この記事では、経費に関する基本的な考え方、個人事業主が旅行代を経費にできる具体例、その際に使用する勘定科目についてご説明しています。
【PR】おすすめの会計ソフト | 詳細 |
やよいの白色申告オンライン |
個人事業主向けクラウド白色申告ソフト。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応。全ての機能がずっと無料で使えます。 |
やよいの青色申告オンライン |
個人事業主向けクラウド青色申告ソフト。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応。全ての機能が1年間無料で使えます。 |
弥生会計オンライン |
法人向けクラウド会計ソフト。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応。全ての機能が1年間無料で使えます。 |
タックスナップ | 記帳作業がスワイプで簡単、確定申告もスマホで完結、アプリストア4.6高評価の会計アプリ。2025年3月17日まで、「安心プラン」が1万円割引キャンペーン中です。2週間無料お試しができます。 |
経費に関する基本的な考え方
最初に、経費を計上できるかどうかを考える際に大切な点を確認しておきましょう。
旅行代に限らず、経費計上する際に考慮する必要がある点は、その支出が事業を行う上で必要であったことをきちんと説明できるかどうかです。
事業を行う上で必要な支出は、経費として認められます。
ですが、事業とは関係のない支出は経費計上できません。
この点があいまいなままで経費計上してしまうと、後から税務調査などで否認された場合に、追加で税金を支払うはめになる可能性があります。
また、その旅行の目的や誰と行ったかによって、経費にできる場合でも使用する勘定科目が異なります。
この記事では、旅行代を経費計上できるかどうかについて、幾つかの具体例を考えていきます。
根拠をはっきりと説明することができれば、問題なく経費計上でき節税になりますので、これから取り上げる内容を確認していただきたいと思います。
従業員を伴う旅行代
事業主が従業員を伴って旅行する場合、その費用を経費計上することができます。
この時に注意する必要があるのは、旅行にかける日数や従業員の参加する割合などです。
条件を満たせば、福利厚生費として全額を経費計上することができます。
具体的には、下記の条件を満たすことが必要です。
- 旅行期間が4泊5日以内
- 参加人数が全体の50%以上
- 参加しなかった人に金銭を支給していない
- 事業主の負担額が高額でない
この条件を満たしていれば、福利厚生費として全額経費とすることができます。
しかし、上記の要件を満たしていない場合は、福利厚生費とすることはできません。
少し詳しく見ていきますと、①の旅行期間については国内旅行に該当します。
国外旅行については、目的地での滞在日数が4泊5日以内となるのでご注意下さい。
②の50%以上の参加人数については、全従業員を対象とした上で50%以上の参加が必要になります。
ですから、一部の従業員だけが対象となる場合や、役員だけが参加するようなケースでは、福利厚生費とすることはできません。
また、全従業員にはパートやアルバイトなどの正社員以外も含めた上で、50%以上かどうかを判断する必要があります。
③の旅行に参加しなかった従業員に対して金銭を支給した場合は、その支給された金額分が給与扱いとなります。
これは、旅行に行かなかった従業員だけでなく、旅行に参加した従業員に対しても同額が給与扱いとなります。
また、事業主の負担額が高額でないことも条件ですが、具体的な金額は10万円以内とされています。
この金額を超えると高額と判断されて、給与扱いとなるので注意が必要です。
福利厚生費としてではなく給与扱いとなる事で生じるデメリットは、従業員の税金の負担が増加することです。
給与扱いとなれば、その分所得税や住民税の負担が増えることになりますので、従業員の立場からすれば給与扱いにはして欲しくないのが正直なところです。
事業主としては、旅行代を福利厚生費として経費計上できれば、従業員の税金負担を抑えることにもつながりますので、福利厚生費の条件を把握しておきましょう。
参考:国税庁 No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行
取引先や同業者を伴う旅行代
