これまで、会計処理を面倒だと感じたことはないですか?
確定申告の時期に、溜め込んでいた入力作業を慌てて行ったりした経験はないですか?
私は、今までインストール型の会計ソフトを利用していましたが、会計処理の手間を少しでも減らしたいとの思いで、今年からMFクラウド確定申告を利用するようになりました。
今回は、MFクラウド確定申告の特徴を活かした使い方や利用時の注意点について、実際に使ってみた感想などを記事にしたいと思います。
今後、MFクラウド確定申告を導入するかどうかの参考になればと思います。
目次
MFクラウド確定申告の特徴
自動連携サービス

自動連携サービスとは、金融機関やクレジットカードなどの取引データを自動で取得して表示してくれるサービスです。
2017年の5月時点で3,618の口座やサービスに対応していて、金融機関やクレジットカード以外でも利用者の多いAmazonや楽天市場
などの通販サイトにも対応していますので、こちらのサイトを利用して経費計上できるものを購入することがあるなら会計処理が楽になりとても便利です。
個人的には、この自動連携サービス機能に1番魅力を感じています。
これまで私は、何年にもわたってインストール型のやよいの青色申告ソフトを利用してきましたが、パソコンの横に利用している金融機関の通帳を複数用意して、一つ一つの入出金の情報を入力していました。
1ヶ月間の情報を入力し終えると、月末の通帳残高とやよいの青色申告ソフトに入力した数字が合っているかどうかの確認をして、正しく入力できていたら通帳の月末残高の右端に赤ペンでレ点のチェックを入れるという面倒な作業を1月~12月分まで繰り返し行っていました。
もし、月末残高の数字が合ってなかったなら、どこかの取引の数字を間違えて入力しているはずなのでそれを探して訂正する必要がありました。
通帳の取引はそれほど多くはなかったのですが、通帳は複数処理する必要がありましたし、加えて現金出納帳にも現金取引を入力する必要があるので結構な手間でした。
ところが、今回利用したMFクラウド確定申告の自動連携サービスは自動でデータを取得してくれるので、まず数字の間違えが生じないところも助かりますし、仕訳も取引内容に基づいて自動で行ってくれるので大幅に会計処理の手間が短縮されるのは間違いありません。
普段から、ネットバンキングやクレジットカードの利用頻度が多ければ、一度登録するだけでデータを自動取得してくれるので、会計処理の時間をかなり削減できると思います。
マネーフォワードを利用しているのであれば、すでに登録している口座などの情報をそのまま利用できますから大変便利です。
他の端末でもデータ共有
インストール型の会計ソフトは、インストールしたパソコンでしか使うことができません。パソコンが壊れたらまたインストールし直す必要もあります。その際は、改めてライセンス認証なども必要になってくるのでかなり面倒なんですね。
ところが、MFクラウド確定申告は、クラウド型なのでそのような手間がかかりません。パソコンはWindows&Macでも利用できますし、スマホやタブレットでもリアルタイムの会計データを確認することができます。
分析アプリを利用すれば、スマホでキャッシュフローを分析したり、口座の残高確認などができるので大変便利です。
ただし、現時点ではアプリを使って仕訳を行なうことは出来ません。
個人的には、外出先でデータ確認やデータ入力の必要性を感じていないので問題ないのですが、仕訳が外出先でもできるのであれば、利便性は高まりますしより魅力的なサービスとなっていくはずです。今後期待したい点の1つです。
ちなみに、アプリではなくて、ブラウザ表示させればスマホでもパソコンと同様に会計処理を行なうことは可能ですが、小さなスマホ画面では処理がしにくいですし、どうしても外出先でデータ処理しないといけない状況でもなければ、そうした利用の仕方をする必要はないように思います。
無料で利用できる
フリープランと言って、月の仕訳が15件以下であれば無料で利用することができます。無料だからといって、データの利用期間に制限があるわけではありませんし法令改正にも対応しています。
ですから、帳簿の保存義務の期間中に過去の取引の情報が必要になっても心配しなくていいですし、2019年10月から消費税が8%から10%に上がったとしても新たに料金を支払う必要もありません。
ですから、フリープランの条件で利用できるのであれば、この便利なクラウド会計サービスを無料で継続利用が可能となります。また、仕訳の件数が無制限のベーシックプランでも月額800円、年額一括払いだと8800円と月額料金よりも800円安く利用できます。
私が一年目に利用していた、インストール型のやよいの青色申告は「あんしん保守サポート」というサービスの一番安いプランで8640円かかるのでほぼ同額で利用可能です。ちなみに、有料プランでも30日間は無料で利用可能です。
お勧めとしては、最初に仕訳が15件以下のフリープランを利用してみて、使い勝手を確認してみたり、最初の30日間に利用できるサポートをフル活用して使い方などを確認してみるといいと思います。
自動連携サービスを利用する流れ
クラウド会計の主な特徴である自動連携サービスを利用する一連の流れを、Amazonの取引データを例に、MFクラウド確定申告に反映させるまでをご説明します。

