iPhone(ipad)のおすすめデータ復旧業者を徹底解説

フリーランスとして活動中、リンゴループに陥り、クライアントとの重要なチャット履歴や納品データに一切アクセスできなくなった…

この記事は、そのような緊急事態に直面し、信頼できる iPhoneデータ復旧業者を探している、個人事業主やフリーランス、法人などを対象としています。

ただし、それ以外の方についても、基本的な考え方や情報には共通点も多くあるため参考になる内容となっています。

本当におすすめできる専門業者を厳選し、その選び方を徹底的に解説しています。

 

本記事のポイント

  • 法人・個人事業主がデータ復旧業者を選ぶ最重要基準
  • 症状別の料金相場と「完全成果報酬制」の重要性
  • 機密情報(NDA)を預ける業者のセキュリティ体制の見極め方
  • インボイスや請求書払いに対応できる業者の見つけ方

 

目次

iPhoneのおすすめデータ復旧業者の選び方

 

iPhoneとチェックシート

 

フリーランスや個人事業主の方が直面するiPhoneのデータトラブルは、個人のそれとは比較にならないほどの重い責任を伴う可能性があります。

ここでは、単にデータを元に戻すだけでなく、会社の信用と事業の継続性を守るための「業者選定基準」を具体的に解説します。

料金の透明性から、機密情報を預けるに足るセキュリティ体制まで、ビジネス利用で失敗しないための情報を詳しくご説明していきます。

 

iPhoneデータ復旧の料金と相場比較表

 

まず最大の懸念点である「費用」についてです。これは、社内稟議を通すためにも、コストを把握するためにも、極めて重要な情報となります。

iPhoneのデータ復旧料金は、障害のレベル(論理障害か物理障害か)によって大きく変動します。

  • 論理障害: 誤操作によるデータ削除、システムエラー、リンゴループ(起動時のAppleロゴが繰り返し表示される状態)など、iPhone本体(ハードウェア)は壊れていない状態。
  • 物理障害: 水没、落下による基板の破損、強い衝撃によるメモリの故障など、ハードウェア自体が物理的に壊れている状態。

一般的に、物理障害は復旧の難易度が格段に高くなるため、料金も高額になる傾向があります。

以下に、一般的な料金相場と、法人・個人事業主が確認すべき支払い条件を表にまとめます。

 

障害レベル 症状の例 料金相場(目安) ビジネス利用時の確認事項
軽度論理障害 データ誤削除、軽度のリンゴループ 50,000円 ~ 100,000円
  • ・完全成果報酬制か?
  • ・初期診断料・見積もりは無料か?
  • ・キャンセル料は発生しないか?
  • ・インボイス(適格請求書)発行は可能か?
  • ・請求書払い(月末締め等)に対応可能か?
重度論理障害 OSアップデート失敗 80,000円 ~ 180,000円
物理障害 水没、基板破損、起動不可、重度リンゴループ 110,000円 ~ 600,000円

※本表は一般的な目安です。症状・暗号化状態・データ量で大きく変動します。できれば決定前に複数社の見積もりを取って比較検討することをお勧めします。

 

この表から分かる通り、特に水没や基板破損などの「物理障害」は費用が高額になりがちです。

ここで、法人・個人事業主様が最も重視すべきなのが「完全成果報酬制」です。

これは、データ復旧が成功した場合にのみ費用が発生する仕組みを指します。

万が一、復旧が不可能だった場合に、高額な調査費用だけを請求されるリスクを回避できます。

また、一部の業者では一律料金を提示している場合もありますが、iPhone、特に物理障害の復旧に対応しているかは個別に確認が必要です。

安価な定額制の場合、iPhoneの高度な復旧は対象外である可能性も高いため、適用範囲を事前に必ず確認してください。

 

iPhone初期化・バックアップなしのデータ復旧業者

 

「iCloudのバックアップが最新ではなかった」「誤って初期化してしまった」という状況。特に後者の「初期化」や「パスコード不明」は、iOSの仕様上、極めて深刻な状態です。

 

「初期化」・「パスコード不明」後の復旧は原則不可能

 

結論から申し上げますと、Appleの復元操作をPCで行ったり、iPhone本体ですべてのコンテンツと設定を消去を実行したりした場合、データ復旧は原則として不可能です。

