Squareの「Tap to Pay」 日本はいつから?仕組みや導入メリットについて分かりやすく解説

キャッシュレス決済の波は、世界中で急速に広がりを見せています。

 

SquareのTap to Payは、その最前線に立つサービスの一つであり、特に小規模事業者や個人事業主にとって、導入メリットは多いです。

 

この記事では、SquareのTap to Payの日本での開始時期、仕組みや導入メリット・デメリットなどについて取り上げています。

SquareのTap to Pay:日本での提供開始はいつから?

 

 

Square(スクエア)は、2023年9月6日、日本の事業者向けにAndroidによるTap to Payのサービス提供を開始しました。

 

このサービスにより、市販のAndroidスマートフォンを、決済端末として利用することが可能になります。

 

SquareのPOSレジのアプリを利用することで、カードのタッチ決済に対応可能となり、最短で当日からサービスを利用することができます。

 

特に移動販売や小規模な事業者にとって、低コストでキャッシュレス決済を導入できるメリットがあります。

 

Tap to Payは、カードをタップするだけで支払いができる革新的な決済方法です。

 

このシステムは、特に小売業者や飲食店での利用が急増しており、顧客の支払い体験をよりスムーズかつ効率的にしています。

 

Tap to Payの主な特徴と仕組みについて

 

出典:Square

 

Tap to Payは、スマートフォンを用いた新しい決済手法で、特定の決済端末を使用せずに、スマートフォンのみで取引を完結できるシステムのことです。

 

具体的には、スマートフォンの内蔵NFC(近距離無線通信)を活用し、Apple Payやタッチ決済対応のクレジットカードなどと通信して決済を行います。

 

このシステムを利用することで、店舗は追加のハードウェアを導入することなく、スマートフォンだけで決済の受け入れが可能となります。

 

SquareのTap to Payでは、顧客は国際ブランドのタッチ決済(非接触型決済)に対応したクレジットカードや、対応カードが追加されたスマートフォンやスマートウォッチのウォレットアプリを利用して、簡単かつ迅速に決済を行うことができます。

 

具体的には、下記のような多くの主要カードブランドが利用可能です。

 

  • Visa
  • Mastercard
  • JCB
  • American Express
  • Diners Club
  • Discover

 

これにより、事業者はより広範な顧客層にアプローチし、ビジネスの拡大が期待できます。

 

また、SquareのTap to Payは、PayPayも「Square POS レジ」から利用可能で、Android スマートフォンをPayPayでの決済を受け付ける端末にもすることができます。

 

これにより、カード決済とPayPay決済に関する、売上データの一元化が実現します。

 

これにより、場所を選ばず追加のハードウェア投資なしに、決済オプションを提供することができます。

 

特に移動販売やイベントなど、場所を選ばずに決済を行いたい事業者にとっては、スマートフォンがあれば決済を完了できるため、大変便利なサービスと言えます。

 

Tap to Payを導入するメリット

 

 

Tap to Payのサービスを導入することには、多くのメリットがあります。

 

以下に、主な4つのメリットについて取り上げます。

 

手軽・迅速な導入

 

SquareのTap to Payは、最短15分で審査結果が出るため、NFC対応のAndroidスマートフォンがあれば、手軽に・迅速に新しい決済システムを導入し、運用を開始することが可能です。

 

これは、特に新規オープンの店舗や、急なイベント出店などで、迅速な決済システムの導入が求められるケースにおいて大きなメリットとなります。

 

また、他の決済代行会社で利用しているが、予備用として使いたい事業者にも適しています。

 

小規模事業者の場合、SquareのTap to Payを利用すれば、専用のキャッシュレス決済端末を導入しなくて済む可能性もあります。

 

ただし、全てのクレジットカードが決済できるわけではないため、事業者は自社のビジネスモデルや顧客層に合わせて、他の決済方法との併用も検討することができます。

 

コスト軽減効果

 

Tap to Payは、特に初期投資を抑えたい小規模事業者や個人事業主にとって、コスト面でも大きなメリットをもたらします。

 

例えば、導入時に発生する初期費用0円でサービスの利用が可能です。

 

手持ちのスマートフォンを使うことができれば、専用の決済端末を購入する必要がないため、初期投資を抑えることができます。

 

また、運用面でもコストを軽減する要素があります。

 

SquareのTap to Payサービスでは、各ブランドの手数料が一律3.25%となっています。

 

これにより、事業者は手数料のみを考慮して運用コストを計画することができ、予期せぬ追加コストに悩まされることがありません。

 

他にも、月額費用や振込手数料なども無料ですから、事業者は手軽にキャッシュレス決済を導入できます。

 

これは、特に小規模事業者や個人事業主にとって、大きなメリットとなるでしょう。

 

スピーディーな決済

 

Tap to Payは、その名の通り、支払いをタップするだけで完了する、非常に迅速な決済方法を提供します。

 

このシステムは、特にレジでの混雑を軽減し、顧客の待ち時間を削減することで、よりスムーズなショッピング体験を実現します。

 

具体的には、顧客は支払いカードを物理的な端末にタップするだけで、支払いが完了します。

 

これは、従来のカード挿入やサイン、暗証番号入力といった手順を省略することができるため、特にピークタイムにおける効率化に寄与するでしょう。

 

感染症対策

 

タッチ決済システムは、感染症対策として特に注目されています。

 

このシステムは、物理的な接触を最小限に抑えることで、感染リスクを軽減します。

 

具体的には、タッチ決済は現金決済と比較して約半分の時間で決済処理が完了するため、これにより人と人との接触時間が短縮されます。

 