取引先や同業者を伴った旅行代についても、基本的には必要経費にすることができます。
事業を行う上で、取引先との良好な関係は重要ですし、ビジネスを継続・発展させるために同業者から有益な情報を得ることもできます。
事業を行う上で、その支出が必要であったことを説明できればOKです。
しかし、取引先や同業者を伴っていれば、全て問題なく必要経費にできるかと言えば、そうは言い切れないのが経費の難しいところです。
過剰な出費を伴っているような場合は、後から経費として認められない可能性がありますので注意が必要です。
経費計上する際は、接待交際費の勘定科目を使用します。
個人事業主の場合、接待交際費として経費計上する際にその費用の全額を経費計上することができます。
しかし、法人の場合は全額を経費にすることができず、資本金の額によって処理の仕方が変わります。
詳しくは、国税庁の下記の情報を参照してください。
参考:国税庁 No.5265 交際費等の範囲と交際費等の範囲と損金不算入額の計算
家族同伴の旅行代
家族を伴った旅行代が、経費にならないかと考えるケースも多いと思います。
家族だけで旅行に行く場合、それが事業に関係のないのものであれば、旅行代を経費にすることはできません。
例え、家族の中に事業を手伝っている専従者がいるようなケースであっても、基本的に経費にはできないでしょう。
下記は、平成5年11月19日名古屋地裁の必要経費性に関する情報です。
参考:青色事業専従者の慰安旅行ー旅費費用の必要経費性について判断ー
ですが、家族を伴った旅行代が経費になるケースもあります。
例えば、事業主が複数の従業員を雇っていて、その旅行に自分の家族を同伴するような場合です。
先ほど取り上げた、従業員に対する福利厚生費の要件にかなっている場合、その旅行に参加する専従者についても福利厚生費として経費とすることが可能です。
事業主一人での旅行代
事業主が一人で旅行する場合、その旅行代については基本的に経費とすることはできません。
事業主に対する慰安ということで、福利厚生費にできると考える人もいますがこれは間違いです。
福利厚生費は従業員に対するものであり、事業主1人の旅行については従業員が伴っていないからです。
ですから、事業主が一人で行う慰安旅行やプライベートの旅行代を経費計上することはできません。
しかし、一人で行う旅行であっても、その目的が視察であったり取材といった場合であれば、必要経費に計上できると考えられます。
その場合は、取材費の勘定科目で仕訳します。
記事の最初でもご説明した通り、事業に関係があることをしっかり説明できれば、例え事業主1人の旅行であっても経費計上することは可能です。
ただし、プライベートも兼ねた旅行であれば、その分は除いたうえで経費計上するほうが無難です。
本当に視察や取材を兼ねた旅行だったとしても、証拠が残っていなければ税務調査などで否認される可能性がありますので、その時の視察や取材の内容をメモや写真などで残しておくことをお勧めします。
プライベートの旅行代を経費にする方法
ここまで、プライベートの旅行代は、経費計上できないことをご説明してきましたが、事業とは直接関係のないプライベートの旅行代でも経費にする方法があります。
例えば、副業として旅行に関する情報をブログなどで発信することです。
読者が増えてくると、ブログから広告収入などを得ることができますが、もし旅行ブログを作って情報発信するなら、その必要経費としてプライベートの旅行代も経費とすることができます。
全額は難しいかも知れませんが、一部であれば経費計上することは十分可能です。
下記は、調べている際に見つけた税理士さんのブログです。参考までに、ご紹介しておきたいと思います。
参考:ブロガーが旅行ブログで収入をあげている場合、旅費は経費になる?
これはあくまでも一例ですし、1年に数回も旅行しない人が、ブログで情報発信するのも気が引けるかも知れません。
しかし旅行が好きであったり、旅行に行く回数が多ければ、副業で旅行ブログを始めてみるのも良いかもしれません。
本業に関係のある、視察や取材旅行の情報を残しておくといった点でも、メリットがあります。
ブログ記事として情報をまとめておけば、ストック資産として残りますから、ただ証拠が残るだけでなくその証拠の文章や写真から将来収入を得られる可能性もあります。
ブログでの副業は、収入を得るまでに時間がかかりますし絶対に成功する補償はありませんが、経費にする方法としてこういう選択肢があることも知っておいて損はありません。