んでいることを証明するための書類提出が必要です。

以下のいずれか1点の書類を準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。

  • 開業届の写し
  • 直近の確定申告書Bの写し
  • 直近の青色申告承認申請書、または所得税青色申告決算書の写し
  • 適格請求書発行事業者の登録通知書の写し

これらの書類をアップロードし、Amazonによる審査が行われます。

審査には最大3営業日ほどかかりますが、承認されればすぐにサービスの利用を開始できます。

このように、個人事業主であっても、事業の実態が確認できれば問題なく利用できるサービスです。

 

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登録後のログインとメール

 

Amazonビジネスのアカウント登録が完了すると、専用のアカウントでログインしてサービスを利用開始できます。

もし、すでに個人向けのAmazonアカウントをお持ちの場合でも、ログイン情報を切り替えて使うことが可能です。

 

アカウントの切り替え

 

PCサイトやスマートフォンのアプリで、アカウントメニューから「アカウントの切り替え」を選択すると、ビジネスアカウントと個人アカウントを簡単に行き来できます。

これにより、事業用の買い物とプライベートの買い物を明確に区別でき、誤って経費でないものを購入してしまうミスを防げます。

 

ビジネスアカウントに届くメール

 

Amazonビジネスを利用すると、登録したメールアドレスに各種通知が届くようになります。

主なメールは以下の通りです。

  • 注文確認メール: 商品を注文した際に届きます。
  • 発送通知メール: 商品が発送されたことを知らせます。
  • 承認依頼メール: (承認機能設定時)従業員などが上限額を超える注文をした際に、承認者へ届きます。
  • 請求書発行のお知らせ: (請求書払い利用時)月の締め日後に、請求書が発行されたことを通知します。

これらのメールは、購買活動の記録として役立ちます。

特に、複数人でアカウントを共有している場合、誰がいつ何を注文したのかを把握する上で大切な情報源となります。

 

Amazonビジネス会員のメリット

 

Amazonビジネスに登録すると、事業における購買活動を劇的に効率化し、コストを削減できる多くのメリットを享受できます。

結論から言うと、最大の利点は「経理業務の簡素化」と「直接的なコスト削減」を両立できる点にあります。

具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。

 

経理業務を大幅に効率化

 

請求書払いに対応しているため、1ヶ月分の購入代金をまとめて翌月に支払うことが可能です。

これにより、購入のたびに発生していた立替払いや小口現金の精算業務が不要になります。

また、インボイス制度に対応した適格請求書も注文履歴から簡単に一括ダウンロードできるため、経理担当者の負担を大きく軽減します。

 

購買コストを削減

 

一部の商品には、一般のAmazonサイトよりも安い「法人価格」が設定されています。

コピー用紙やインク、文房具といったオフィスで頻繁に消費するものほど、割引率が高い傾向にあります。

加えて、同一商品を大量に購入する際には「数量割引」が適用される場合があり、計画的なまとめ買いでさらなるコスト削減が期待できます。

 

購買プロセスを可視化・管理

 

有料のBusinessプライム会員になると、複数の従業員でアカウントを共有し、誰が・いつ・何を購入したのかを一元管理できます。

また、「承認ルール」を設定すれば、一定金額以上の購入には上長の承認を必須とする運用も可能です。

これにより、不要な購入を防ぎ、購買のガバナンスを強化することができます。

これらのメリットは、個人事業主から大企業まで、あらゆる規模のビジネスにとって価値あるものと言えます。

 

Amazonビジネスはどのくらい安い?

 

Amazonビジネスを利用する上で最も関心の高い点の一つが、価格のメリットでしょう。

実際のところ、全ての商品が安いわけではありませんが、ビジネスで頻繁に利用される商品を中心に、個人向けサイトよりもお得な価格設定がされています。

 

法人価格

 

Amazonビジネスでは、数千万点以上の商品に「法人価格」が設定されています。

これは、Amazonビジネスにログインしている法人・個人事業主だけが表示・購入できる特別価格です。

特に、オフィス用品、PC周辺機器、工具、衛生用品などのカテゴリで割引が適用されている商品が多く見られます。

割引率は商品によって様々ですが、数パーセントから、中には30%を超えるような大幅な割引が設定されているケースもあります。

 

数量割引によるコスト削減

 

「数量割引」は、同一商品を一度に複数個購入することで、1個あたりの単価が安くなる仕組みです。

例えば、「5個以上購入で5%OFF」「10個以上購入で10%OFF」のように、購入数に応じて割引率が段階的に設定されています。

コピー用紙など定期的に消費するものであれば、この数量割引を活用することで、継続的なコスト削減につながります。

これらの価格メリットを最大限に活かすには、定期的に購入する消耗品などをリストアップし、計画的にまとめ買いを行うことが効果的です。

 

公式サイト:Amazonビジネス

 

Amazonビジネス利用前に個人事業主が知っておくべき注意点とは?

