売上から控除する際の勘定科目や仕訳例

 

この記事では、売上から控除される取引について取り上げています。

 

ただし取引内容が似ていても、売上から控除しないケースもありますので、その点も合わせて確認することができます。

 

売上から控除する取引と控除しない取引

 

売上から控除する取引としては次の3つが該当します。

 

  • 売上戻り
  • 売上値引
  • 売上割戻し

 

上記の取引については、売上から控除する処理をします。

 

表現が似ていても、売上から控除しない取引もあります。

 

  • 売上割引

 

売上割引については、売上からの控除ではなく費用として処理することになります。

 

言葉だけみても違いがわかりにくいと思いますので、これから、4つの取引の特徴や他の取引との違いについて確認しましょう。

 

売上戻り

 

売上戻りは、商品のサイズやスペック等が、注文した内容と異なっていた場合などに商品が返品されることです。

 

この場合は、返品分を逆仕訳することになります。

 

つまり、売上を取り消す仕訳をしないといけません。

 

その処理によって、販売益+売上原価が減額されることになります。

 

売上値引

 

売上値引は、品質不良や欠陥等により、代金の一部が免除されることです。

 

値引されたものは、アウトレットなどで正規品より多少安く販売されたりします。

 

値引した場合も、その分を逆仕訳しますが、売上戻りと違って利益だけを修正することになります。

 

売上戻りの場合は商品が返品されるので、売上原価も減額されますが、売上値引の場合は商品が返品されるわけではないからです。

 

ですから、売上値引は販売益の減額のみで原価に変化はありません。

 

売上割戻し

 

売上割戻しは、リベートなどと表現したりしますが、大量取引などによる支払いの一部免除のことです。

 

大量購入してくれる相手に対するキックバックを意味します。

 

大手の家電量販店などが、こうした取引で商品を安く大量に仕入れたりします。

 

売上値引と同様に、逆仕訳をして販売益だけを減額します。

 

売上割引

 

売上割引は、早期決済に伴う売上代金の一部控除です。

 

ただし、上記の3つとは違って売上からは控除しません。

 

この場合は、売上割引(営業外費用)の勘定科目を使って仕訳することになります。

 

売上割引は支払利息と似ています。

 

取引先から、期限よりも早く代金を支払ってもらえるなら、資金繰りの苦しい会社はその間新たに金融機関などからお金を借りずにすむ場合もあります。

 

仮に借金していたとすれば金利が上乗せされますが、早期に代金を支払ってもらうことでその分が浮くことになります。

 

そこで、早期決済から支払期限までの期間に相当する金利部分については、借りた場合にかかったであろう利息部分の一部を売上割引に充てるような形となります。

 

支払う側も、割引を受けられるわけですから、お互いにメリットがあると言えます。

 

仕訳例

 

 

掛取引により販売していた商品について、そのうちの一部の商品に傷があるとのクレームを受け3万円を値引きした。

 

借方金額貸方金額摘要
売上30,000売掛金30,000売上値引

 

取引先が5%の割引を受けられる条件で早期決済を行った。掛取引で販売した商品10万円について5%割引分を引いた金額が当座預金に振り込まれた。

 

借方金額貸方金額摘要
当座預金95,000売掛金100,000売掛金の回収
売上割引5,000早期決済(5%)

 

まとめ

 

売上から控除する取引の内容や仕訳例を取り上げました。

 

売上から控除する取引は、売上戻り、売上値引、売上割戻しの3つです。

 

注意が必要な取引は売上割引で、売上からの控除ではなく営業外費用として処理することになります。

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