また、パスコードを忘れてしまった場合も、ロックを解除してデータを取り出すことはできません。

これは、iPhoneが採用するiOSの高度な暗号化設計によるものです。

iOSではパスコードが暗号鍵の導出に必須なため、パスコードが不明な状態ではデータにアクセスできません。

同様に、初期化の操作が実行されると、データ本体だけでなく、そのデータを解読するために必須の「暗号鍵」が即座に破棄されます。

鍵がなければ、たとえストレージにデータの痕跡が残っていたとしても、それを解読することは誰にもできません。

※iOSの設計上、正当なパスコード等の認証情報なしでの復旧は不可です。

 

復旧の可能性があるケース

 

一方で、初期化以外の症状であれば、話は全く別です。

以下のような、バックアップがない状態でのトラブルであれば、専門業者によってデータを復旧できる可能性は十分にあります。

  • 誤って特定の写真や連絡先を削除した
  • OSのアップデートに失敗し、リンゴループになった
  • 水没や落下で電源が入らなくなった

これらのケースでは、暗号鍵はまだ破棄されていません。

専門業者は、基板を修理して電源を投入できるようにしたり、システムの不具合を解消したりすることで、暗号鍵が有効な状態でデータ領域にアクセスし、データを救出します。

 

絶対にやってはいけないこと

 

データの復旧可能性を最大限に残すため、トラブル発生直後の「被害拡大防止措置」が何よりも大切です。

 

水没した場合、通電・充電・ドライヤーは厳禁

内部でショートが発生し、基板が致命的に損傷する原因となります。

Apple公式も、濡れたiPhoneの取扱として明確に禁止しています。

すぐに電源を切り、SIMカードを抜いてください。

 

リンゴループや起動不良の際、強制再起動を繰り返さない

システム領域への負荷が蓄積し、データ構造がさらに破損する可能性があります。

 

PCに接続し、iTunes/Finderで「復元」を押さない

前述の通り、これは「データ復旧」ではなくデータ消去(工場出荷状態)の操作です。

実行した瞬間に、データ復旧の可能性はゼロになります。

 

安易にデータ復旧ソフトを自分で試す

復旧ソフトのインストールやスキャン自体が、新しいデータを書き込む行為(上書き)になるため、プロの業者でも復旧不可能な状態にしてしまう危険性があります。

業務データが入ったiPhoneが異常をきたしたら、すぐに操作をやめ、電源を切り、専門業者に診断を依頼する。これが鉄則です。

 

iPhoneの写真復旧業者はどこを選ぶべきか

 

ビジネスシーンにおいて、iPhone内の「写真」は、単なる思い出の記録ではありません。

それらは「経費精算に必要なインボイス(適格請求書)が記載された領収書」「クライアントに提出する現場の証拠写真」「デザインの修正指示を書き込んだスクリーンショット」といった、業務遂行に不可欠な「資産」です。

これらの重要な業務データを復旧したい場合、業者選びの基準は「技術力」以前に「機密保持体制(セキュリティ)」が最優先となります。

万が一、クライアントの機密情報や、未公開のプロジェクト写真、経費データが外部に漏洩した場合、企業の信用問題に直結し、損害賠償に発展するリスクすらあります。

したがって、以下のセキュリティ認証や体制が整っているかを必ず確認してください。

 

PマークとISO27001の違い

 

業者のWebサイトでよく見かけるセキュリティ認証には、主に2つの種類があります。

 

Pマーク(プライバシーマーク)

主に「個人情報」の取り扱いが適切であるかを認証する、日本国内の制度(JIPDECが運営)です。

個人顧客が多い業者にとっては重要な認証です。

参考:プライバシーマーク制度|一般財団法人日本情報経済社会推進協会

 

ISO27001(ISMS認証)

「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」に関する国際規格です。

個人情報だけでなく、企業が持つ「全ての情報資産」を対象に、組織的な管理体制が構築・運用されていることを認証します。

法人データを預けるのであれば、より広範な情報資産の管理を対象とする「ISO27001」を取得している業者の方が、信頼性の高い目安となると考えられます。

 

NDA(秘密保持契約)締結の重要性

 

認証の有無以上に、法人取引において必須となるのが「NDA(秘密保持契約)」の締結です。

これは、復旧作業に際して知り得た情報を、業者が外部に漏らしたり、他の目的に使用したりしないことを法的に約束させる契約です。

管理部門の担当者様は、見積もりを依頼する最初の段階で、「作業前に、法人名義でのNDAを締結することは可能ですか?」と必ず確認してください。

この依頼を拒否したり、渋ったりする業者は、ビジネス利用のパートナーとして不適格です。

クライアントの大切な情報資産を守るためにも、セキュリティ体制が可視化され、法的な契約(NDA)を結べる業者を選定してください。

 