まず、左側のデータ連携をクリックして通販のカテゴリーを選択するとAmazon.co.jpの表示を確認できます。
クリックすると下記の画面が表示されますので、Amazonで利用しているEメールアドレスとパスワードを入力します。
最後に連携登録をクリックして下さい。通信状況やデータ量によってデータが反映されるまで数分程度の時間がかかります。
途中で画像確認の表示が出ると思うので、ランダムに表示されている英数字をそのまま入力すれば処理は完了します。

最終的に、下記の画面のように連携サービスの部分にAmazon.co.jpが選択できるようになりデータの一覧を確認できるようになります。

自動連携を十分に活用するには
現金処理を減らす
自動連携サービスを十分に活用できれば、大幅に会計処理の手間を削減できますので、そのためには入力作業を極力減らすことを心がけましょう。
現金処理に関しては、MFクラウド確定申告でも入力作業が必要となります。ですから、現金で必要経費を購入したり支払いをするのではなく、できるだけクレジットカードや電子マネーを活用すると会計処理の効率化に寄与します。
クレジットカードや電子マネーを利用する際は、事業用とプライベート用をあらかじめ準備しておきましょう。
せっかく効率化を目的として始めたとしても、事業とプライベートの取引がごっちゃになっていたら、仕訳の訂正作業に手間がかかりますからご注意下さい。
売上処理も自動化する
POSシステムとMFクラウド確定申告を連動させることによって、売上処理を自動化することにより、会計処理の手間を削減することが可能です。
POSシステムとは、商品の管理システムのことで、売上や在庫の情報分析などを行なうことができます。
POSレジなどとも表現されますが、Airレジとかスマレジなどに代表されるiPadレジで、会計処理を効率化させることができます。導入を検討する際は、無料で使える比較サイトなどを活用すると便利です。
自動連携サービスの注意点
重複仕訳について
Amazonや楽天市場で商品を購入する際にクレジットカード決済を利用することがあって、そのクレジットカードもMFクラウド確定申告に登録している場合は、情報が二重に取得されることになりますので調整する必要があります。
データの重複チェックは下記のように会計帳簿から仕訳帳を選ぶと、画面の右上に重複チェックと表示されている部分がありますのでクリックすると、重複されている可能性がある仕訳を抽出することができます。
該当する仕訳にチェックを入れて重複仕訳一括削除をクリックすれば処理することができます。

