「確定申告はマイナンバーカードなしでも手続きできるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マイナンバーカードなしで確定申告を行う際の具体的な方法や、必要書類、スムーズに申告を進めるためのポイントを詳しく解説します。
e-Taxの利用や郵送・税務署での提出方法など、自分に合ったやり方を選べるように分かりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
本記事のポイント
- 確定申告はマイナンバーカードなしでも可能?
- マイナンバーの確認書類として使えるもの
- マイナンバーカードなしで確定申告する方法
- スムーズに確定申告を進めるための事前準備と注意点
確定申告は「マイナンバーカードなし」でも手続きできる?
マイナンバーカードは必要?
結論としては、確定申告にマイナンバーカードは必須ではありません。
マイナンバーの記載は必要ですが、カードがなくても申告は可能です。
しかし、マイナンバーカードを持っていると、オンライン申告(e-Tax)がスムーズに行えたり、還付金の受取が早くなったりするメリットがあります。
ここでは、マイナンバーカードが必要なケースや、持っていない場合の申告方法について詳しく解説します。
マイナンバーカードが必要なケース
確定申告には、以下の方法があります。
それぞれの申告方法で、マイナンバーカードの必要性が異なります。
申告方法 | マイナンバーカードの必要性 | 特徴 |
---|---|---|
e-Tax(マイナンバーカード方式) | 必要 | ICカードリーダーまたは対応スマホで申告 |
e-Tax(ID・パスワード方式) | 不要 | 事前に税務署でIDとパスワードを取得 |
郵送での提出 | 不要 | マイナンバー確認書類+本人確認書類のコピーが必要 |
税務署へ持参 | 不要 | マイナンバー確認書類+本人確認書類の提示が必要 |
このように、マイナンバーカードが必要なのは「e-Tax(マイナンバーカード方式)」のみです。
マイナンバーカードがなくてもマイナンバーの記載は必要
マイナンバーカードが不要な方法で申告する場合でも、確定申告書にはマイナンバーを記載する必要があります。
マイナンバーを確認するためには、以下の書類のいずれかが必要です。
- マイナンバー通知カード(記載内容が最新のものに限る)
- マイナンバー記載の住民票の写し
通知カードを紛失している場合は、マイナンバー記載の住民票を取得することも可能です。
マイナンバーカードなしで確定申告する方法
マイナンバーカードを持っていない場合、以下の2つの方法で確定申告を行えます。
1. 税務署に持参または郵送で確定申告する方法
税務署に行くか、書類を郵送することで確定申告が可能です。
必要書類
- 確定申告書(国税庁のサイトからダウンロード可能)
- マイナンバー確認書類
- マイナンバー通知カード(記載情報が最新のもの)
- マイナンバー記載の住民票の写し
- 本人確認書類
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証 など
手続きの流れ
- 確定申告書を作成
- 「確定申告書等作成コーナー」(国税庁サイト)で作成・印刷
- または税務署で用紙をもらい、手書きで記入
- 必要書類を添付
- マイナンバー確認書類と本人確認書類のコピーを添付
- 税務署へ提出
- 直接持参する
- 郵送で送る(不備がないように注意)
メリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
税務署持参 | 職員に相談しながら提出できる | 混雑が予想される |
郵送 | 自宅で準備できる | 不備があると差し戻しになることがある |
郵送する場合は、提出期限を守り、書類の不備がないよう十分注意しましょう。
2. e-Tax(ID・パスワード方式)で確定申告する方法
マイナンバーカードがなくても、e-Tax(ID・パスワード方式)を利用すれば、スマホやパソコンで確定申告が可能です。
手続きの流れ
- 税務署でIDとパスワードを取得
- 本人確認書類(運転免許証など)を持参し、税務署で発行
- e-Taxにログイン
- 「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、ID・パスワードを入力
- 確定申告書を作成・送信
- 画面の指示に従い、収入や控除の情報を入力
- e-Taxでオンライン提出
メリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
e-Tax(ID・パスワード方式) | 自宅から申告できる | 事前に税務署でID発行が必要 |
オンライン申告 | 還付金が早く振り込まれる | ID・パスワード方式は将来廃止の可能性あり |
ID・パスワード方式は、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な措置とされており、今後廃止される可能性があります。
そのため、長期的に考えるとマイナンバーカードの取得を検討できます。
マイナンバーカードを持っていると便利な点
マイナンバーカードがなくても確定申告はできますが、持っていると以下の点で便利です。
- e-Taxでの申告がスムーズ
- 税務署でのID・パスワード発行が不要
- 控除証明書の自動入力
- マイナポータルと連携させることで、生命保険料控除やふるさと納税などの情報を自動入力できる
- 還付金の受取が早い
- 書面提出よりも早く還付金が振り込まれる
さらに、健康保険証としての利用や、コンビニでの住民票取得など、確定申告以外の場面でも役立ちます。