おすすめのスマホデータ復旧業者(法人・個人事業主向け)

 

膨大な数のデータ復旧業者の中から、「機密性」「スピード」「法人対応」などのビジネス要件を満たす業者を見つけ出すのは容易ではありません。

ここでは、公開されている情報を基に、特に法人・個人事業主様のシビアな要求に応えられる可能性が高い、信頼できるスマホデータ復旧業者を4社紹介します。

 

デジタルデータリカバリー

スマホやiPhoneの復旧にも力を入れており、最新機種やOSのアップデートに伴う障害にも迅速に対応できる体制が強みです。

24時間365日の受付と、セキュリティ(ISO27001・Pマーク)の高さは、機密情報を扱う事業者にとって安心材料となります。

 

アドバンスデザイン

アドバンスデザインは、メルコホールディングスグループの一員で、同グループのバッファローと技術連携があります。

取得認証はISO9001/ISO27001を公表。バッファロー公式のデータ復旧サービス(iPhone含む)も手掛けるなど、メーカーグループとしての技術連携と信頼性があります。

おすすめする理由: メルコグループの信頼性、ISO9001/27001両取得という鉄壁のセキュリティ体制。

A1データ

こちらも30年以上の歴史と、8万件を超える豊富な実績を誇る老舗です。HDDの元設計者が在籍するなど、高い技術力をアピールしています。

情報セキュリティの「ISO27001」認証も取得しており、法人対応の実績も豊富です。

他社で復旧不可能と診断されたような難易度の高い案件でも、長年のノウハウで対応できる可能性があります。

おすすめする理由: ISO認証と、他社で断られた案件にも対応しうる長年の実績と技術力。

DATASMART

DATASMARTは、スマートフォンやPCの復旧に強みを持ち、特に警察からの捜査協力で感謝状をたびたび受領している点を公式Webサイトで公表しています。

捜査機関からの依頼は、極めて高度な技術力と、何重にも厳格な機密保持体制が要求されます。

そこで実績を上げているという事実は、企業の機密データを預ける上で、ISO認証とは別のベクトルでの強力な信頼の証となります。

おすすめする理由: 警察の捜査協力実績(自社公表)が示す、高い技術力と機密保持レベル。

 

法人・個人事業主向け業者比較のポイント

 

これらの業者を含め、ビジネス利用で業者を比較検討する際は、以下の点をチェックリストとして活用してください。

 

比較項目 確認すべき内容 なぜ重要か?
セキュリティ ISO27001 / Pマーク取得
NDA(秘密保持契約)締結可否
クライアントの機密情報漏洩を絶対に防ぐため。管理責任を果たす上で必須。
経理処理 インボイス(適格請求書)発行可否
請求書払い(月末締め等)対応可否
経理部門からの要請。これが無いと経費精算が通らない、または非常に煩雑になる。
スピード 即日診断・即日復旧の可否
持ち込み・出張対応
夜間・土日祝の対応
明日までにデータが必要。業務停止時間を1分でも短縮するため。
コスト透明性 完全成果報酬制か
初期診断・見積もり・キャンセル料
稟議を通すため。復旧失敗でも費用発生は避けたい。
技術力 高度な基板修理設備(顕微鏡等)
iPhoneの復旧実績(症状別)
水没(物理障害)の可能性が高いため、高度な設備と技術が不可欠。

 

信頼できる業者の見極め方

 

前述のおすすめ業者に限らず、ご自身で業者を選定する際には、信頼に足る相手かを見極める必要があります。

焦る気持ちを抑え、以下の5つのポイントを冷静に確認してください。

 

セキュリティ体制が明記されているか

先ほども取り上げたように、ISO27001やPマークの取得状況は、セキュリティ意識を測る客観的な指標です。

Webサイトの会社概要や、セキュリティポリシーのページに明記されているかを確認しましょう。

 

法人向けの支払い(インボイス・請求書払い)に対応しているか

インボイスや請求書払いに対応しているかどうかは、事業主にとって重要な要素です。

問い合わせの段階で、インボイス発行と請求書払いの可否を確認しましょう。

 

スピード対応の体制が整っているか

「即日対応可」と書かれていても、実際は「診断だけ」「軽度障害のみ」という場合があります。

業務停止の危機にある際は、「今日の午後に持ち込んで、診断と見積もりはいつ出るか?」「水没(物理障害)の場合、最短の復旧日数はどれくらいか?」と具体的に確認することが大切です。

