最近、問題になっているのが個人向けのファクタリングである給料ファクタリングです。
給料ファクタリングとは、給料を担保にとって行うファクタリングのことです。
給料ファクタリングは融資ではないという立て付けにはなっていますが、高額な手数料を取られることが今大問題になっています。
では、この給料ファクタリングとは一体どのような仕組みなのでしょうか?
また、すべての給料ファクタリングは違法なのでしょうか?
給料ファクタリングについて、わかりやすく説明しますのでぜひ参考にしてくださいね。
給料ファクタリングの仕組み
給料ファクタリングは、冒頭でも説明した通り個人向けのファクタリングになります。
通常、企業が利用するファクタリングの場合、売掛金を利用しますが、給料ファクタリングの場合、給料を利用したファクタリングです。
給料ファクタリングには、3社間で行うファクタリングと2社間で行うファクタリングがあります。
3社間で行うファクタリングとは、給料ファクタリングを利用したい個人、給料ファクタリング業者、勤務先の会社の3社間で行われるファクタリングです。
まず、給料ファクタリングを利用したい個人は、給料ファクタリング業者に申し込みをします。
給料ファクタリングを利用する個人は、勤務先に給料ファクタリングの利用をする旨を伝えなければなりません。
そして、給料を受け取る権利である給料債権を、給料ファクタリング業者に譲渡します。
申し込みを受けた給料ファクタリング業者は、審査を行い、審査基準に基づいたお金を利用者に渡しますので、給料日前にお金を手にすることが可能なのです。
そして、回収は、勤務先から直接、給料ファクタリング業者に支払われることになります。
これが、3社間で行われる給料ファクタリングの仕組みです。
では、2社間で行われる給料ファクタリングとはどのようなものでしょうか?
2社間で行われる給料ファクタリングの登場人物は、給料ファクタリングを利用したい個人と給料ファクタリング業者になります。
給料ファクタリングを利用したい個人は、給料ファクタリング業者に申し込みをし、審査に基づいたお金を受け取ります。
ここまでは、3社間で行われるファクタリングと一緒です。
異なる点は、回収の仕方についてです。
給料は、通常通り給料ファクタリングを利用した個人に入るので、給料が入った段階で給料ファクタリング業者は資金を回収することになります。
以上が、給料ファクタリングの仕組みです。
では、なぜ給料ファクタリングは社会的な問題になっているのでしょうか?
給料ファクタリングの問題点は手数料が法外に高いこと!
給料ファクタリングの手数料が、非常に高額となるケースがあります。
1ヵ月で、20%程度の手数料が取られることもざらにあります。
1ヵ月に20%の手数料ということは、一年間に直すと240%の手数料と言うことてす。
現在の、利息制限法の最大の利率は、年率20%になります。
給料ファクタリング業者の中には、利息制限法の上限を遥かに超えた手数料を徴収しているケースも少なくないのです。
もし、給料ファクタリングを使い続けてしまったら、あっという間に資金繰りに困る事は明白でしょう。
例えば20%の手数料が取られる場合、月の給料が30万円だとすると、1回給料ファクタリングを利用するだけで6万円もの手数料が取られることになります。
これではあっという間に、資金繰りに困ってしまうのは明白でしょう。
金融庁はこの事態を問題視し、給料ファクタリングの利用に警報を鳴らしています。
しかし、難しいところが、給料ファクタリングは確実に違法であるとはいえないところです。
なぜなら、給料ファクタリングは融資ではないというロジックが、通じなくはないところがあるからです。
また、一部の給料ファクタリング業者は正当に営業をしています。
このような状況にあるため、給料ファクタリングは明確に違法とはいえないのです。
では、違法業者を見抜く方法には、どのような手段があるのでしょうか?
給料ファクタリングの違法業者の見抜き方
貸金業の登録を確認する
給与ファクタリングを業として行うことは、貸金業にあたるということが、金融庁のサイトで説明されています。
給与ファクタリングのサービスを提供する業者は、貸金業登録が必要になります。
もし、貸金業登録をしていない違法業者と取引をしてしまうと、後に大きな問題を抱える可能性があります。
ですから、給与ファクタリングの利用を検討する際には、業者の貸金業登録がされているかを確認しましょう。
「登録貸金業者情報検索サービス」を使えば、簡単に調べることができます。
利息制限法を確認する
給与ファクタリングに伴う手数料が、利息制限法に定められた範囲内かどうかを確認することも、違法業者を見分けるのに役立ちます。
先程も少し触れましたが、借り入れの際の上限金利は、借入金額に応じて次のように定められています。
- 10万円未満のときの上限金利 ・・年20%
- 10万円以上~100万円未満のときの上限金利 ・・年18%
- 100万円以上のときの上限金利 ・・年15%
給与ファクタリングの手数料についても、この利息制限法の基準が適用されますので、これ以上の金利がかかる場合は貸金業法に違反していることになります。
手数料があまりにも高額すぎる場合は注意が必要です。
また、契約内容をしっかり説明しなかったり、契約書がないような場合も違法業者の可能性が高いです。
できることなら使うべきではない給料ファクタリングですが、給料の前払いを受けることができ、個人信用情報を傷つけないメリットもあります。
どうしても、給料ファクタリングを使わざる得ない状況になってしまっても、違法業者には引っかからないようにしてください。
給与ファクタリングのメリット・デメリットの詳細は、下記の記事で詳しく取り上げていますので参考にしてください。
まとめ
今回は、給料ファクタリングについて詳しく説明をしました。
近年、給料ファクタリングを利用する方は非常に増えています。
給料ファクタリングは明確に違法とはいえませんが、かなりグレーな資金調達方法といえるので利用する際はぜひ気をつけてください。
今回の記事が、給料ファクタリングの理解を深めるのに役に立てば幸いです。