マイナンバーカードがない場合の注意点
確定申告を行う際、マイナンバーカードがない場合でも申告自体は可能ですが、いくつか注意点があります。
事前に知っておくことで、スムーズに手続きを進められるでしょう。
マイナンバーの記載は必須
マイナンバーカードがなくても、確定申告書にはマイナンバー(12桁の個人番号)を記載することが義務付けられています。
これは法律で定められているため、省略すると書類の受理が遅れたり、訂正を求められる可能性があります。
マイナンバー確認書類と本人確認書類が必要
マイナンバーカードを持っていない場合、マイナンバーを証明する書類と本人確認書類を添付する必要があります。
準備すべき書類
- マイナンバーを証明する書類
- マイナンバー通知カード(住所変更がある場合は無効)
- マイナンバーが記載された住民票の写し
- 本人確認書類
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証
税務署へ持参する場合は、これらを窓口で提示すれば問題ありません。
ただし、郵送で確定申告を行う場合は、書類のコピーを添付する必要があります。
e-Taxを利用する場合は事前準備が必要
マイナンバーカードがなくても、e-Tax(オンライン申告)を利用することは可能です。
ただし、「ID・パスワード方式」を利用するためには、事前に税務署で本人確認を行い、IDとパスワードを取得する必要があります。
手続きの流れ
- 税務署で本人確認を行う(運転免許証やパスポートを持参)
- ID・パスワードを発行してもらう
- e-Taxでログインし、確定申告書を作成・送信
ただし、この方法はあくまで暫定的な措置であり、将来的に利用できなくなる可能性があるため注意が必要です。
郵送での申告は余裕を持って行う
郵送で確定申告を行う場合は、書類の記入ミスや添付書類の不足があると受理されず、手続きが遅れる可能性があります。
そのため、提出期限よりも早めに準備を進めることが重要です。
また、郵送の場合は発送日が消印で確認されるため、期限当日に投函する場合は必ず消印が押される方法(簡易書留など)で送るようにしましょう。
「マイナンバーカードなし」で確定申告する具体的な方法
e-Taxでのやり方
マイナンバーカードを持っていなくても、e-Taxを利用して確定申告を行うことは可能です。
その場合、「ID・パスワード方式」を利用する必要があります。
この方式を使えば、ICカードリーダライタやマイナンバーカードがなくても、オンラインで申告を完了できます。
ID・パスワード方式の特徴
通常、マイナンバーカードを使用して本人確認を行いますが、「ID・パスワード方式」を利用すれば、マイナンバーカードなしで申告ができます。
主な特徴
- 事前に税務署でIDとパスワードの発行が必要
- e-Taxを使ったオンライン申告が可能
- マイナンバーカードやICカードリーダライタは不要
事前準備
ID・パスワード方式を利用するには、事前に税務署で本人確認を受け、IDとパスワードを発行してもらう必要があります。
取得手順
- 最寄りの税務署に行く
- 本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)を提示
- 税務署職員による本人確認を受ける
- 「ID・パスワード方式の届出完了通知」を受け取る
- 通知書に記載されたID・パスワードを保管
この手続きを完了すれば、以降はIDとパスワードを使ってe-Taxを利用できます。
申告手順
ID・パスワード方式を利用したe-Tax申告の流れは、以下の通りです。
1. e-Taxにアクセス
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をクリック
2. ログイン
- 「ID・パスワード方式でe-Tax」を選択
- 取得したID(利用者識別番号)とパスワードを入力し、ログイン
3. 申告書の作成
- 画面の指示に従い、収入や控除の情報を入力
- 必要書類を添付(生命保険控除証明書など)
4. 申告データの送信
- 入力内容を確認し、e-Taxで申告データを送信
- 送信完了後、控えをダウンロードまたは印刷して保存
メリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
メリット | 税務署に行かなくてもオンラインで申告できる- 還付金の振込が早い(3週間程度) | 事前に税務署でID・パスワードを取得する必要がある- 将来的にID・パスワード方式が廃止される可能性がある |
マイナンバーカードがなくても、ID・パスワード方式を利用すれば、e-Taxでの申告が可能です。
ただし、事前に税務署でIDとパスワードを取得する必要があるため、申告期限が近い場合は早めに準備を進めましょう。
郵送での申告方法
マイナンバーカードを持っていない場合でも、確定申告書を郵送で提出することが可能です。
書類を正しく準備し、期限内に提出すれば問題なく受理されます。
郵送での確定申告に必要な書類
郵送で申告を行う際には、以下の書類を準備する必要があります。
必須書類
- 確定申告書
- マイナンバー確認書類
- マイナンバー通知カード(記載情報が最新のもの)
- マイナンバーが記載された住民票の写し
- 本人確認書類のコピー
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証
- 控除証明書類(医療費控除・生命保険料控除などの証明書)
書類の不備があると、申告が受理されず差し戻されることがあるため、事前にチェックを行いましょう。
確定申告書の作成方法
確定申告書は、以下の方法で作成できます。