また、出張対応が可能であれば、端末を社外に持ち出すリスクを最小限に抑えられます。

 

高度な設備(基板修理技術)を保有しているか

水没や落下によるiPhoneの物理障害は、多くの場合、基板(マザーボード)の損傷が原因です。

この復旧には、ホコリやチリを厳密に嫌うハードディスクの開封作業で必須となるクリーンルームとは異なり、顕微鏡(マイクロスコープ)下で髪の毛より細い回路を修復するための高度な基板修理技術と専門設備が求められます。

Webサイトで具体的な修理実績や、基板修理を行っている作業風景を公開しているかは、技術力と信頼性の証となります。

 

料金体系が透明か(完全成果報酬制)

法人利用では、完全成果報酬制が検討する際の重要条件の1つです。

初期診断無料であっても、復旧をキャンセルした場合に調査作業費やキャンセル料が発生しないかを、必ず確認してください。

以下の記事では、事業者向けの事業者選びに参考になる情報を詳しく取り上げていますので、参考にしてください。

 

失敗しないために|iPhoneデータ復旧業者の注意点

 

電源が入らないひび割れスマホとビックリマーク

 

緊急時こそ、冷静な判断が求められます。

しかし、焦りから安さや近さだけで業者を選んでしまい、取り返しのつかない事態に陥るケースも少なくありません。

ここでは、大切な業務データと会社の信用を守るため、業者選びで絶対に知っておくべき注意点について詳しく解説します。

 

業者選びの注意点

 

残念ながら、データ復旧業界には、利用者の焦りや知識の不足につけ込む悪質な業者が存在します。

会社の重要なデータを預ける前に、以下の手口を知っておくだけで、無用なトラブルを回避できます。

 

異常に高いデータ復旧率の広告

 

復旧率が非常に高い数値を広告で謳う業者がいますが、この数字を鵜呑みにしてはいけません。

なぜなら、日本データ復旧協会(DRAJ)などの業界団体も誇大広告の抑制を掲げていますが、「データ復旧率」には業界統一の明確な算出基準が存在しないからです。

例えば、データ削除などの、軽微な論理障害の案件だけを母数にして「99%成功」と宣伝することも可能です。

水没や基板破損といった重度の物理障害を含めた場合、そのような高い数値を維持することは現実的ではありません。

数字だけを見て惑わされないように注意して、業者がどのような設備を持ち、どのような難易度の復旧実績を具体的に公開しているかを確認する方が確実です。

 

診断無料からの高額な「キャンセル料」

 

最もトラブルになりやすいのが料金です。

初期診断無料と聞いて持ち込んだところ、診断後に高額な見積もりを提示され、あまりの高さにキャンセルしようとすると、「すでに分解作業を行った」として高額な調査作業費やキャンセル料を請求されるケースです。

これは実質的に「見積もり有料」と同じです。

対策として、依頼前に必ず「データ復旧が成功しなかった場合、および見積もり後にキャンセルした場合、費用は本当に一切かからないか?」をメールやWebサイトのFAQなどで確認し、その証拠を残しておくことが大切です。

 

不安を煽り即決を迫る営業

 

「今すぐに依頼しないと、データが完全に消えて二度と復旧できなくなる」「他社に持ち込んだら、もうウチでも無理になる」などと過度に不安を煽り、高額な契約を即決させようとする手口です。

もちろん、水没などは時間経過と共に基板の腐食が進むため、迅速な対応は必要です。

しかし、信頼できる業者であれば、冷静に状況を説明し、リスクと見積もりを提示した上で、顧客に判断を委ねます。

強引な営業トークで契約を急かす業者は、信頼性に欠けると判断すべきです。

 

口コミの罠

 

Webサイト上の「お客様の声」は、業者側が良いものだけを選んで掲載している可能性があります。

より信頼性の高い情報を得るには、Googleマップの口コミや、SNSなどでの第三者の言及を確認することをおすすめします。

特に、Googleマップの「悪い口コミ」にも注目してください。

「見積もり後に高額な請求をされた」「説明が不十分だった」といった具体的なトラブル内容が書かれている場合、同様のリスクがあると考えられます。

良い口コミだけでなく、悪い口コミの内容とその件数も見て、総合的に判断することが失敗を避ける鍵となります。

 

iPhoneのデータ復旧をAppleに頼める?