スタッフと顧客の物理的なインタラクションを減少させることで、双方の安全を高めるとともに、感染症の拡散リスクの抑制が可能です。

 

今後も、コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症対策を意識して事業を行っていきたい場合、SquareのTap to Payを導入することにはメリットがあります。

 

Tap to Payを導入するデメリット

 

 

Tap to Payは、その利便性と手軽さから多くの事業者に注目されていますが、一方で、いくつかの懸念点も存在しています。

 

導入を検討する際は、以下のデメリットについても確認しておきましょう。

 

対応端末の制限

 

SquareのTap to Payには、端末の制限というデメリットが存在します。

 

具体的には、このサービスを利用するためには、Android 9以上が搭載されているスマホが必要となります。

 

理由は、NFC(Near Field Communication)を搭載したAndroidスマートフォンを利用することで、決済端末として機能させることができるためです。

 

こうした理由から、Android 9以上が推奨されています。

 

ただし、2018年8月にリリースされたAndroid 9は、2018年以前に購入されたスマホでは利用できない可能性があるため、利用を検討するときはバージョンを確認し、必要であれば新しいスマホを購入する必要があります。

 

高価な機種によっては、10万円以上するものがありますので、手軽に導入できるという要件を外れてしまう可能性もあるため注意が必要です。

 

また、日本では現在iOS端末はサービス未対応であるため、iPhoneユーザーはこのサービスを利用することができません。

 

しかし、Squareが提供する別の決済端末「Square Reader」を利用すれば、iOS端末でも利用できるようになります。

 

価格も4,980円と手頃なため、iOSユーザーが新たにAndroidスマホを購入するよりも、コストを抑えることが可能です。

 

ただし、「Square Reader」の場合、Tap to Payの利便性を享受することができない点には注意が必要です。

 

電子マネー決済の非対応

 

Tap to Payは、SuicaやiDなどの電子マネー系の決済は利用できません。

 

ApplePayやGooglePayを経由しても利用できないため、特に電子マネー利用者が多い日本市場においては、大きなデメリットとなり得ます。

 

Squareで電子マネー決済に対応するには、別途決済端末が必要となるためご注意下さい。

 

特に電子マネーの利用が一般的な小売業や飲食業においては、顧客の利便性を最優先に考える必要がありますので、導入を検討する際にはこれらのデメリットをしっかりと考慮に入れ、他の決済オプションとのバランスを適切に取ることが求められます。

 

タッチ決済非対応カード

 

SquareのTap to Payは、ICカードや磁気カードの読み取りができないため、タッチ決済に非対応のカードは利用できません。

 

これは、特定のカードブランドや発行元が、タッチ決済のテクノロジーを導入していないケースがあるためです。

 

ちなみに、タッチ決済に対応しているかどうかは、下記の画像の赤丸の部分にある非接触対応マークによって判断できます。

 

タッチ決済に対応していないクレジットカードは、そのままでは利用できず、カード情報を手動でSquarePOSレジアプリに入力して決済を行う必要があります。

 

これにより、追加の手間が発生するため、スムーズな決済体験が損なわれる可能性があります。

 

デメリットについても確認した上で、SquareのTap to Payを利用するかどうかを検討できます。

 

Square Tap to Payの設定と使い方

 

出典:Square

 

現在利用しているAndroidスマートフォンが、Android 9以上であり、NFCがオンになっていることを確認してください。

 

NFCは、[設定] ⇒ [接続と共有]⇒ [NFC ] からアクセス可能です。

 

アプリ内で、[その他] ⇒ [設定] ⇒ [ハードウェア] の順に選択して、Tap to Payをオンに切り替えて有効にします。

 

お客様が、タッチ決済式カード、またはTap to Pay機能をオンにしている端末をタッチするだけで、決済が完了します。

 

決済限度額は、モバイルウォレットの場合は¥9,999,999、サインが不要なタッチ決済式カードの場合は¥15,000です。

 

決済が完了したら、お客様が希望するレシート発行方法を選択します。

 

このように、設定や使い方についても複雑な操作は不要です。

 

公式サイト:Square

 

Squareのセキュリティと保護機能

 

 

Squareでは、利用者の安全を最優先に、高度なセキュリティと保護機能を提供しています。

 

セキュリティ面では、業界標準を超える暗号化技術と、多層のセキュリティプロトコルを利用し、取引情報の保護に努めています。

 

これにより、利用者は安心して取引を行うことができ、データ漏洩のリスクから解放されます。

 

また、Squareでは、不正取引の防止策も万全に施されています。

 

リアルタイムでの取引監視や、異常取引のアラートシステムにより、不正アクセスや詐欺を即座に検知することが可能です。

 

これにより、利用者の個人情報は、高度なセキュリティ体制によって、しっかりと守られます。

 

カード情報の取り扱いにおいても、国際的なセキュリティ基準を遵守しているため、サービスを安心して導入することができるでしょう。

 

公式サイト:Square

記事のまとめ

 

 

SquareのTap to Payは、対応するAndroid端末に専用アプリをインストールするだけで、クレジットカードのタッチ決済で支払いができるサービスです。

 

これにより、キャッシュレス決済端末を導入することなく、手持ちのAndroidを決済端末として使用できます。

 

従来のクレジットカードでの支払いでは、暗証番号の入力やサインが必須でしたが、一定額以下ではこれらが不要となり手続きが簡単になります。

 

事業者側としても、費用をかけずに手軽に始められるため、特に一人で事業をしている個人事業主や小規模事業者にとって便利なサービスです。

 

メリットとデメリットを比較検討した上で、導入を検討してみて下さい。

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