訂正仕訳について
仕訳に関連してもう1つ注意点としては、取引内容に基づいて自動で行われる仕訳に関しては全て正しい仕訳というわけではありません。
訂正する必要のある部分もあるのですが、訂正した仕訳については自動学習してくれて以後の同じ取引に関しては、正しい仕訳を反映してくれるので訂正も最初だけで、仕訳の手間も徐々に軽減されていくはずです。
他の注意点について
便利なサービスであることは間違いありませんが、他にも多少気になるところや注意していただきたい点があります。
入力の際の違和感
私は、長年インストール型のやよいの青色申告ソフトを利用していたのですが、今年からMFクラウド確定申告に変えて、まず感じたのは文字や数字の入力の際の違和感でした。
インストール型の会計ソフトと比べて、入力がスムーズでないというか、多少の違和感みたいなものは感じました。
データ入力は、インストール型のソフトの方が快適に処理できる印象です。
でも、これについては始めのうちだけで、MFクラウド確定申告を利用していくうちに慣れてきましたし、そもそも入力作業自体がかなり削減されるので大した問題ではないと思います。
自動ログアウドについて
ただ、セキュリティーの面で多少注意が必要だと感じる部分があります。
それは、ログアウトについてです。
ネットバンキングなどを利用している場合はご存知だと思いますが、一定時間アクセスがなければ自動ログアウトしてしまい、再びログインする必要があります。
でも、こうした機能はセキュリティー面からみれば非常に大切だと思います。
MFクラウド確定申告の場合は、一定時間アクセスしなくても自動ログアウトしませんし、ブラウザーを一旦閉じても数日後に再び立ち上げた時にログインした状態になっていることが多いです。
多いと書いたのは、理由はよくわからないのですが再ログインしないと行けない状況の時もあるからです。
ネットバンキングなどのように不正送金などのリスクはありませんが、重要な会計データを入力しており、そうした個人情報が見られたり悪用されたりするリスクはあります。
ですから、パソコンを共有して利用する環境であったり、ノートパソコンなど容易に持ち出しができる状況であったりすると、先ほど述べたリスクがありますので、気になる場合は手動でログアウトするよう心がけると良いかと思います。
MFクラウド確定申告の画面の右上に事業年度が表示されていますが、そのドロップダウンボタンをクリックすればログアウトが表示されます。
普段自分しか利用していなくて、持ち出されるようなリスクも低ければ、利用する度にログインする手間が省けるので、利用する人によっては今の状態も逆にプラスに捉えるかも知れません。
いずれにしても、面倒な会計処理の時間が大幅にカットできる便利なサービスなのは間違いありません。
まとめ
株式会社マネーフォワードの田平公伸さんによりますと、MFクラウド確定申告を早く利用することのメリットについて下記のように話されています。
当社の会計ソフトは、金融機関からのデータ自動取得が最大のウリですが、この恩恵を最大限受けるには、1日でも早くご利用開始いただくことをおすすめしています。
なぜかと言いますと、例えばクレジットカードからデータを自動取得する場合、カード会社によっては過去数ヶ月分しかデータを取得できない場合があるんです。
確定申告では当然1年分の会計報告が必要ですので、申告シーズンから会計ソフトの利用を始めてしまうと、1年分の会計データを自動取得できない場合も出てきます。
結局その分は手入力しなければならなくなってしまいますので、お客様自身の負担が増えてしまいます。ですので。まずは一日も早くアカウント登録(無料)いただき、データ自動取得設定だけでもしていただくことをおすすめしています。
今回は、MFクラウド確定申告の特徴を活かした使い方や、利用時の注意点などを取り上げてみましたが、クラウド会計を検討されているなら一日でも早く利用した方がいいというのは同意見です。
上記のメリットももちろんですが、それ以外にも自動連携サービスは仕訳の精度は始めから100%ではないことも早く始めたほうが良いと思う理由です。
初期の段階では、仕訳の訂正が必要になります。ただし、始めに正しい仕訳の処理をしておけば以後の同じ取引に関しては正しい仕訳を反映してくれるので、自動連携サービスは使い込むほど手間がかからなくなるわけです。
ですから、確定申告の時期が近くなってクラウド会計の利用を始めるよりも、クレジットカード会社によっては過去数ヶ月分のデータしか取得できない場合があることや、使い込むほど手間がかからなくなるという特長を考えると、早めに利用を始めた方が翌年の確定申告の準備が楽になるはずです。
無料で利用できるので、実際に使ってみてMFクラウド確定申告の特徴を実際に体感してみるのが1番手っ取り早いと思います。