 

iPhoneが故障した際、真っ先に思い浮かぶのがApple Storeや正規サービスプロバイダ、あるいは契約している携帯キャリアでしょう。

しかし、結論から申し上げますと、これらの正規窓口は「データ復旧」目的には不適です。

なぜなら、正規窓口の最優先事項は、iPhone端末を正常に動作する状態に戻すことであり、端末内のデータを救出することではないからです。

 

Apple Storeや正規プロバイダの対応

 

Appleのサポートポリシーは、基本的に本体交換または部品修理です。

どちらの場合でも、修理プロセスにおいてデータは原則として初期化されます。

Appleの公式サポートページでも、修理を申し込む前の準備としてバックアップとすべてのコンテンツと設定を消去が明記されています。

バックアップがなければ、データは諦める前提での修理となります。

 

携帯キャリアショップ(ドコモ・au・ソフトバンク)の対応

 

各キャリアも、独自のデータ復旧受付サービスを提供している場合があります。

しかし、これらにはビジネス利用において看過できない大きな制限とリスクが伴います。

 

対象データが限定的

例えばauのデータ復旧サポートでは、復旧対象を画像・動画・電話帳などに限定しており、業務で不可欠なLINEなどのSNSの履歴、業務アプリ内のデータは対象外と明記されています。

 

重度の物理障害は対応不可

水没や基板破損といった高度な技術が必要な物理障害は、キャリアのサービスでは対応できないケースがほとんどです。

 

端末の取扱に関する規約

これが最も注意すべき点です。

キャリアのデータ復旧サービスは、規約によって端末の取扱いや免責事項が厳格に定められています。

例えば、復旧作業中の破損等に関する免責や、端末の取扱などについて厳格な規定があります。依頼前に最新の利用規約を必ずご確認ください。

業務データが重要な場合、まずデータ復旧の専門業者に相談してください。

 

データ復旧は恥ずかしい?機密保持(NDA)の確認

 

「iPhoneの中には、クライアントとのプライベートなやり取りや、社外秘の見積書、経費の領収書などが大量に入っている。それを作業員に見られるのは不安だ…」

この感覚は、個人としては自然なものですが、法人や個人事業主の立場で考えると、「恥ずかしい」という感情の問題以上に、「情報漏洩リスクをどう管理するか」という重大な経営上の重要課題です。

端末に、自社の情報だけでなく、取引先であるクライアントの情報も含まれている場合、仮にその情報がデータ復旧プロセスから漏洩したならば、クライアントからの信用を失い、最悪の場合、契約違反や損害賠償責任を問われる可能性すらあります。

このリスクを法的に管理するために、絶対に実行すべきなのが「NDA(秘密保持契約)」の締結です。

 

NDA(秘密保持契約)の必須性

 

データ復旧は、外部業者への「業務委託」に他なりません。

したがって、作業を依頼する前に、あなたの会社もしくはあなた自身とデータ復旧業者の間で、NDAを締結することは、ビジネス上の必須の防衛策です。

NDAを締結することにより、復旧業者は「作業中に知り得た一切の情報を、復旧以外の目的に使用せず、第三者に漏ら洩しない」という法的な守秘義務を負うことになります。

 

機密性を担保するその他の要素

 

NDAの締結と合わせて、以下の点も業者の信頼性を測る指標となります。

 

  • ISO27001(ISMS認証): 前述の通り、組織全体で情報セキュリティを管理する体制があることの国際的な証明です。
  • 作業環境の明示: データ復旧を外部ネットワークから遮断した「オフライン環境」で行うか、物理障害対応のための「基板修理設備」を完備しているか。
  • データ消去証明書の発行: 復旧作業完了後、業者側に残ったかもしれないデータを、確実に消去したことを証明する書類を発行してもらえるか。

 

これらのセキュリティ対策を確認し、NDAを締結することは不可欠なプロセスです。

 

データ復旧に関連したよくある質問(Apple・ヤマダ電機・キタムラ等)

 

データ復旧に関する疑問について、Q&A形式で回答します。

 

Q. アップルストアで復元してくれる?

A. できません。前述の通り、Apple Storeや正規サービスプロバイダの役割は「データ復旧」ではなく「端末の修理・交換」です。修理プロセスでデータは原則として初期化されます。業務データを失いたくない場合は、修理に出す前に専門業者に相談してください。

 