 

サービスの基本を理解した上で、次に関心がおありなのは「自社にとって本当にメリットがあるのか」という点ではないでしょうか。

このセクションでは、メリットとデメリットを客観的に比較し、特に個人事業主の方が享受できる利点や、導入前に知っておくべき注意点、そして具体的な料金体系について深掘りします。

 

注意すべきデメリット

 

Amazonビジネスの導入を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも理解し、総合的に判断することが大切です。

先ほどメリットについては取り上げましたが、一方で、いくつかの注意すべき点も存在します。

  • 個人向けプライム特典の利用不可: ビジネスアカウントでは、プライム・ビデオやPrime Musicなどの個人向けエンタメサービスは利用できません。
  • 購入履歴の共有リスク: 既存の個人アカウントから移行すると、過去の個人的な購入履歴もビジネスアカウントに引き継がれ、他のユーザーに見られる可能性があります。
  • 送料無料の条件: 無料会員の場合、注文金額が3,500円未満だと送料が発生します。

これらのデメリットは、多くの場合、適切な対策を講じることで回避できます。

 

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登録前に知っておくべき3つの重要ポイント

 

多くのメリットがあるAmazonビジネスですが、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、登録前に必ず確認しておきたい重要なポイントが3つあります。

 

ポイント1:【最重要】アカウントは新規作成を推奨

 

すでに個人でAmazonを利用している方が最も注意すべき点です。

既存の個人アカウントをビジネスアカウントにアップグレード(移行)するのではなく、事業用のメールアドレスで新たに作成することを強くお勧めします。

理由は2つあります。

①プライバシー保護のため

個人アカウントから移行すると、過去の個人的な購入履歴がすべてビジネスアカウントに引き継がれてしまいます。

そのアカウントを従業員と共有する場合、あなたのプライベートな買い物が丸見えになってしまい、大きな問題になりかねません。

②個人向けプライム特典を維持するため

ビジネスアカウントでは、プライム・ビデオ、Prime Music、Amazon Photosといった個人向けのプライム特典は利用できません。

個人アカウントを移行してしまうと、これらのサービスが使えなくなります。

プライベートで特典を使い続けたい場合も、ビジネスアカウントは新規で作成するのが賢明です。

 

ポイント2:送料無料の条件が異なる

 

Amazonビジネスの無料会員の場合、注文合計額が3,500円(税込)未満の注文には配送料がかかります。

文房具など単価の低い商品を急に一つだけ注文したい場合、送料が負担になる可能性があります。

少額の注文を頻繁に行う場合は、有料の「Businessプライム」への加入を検討すると良いでしょう。

 

ポイント3:高度な管理機能は有料

 

複数ユーザーでのアカウント管理、購入の承認フロー、購買データの詳細な分析といった高度な機能は、有料の「Businessプライム」限定のサービスです。

チームでの利用や、経費管理を厳密に行いたい場合は無料プランでは機能が不十分と感じるかもしれません。

これらのポイントは、事業規模や利用方法によって影響が異なります。

まずは無料プランで使い勝手を試し、必要に応じて有料プランへアップグレードするという方法が有効です。

 

年会費や料金はいくら?

 

Amazonビジネスは、基本的に登録費・年会費ともに無料で始めることができます。

無料のアカウントでも、法人価格での購入や請求書払いの利用申請は可能です。

さらに高度な機能を使いたい事業者向けに、有料の会員プログラムであるBusinessプライムが用意されています。

Businessプライム会員になると、注文金額にかかわらず対象商品のお急ぎ便やお届け日時指定便が無料になるほか、購買管理を強化する機能が利用可能になります。

Businessプライム会員のプランは、利用するユーザー数に応じて複数用意されています。

 

プラン名 最大ユーザー数 年会費(税込) 主な対象
Duo 1名 無料 個人でプライム会員の方が対象
Essentials 最大5名 5,900円 小規模なチーム・事業者
Small 最大10名 13,500円 中小企業、部署単位での利用
Medium 最大100名 37,800円 中規模企業
Unlimited 無制限 270,000円 大企業

 

特筆すべきは「Duo」プランです。

これは、個人でAmazonプライムに加入している方が、事業用のAmazonビジネスアカウントを追加する際に、追加料金なしでBusinessプライム会員の一部特典(送料無料など)を利用できるプランです。

個人事業主の方には、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

まずは無料アカウントで始めてみて、事業の成長や利用者の増加に合わせて有料プランへのアップグレードを検討するのがおすすめです。

公式サイト:Amazonビジネス

 

まとめ

 

この記事では、Amazonビジネスについて解説してきました。

Amazonビジネスとは、単に事業用の商品が買える通販サイトというだけでなく、企業の購買プロセス全体を効率化し、コスト管理を容易にするための強力なビジネスツールであると言えます。

個人向けAmazonとの最大の違いは、請求書払いや法人価格、複数ユーザーでの管理機能といった、事業者特有のニーズに応える機能が備わっている点です。

特に、経費精算の簡略化やインボイス制度への対応は、日々のバックオフィス業務に追われる個人事業主や中小企業の経理担当者にとって、大きなメリットとなります。

一方で、個人向けプライム特典が使えなくなるなどの注意点もありますが、これらは事業用アカウントを新規作成することで回避可能です。

この記事で得た知識をもとに、あなたのビジネスにAmazonビジネスがフィットするかどうかを判断し、業務効率化への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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