- 手書きで作成
- 税務署で確定申告書の用紙を入手し、手書きで記入する
- オンラインで作成
- 「確定申告書等作成コーナー」(国税庁公式サイト)で作成し、印刷する
手書きよりもオンラインで作成する方が計算ミスを防げるためおすすめです。
確定申告書の送付方法
書類が準備できたら、確定申告書を税務署へ郵送します。
送付先
- 住所地を管轄する税務署
郵送時の注意点
- 提出期限内に消印が押されるようにする(期限内消印が有効)
- 簡易書留やレターパックを利用(送付記録を残すため)
- 封筒の表に「確定申告書在中」と記載
メリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
メリット | ・自宅で手続きを完了できる
・e-Taxを利用しなくても申告できる |
・料金がかかる
・ 還付金の受け取りが遅くなる(1か月以上かかることも) |
税務署での手続き
税務署の窓口で直接申告する方法について、手続きの流れや必要な書類、注意点を解説します。
税務署での手続き方法
税務署で確定申告を行う場合、以下の2つの方法があります。
- 税務署の窓口で確定申告書を提出
- 税務署で職員のサポートを受けながら申告書を作成・提出
どちらの場合でも、必要な書類を持参すれば手続きを進めることができます。
税務署での確定申告に必要な書類
マイナンバーカードなしで税務署へ行く場合、以下の書類を持参しましょう。
必須書類
- 確定申告書
- マイナンバーの確認書類
- マイナンバー通知カード
- マイナンバーが記載された住民票の写し
- 本人確認書類
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証
その他、必要な書類(該当する場合)
- 給与所得者: 源泉徴収票
- 個人事業主: 収支内訳書または青色申告決算書
- 控除を受ける場合: 医療費控除や寄附金控除などの証明書類
窓口での申告手順
税務署の窓口で確定申告をする場合の流れは、以下のとおりです。
- 受付で申告目的を伝える
- 申告書を提出する場合は、担当窓口へ
- 申告書を作成したい場合は、職員が案内
- 書類を確認し、必要に応じて修正
- 記入漏れや添付書類の不足がないかチェック
- 確定申告書を提出
- 問題がなければ受理され、控えを受け取る
メリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
メリット | ・税務署職員に相談しながら申告できる
・書類の不備をその場で修正できる |
・窓口が混雑し、待ち時間が長くなることがある |
特に確定申告の期間間近になるとかなりの混雑が予想されるため、早めに行くか、他の申告方法を検討することもできます。
スマホでの申請手順
マイナンバーカードを持っていなくても、スマホを使ってe-Taxで確定申告が可能です。
その場合、ID・パスワード方式を利用することで、オンラインで申告を完了できます。
スマホで確定申告するための準備
スマホで確定申告を行うには、以下の準備が必要です。
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセスできるスマホ
- Android(Google Chrome推奨)
- iPhone(Safari推奨)
- ID・パスワード方式を利用する場合
- 事前に税務署でIDとパスワードを取得
- 申告に必要な書類
- 源泉徴収票(給与所得者)
- 収支内訳書または青色申告決算書(個人事業主)
- 控除証明書類(医療費控除、生命保険料控除など)
スマホでの確定申告手順(ID・パスワード方式)
スマホで確定申告を行う手順は、以下の通りです。
- 「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
- 国税庁の確定申告書作成サイトにアクセス
- 「作成開始」を選択
- ログイン方法を選択
- 「ID・パスワード方式でe-Tax」を選択
- 事前に取得したID(利用者識別番号)とパスワードを入力
- 申告書の作成
- 画面の指示に従い、収入や控除の情報を入力
- 申告書の送信
- 確認画面で内容を確認後、e-Taxで送信
- 完了
- 申告書データの保存
3. スマホで申請する際の注意点
スマホで確定申告を行う際は、以下の点に注意が必要です。
- ID・パスワード方式は事前に税務署で取得が必要
- 入力ミスを防ぐため、必ず確認画面で見直す
- 通信環境の良い場所で行う
- 対応機種でないと利用不可
スマホ申告は手軽に行える一方で、入力ミスや通信環境に注意しながら進めましょう。
スマホ申告の詳細や、自分のスマホでも手続きできるかどうかを確認する方法については、以下の記事も参考にして下さい。
関連記事:確定申告(e-Tax)はスマホで完結!やり方や手順を分かりやすく解説
まとめ
確定申告は「マイナンバーカードなし」でも手続き可能です。
ただし、マイナンバーの記載は必須であり、通知カードや住民票の写しなどの確認書類の提出が必要になります。
また、申告方法によって準備すべきものが異なります。
例えば、ID・パスワード方式を利用すれば、マイナンバーカードなしでもオンライン申告が可能ですが、事前に税務署でID・パスワードを取得する必要があります。
一方、税務署へ持参または郵送での提出なら、マイナンバーの確認書類を添付すれば申告ができます。
スムーズに確定申告を済ませるためには、早めの準備が重要です。
書類の不備があると手続きが遅れる可能性があるため、早めに必要な書類を確認し、申告方法を決めておきましょう。
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