温泉地を訪れる際に支払うことが多い「入湯税」ですが、会計処理の際に、入湯税の勘定科目をどのように分類すればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、入湯税の勘定科目や具体的な仕訳方法について詳しく解説します。
本記事のポイント
- 入湯税を経理処理する際の適切な勘定科目
- 入湯税の消費税区分
- 領収書の記載内容に応じた仕訳の具体例
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入湯税とは?
入湯税は、日本特有の地方税で、温泉利用時に課される税金です。
この税収は観光振興や環境整備、消防施設の充実など地域の公共事業に使われます。
課税対象は温泉旅館やスーパー銭湯などでの入浴行為ですが、一般公衆浴場や低料金施設では免除される場合があります。
標準税率は1人1日「150円」ですが、地域ごとに異なり、支払いは施設利用時に行われます。
また、義務教育終了前の子どもや療養目的の利用者などは免除対象となることがあります。
入湯税は地域の観光資源を守り、振興に寄与する重要な役割を担っています。
入湯税の勘定科目と消費税区分
ここでは、入湯税を計上する際の勘定科目と基本的なポイントを解説します。
勘定科目
個人事業主が宿泊や温泉利用を事業活動の一環として行った場合、その費用を経費として計上することが可能です。
入湯税は一般的に「租税公課」として計上します。
ただし、利用目的によって以下のように分類されることがあります。
- 出張や業務目的の場合:「旅費交通費」に宿泊費を計上し、入湯税部分は「租税公課」に分ける。
- 接待や取引先との会合の場合:「交際費」として処理。
- 社員旅行や福利厚生の場合:「福利厚生費」に分類。
また、領収書に入湯税が明記されている場合とされていない場合で処理が異なります。
- 明記されている場合:入湯税を「租税公課」として分けて計上。
- 明記されていない場合:全額を「旅費交通費」などの関連費用として計上可能。
入湯税の消費税区分|非課税と不課税のどっち?
入湯税は「不課税」として扱われます。
非課税と不課税は似たような意味に見えますが、税務上では異なる概念です。
非課税と不課税の違い
- 非課税:対価を得て行う取引であっても、課税対象としてなじまないものや、政策的な配慮などから消費税の対象外と定められた取引。
- 不課税:事業者が事業として対価を得て行う取引に該当しない場合。
入湯税の勘定科目を使用した仕訳の具体例
入湯税の仕訳処理は、領収書や請求書に記載されているかどうかによって異なります。
ここでは具体的な会計処理の方法を解説します。
入湯税が明記されている場合
入湯税が領収書や請求書に明記されている場合は、税額を「租税公課」として仕訳します。
この場合、入湯税は不課税取引となり、消費税の仕入税額控除の対象にはなりません。
仕訳例
- 宿泊費:13,200円(消費税込み)に入湯税150円の合計13,350円を現金で支払った
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
旅費交通費 | 12,000 | 現金 | 13,350 |
仮払消費税 | 1,200 | ||
租税公課 | 150 |
この仕訳では、入湯税部分を租税公課として独立させることで、正確な会計処理が可能になります。
関連記事:租税公課とは?経費にできる税金や仕訳例
関連記事:消費税の勘定科目と仕訳例
ちなみに、上記の宿泊費をクレジットカード決済した場合、以下のように仕訳を行います。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
支払日 | 旅費交通費 | 12,000 | 未払金 | 13,350 |
仮払消費税 | 1,200 | |||
租税公課 | 150 | |||
引き落とし日 | 未払金 | 13,350 | 普通預金 | 13,350 |
関連記事:クレジットカードの仕訳と勘定科目
入湯税が明記されていない場合
領収書に入湯税が記載されていない場合は、宿泊費全額を「旅費交通費」などの適切な勘定科目で処理します。
この場合、入湯税部分も課税仕入れとして扱われます。
仕訳例
- 宿泊費:15,000円(内訳不明)を現金で支払った
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
旅費交通費 | 15,000 | 現金 | 15,000 |
領収書に明記がない場合は、入湯税が不課税として認識されないため注意が必要です。
注意点
- 領収書に入湯税の記載があるかないかで会計処理が変わるため、注意が必要です。
- 消費税の区分(課税仕入・不課税仕入)を正確に分けることが重要です。
まとめ
この記事では、入湯税を租税公課として計上する場合の基本ルールや、状況に応じて接待費や福利厚生費などの勘定科目を使用するケースがあることを取り上げました。
また、入湯税が不課税として扱われることもご説明しました。
特に、宿泊費と入湯税が明確に区分されている場合とされていない場合とで仕訳が変わることには注意が必要です。
記事の内容が会計記帳の参考になれば幸いです。