Q. ヤマダ電機やカメラのキタムラのデータ復旧の料金はいくらですか?

A. ヤマダ電機やカメラのキタムラといった大手家電量販店も、データ復旧の受付窓口を設けています。しかし、注意点として、これらの店舗はあくまで「受付窓口」であり、実際の復旧作業は提携している専門のデータ復旧業者が行います。

料金は、その提携先の料金基準に準じます。ただし、店舗を経由する分、専門業者に直接依頼するよりも診断や復旧にかかる時間が長くなる可能性があります。

緊急性が高く、機密情報を扱うデータは、ISO認証などを持ち、法人取引に慣れた専門業者に直接相談・持ち込みする方が、スピードと安全性の面でおすすめです。

 

Q. iPhoneで3年前の写真を復旧するにはどうしたらいいですか?

A. データの復旧可能性は、削除からの経過時間よりも、削除後にどれだけそのiPhoneを使用したかに依存します。

もし3年前に写真を削除した後、すぐにiPhoneの使用をやめて電源を切って保管していた場合、データは上書きされておらず、復旧できる可能性は残っています。

逆に、削除した後も毎日使い続けていた場合、写真データがあったストレージ領域に、新しいアプリや写真、OSのアップデートデータなどが書き込まれ、データの痕跡は失われている可能性が高いです。

業務データの場合、まずは専門業者に診断を依頼し、復元の可能性があるかを判断してもらうことをお勧めします。

 

Q. リンゴループとは何ですか?

A. iPhoneを起動する際に表示されるAppleのロゴマークが、点いたり消えたりを繰り返し、ホーム画面に進めなくなるシステムエラーの症状を指す一般的な呼称です。OSのアップデート失敗、ストレージ容量の不足、アプリの不具合、基板の損傷など、原因は多岐にわたります。

 

緊急時の対応と業者への連絡雛形

 

万が一の事態が発生した際に、被害を最小限に抑え、スムーズに業者へ連絡するためのテンプレを紹介しますので参考にしてください。

 

緊急時チェックリスト

 

  1. 通電・充電・乾燥行為をしない。
  2. 端末の電源を切り、SIMカードを抜く。
  3. PCに接続し、初期化や復元ボタンは絶対に押さない。
  4. 専門業者へ診断のみを依頼する。(※必ず成功報酬/キャンセル規定を文面で確認)

 

問い合わせテンプレの例(メール用・コピペOK)

 

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件名: iPhoneデータ復旧の見積依頼(法人/請求書払い・NDA可否の確認)

[業者名] 御中

お世話になります。法人(または個人事業主)の[会社名・氏名]と申します。

業務使用中のiPhoneが故障し、データ復旧を検討しております。

つきましては、下記条件での対応可否および概算見積もりをご教示いただけますでしょうか。

・症状: [例:iPhone 17 Pro。昨夜水没させ、本日より起動不可の状態]

・復旧対象: [例:写真(領収書データ含む)、連絡先、LINEトーク履歴、Chatwork履歴]

【確認要件】

  1. 秘密保持契約(NDA)の締結は可能でしょうか?
  2. ISO27001等のセキュリティ認証はお持ちでしょうか?
  3. 料金体系は「完全成果報酬制」(復旧不可・キャンセル時0円)でしょうか?
  4. 法人名義での「請求書払い(月末締め等)」および「インボイス」発行は可能でしょうか?
  5. 本日持ち込み(または郵送)の場合、最短の診断・復旧スケジュールを教えてください。

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まとめ

 

この記事では、個人事業主やフリーランス、法人向けに、ビジネス利用で失敗しないための業者選定基準と注意点を解説してきました。

緊急事態において、あなたの最優先事項は「安さ」ではなく、事業の継続性と取引先の信用の維持です。

業務上、重要なデータを失うことは、数万円の復旧費用とは比較にならない甚大な損失に繋がります。

ですから、業者を選ぶ際には、特に以下の3つの点を考慮して検討することをお勧めします。

 

  1. 機密性: ISO27001認証やPマークを持ち、法人名義でのNDA(秘密保持契約)締結に快く応じてくれること。
  2. 業務フロー: インボイス(適格請求書)の発行、および請求書払い(月末締め等)に柔軟に対応できること。
  3. スピード: 即日診断、持ち込み、出張対応が可能で、業務停止時間を最短にする努力をしてくれること。

 

焦る状況だからこそ、あなたの重要な業務データを安心して預けられる、信頼できる業者を選定してください。

信頼できる業者選びに、この記事の情報が参考になれば幸いです。

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